アバロンヒル社の『英独大西洋の戦い』(War At Sea)は、ルールが簡単で、プレイしやすいくせに、いろいろ考えないといけないので、とても面白いゲームだ。
リハビリにはちょうどいいゲームだ。
やってみて、疑問に思ったのが、「ビスマルクを沈めるには一体何隻で攻撃するといいのだろうか?」ということだった。昔は、なんとなく感覚で、攻撃力4の戦艦4隻でビスマルク1隻を攻撃していたが、それは合っていたのか無駄に多すぎたのだろうか?
「サイコロを振る以上、確率問題にでき、期待値を計算できるはずだ。」と思い、さっそく計算してみた。
期待値は、確率*サイコロの目だから、1/6の確率で6の目が出ると命中し、さらに1の目が出ると、1の損害を与えるので、1の損害を与える期待値は、1/6*1/6*1。同様にして、2の損害を与えるには、1/6*1/6*2。これを6まで繰り返して、振るサイコロの目をかければいいはずだから、この計算式で合っているはず。
①期待値の計算式:(1/36*1+1/36*2+1/36*3+1/36*4+1/36*5+1/36*6)*振るサイコロの数
この式をExcelに入れて、計算すると、これでいいはず。
ビスマルクの防御力が9だから、それを超えるには、攻撃力16で期待値9.33。
史実では、キング・ジョージV世、プリンス・オブ・ウェールズ、フッド、ロドネー、ドーセットシャー、ノーフォーク、アーク・ロイヤルで、砲撃力で19。期待値11.08。確かにビスマルクを沈めるのに十分だったのだ。あ、デザイナーさんは、逆にそこから各ユニットの攻撃力や防御力を決めたはずですね。
昔、戦艦4隻(攻撃力16)を集めてビスマルク1隻(防御力9)を攻撃したのは、カンだったとはいえ、期待値9.33なので、ビスマルクを撃沈するためには、計算上は合っていたようだ。
ちなみに、損傷していないドイツ軍は、サイコロの目5,6で命中し、損傷を与えることができる。そのため、期待値計算式は下記のようになり、期待値は②表のようになる。印象としてはもっと強力な気がしていて、ビスマルク(攻撃力4)とシャルンホルスト(攻撃力3)で、ロドネー(防御力5)と互角な気でいたが、それだと期待値4.76なので少し不足で、ロドネーには、攻撃力8を集中したいところだということがわかる。
②期待値の計算式:(1/3*1/6*1+1/3*1/6*2+1/3*1/6*3+1/3*1/6*4+1/3*1/6*5+1/3*1/6*6)*振るサイコロの数
攻撃力 | ①期待値(英軍・米軍・ソ軍・伊軍・損傷独軍) | ②期待値(損傷なし独軍) |
1 | 0.58 | 0.68 |
2 | 1.17 | 1.37 |
3 | 1.75 | 2.04 |
4 | 2.33 | 2.72 |
5 | 2.92 | 3.41 |
6 | 3.50 | 4.08 |
7 | 4.08 | 4.76 |
8 | 4.67 | 5.45 |
9 | 5.25 | 6.13 |
10 | 5.83 | 6.80 |
11 | 6.42 | 7.49 |
12 | 7.00 | 8.17 |
13 | 7.58 | 8.84 |
14 | 8.17 | 9.53 |
15 | 8.75 | 10.21 |
16 | 9.33 | 10.89 |
17 | 9.92 | 11.57 |
18 | 10.50 | 12.25 |
19 | 11.08 | 12.93 |
20 | 11.67 | 13.62 |
21 | 12.25 | 14.29 |
22 | 12.83 | 14.97 |
23 | 13.42 | 15.66 |
24 | 14.00 | 16.33 |
25 | 14.58 | 17.01 |
26 | 15.17 | 17.70 |
27 | 15.75 | 18.38 |
28 | 16.33 | 19.05 |
29 | 16.92 | 19.74 |
30 | 17.50 | 20.42 |
31 | 18.08 | 21.09 |
32 | 18.67 | 21.78 |
33 | 19.25 | 22.46 |
34 | 19.83 | 23.14 |
35 | 20.42 | 23.82 |
36 | 21.00 | 24.50 |