Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第8号(1983/3/1)

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TACTICS 第8号 表紙

 

TACTICS第8号(1983/3/1)を読んでみた。表紙は、『突撃レニングラード』のボックス・アート。特集は「バルバロッサ作戦」。付録ゲームはなし。

もくじは以下のとおり。

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TACTICS 第8号 もくじ

 ヒストリカル・ノートを読むと、戦略目標がヒトラー国防軍で意見が異なり、二転三転していたことに、あらためて驚いた。

 リプレイ記事は、アバロンヒル社の『独ソ戦』(Russian Campaign)。こういうのを見ると盤上に並べて確認したくなる。そのうちやってみよう。

 作戦分析記事は、アバロンヒル社の『クロス・オブ・アイアン』(Cross Of Iron)。シナリオ13, 18, 20の作戦分析だ。これも盤上で確認したい。

 驚いたのが、SPI社『第二次欧州大戦』(War In The Europe)の戦闘序列。同ゲームは、War In The EastとWar In The Westを合わせて、第二次欧州大戦をシミュレートする超ビッグ・ゲームだ。こういう超ビッグ・ゲームは手出ししないのだが、詳細な戦闘序列が掲載されている。このユニット1個1個が、実はたくさんの人の血と汗と涙と歴史が詰まっているのだ、と思う。

 桜井真一氏の「突撃レニングラード 北方軍集団戦史」という記事もいい。ヒストリカル・ノートとゲーム・デザイン上の背景がわかりやすく書かれている。

 前号に続き『戦闘指揮官』(Squad Leader)のデザイナー、ジョン・ヒル氏のヒストリカル・コメントも面白い。日本軍についてもコメントしてほしかったが、当時はまだ日本軍はSquad Leaderシリーズに登場していなかったのが残念。どこかでジョン・ヒル氏は日本軍についても書き残していないかなぁ。

 鈴木銀一郎氏の「『戦車隊指揮官』はただ今テストプレイ中」という記事も面白かった。開発中でのちにエポック社『装甲擲弾兵』として発売されたゲームのデザイナーズ・ノート。当時、シミュレーション・ウォー・ゲームは戦いの規模を、戦略級ー作戦級ー戦術級に分けていた。鈴木氏は、大隊規模と小隊規模では異なるから後者については「戦闘級」を提案する、と書いているが、賛成だ。この提案はその後普及したのだろうか?

 もっと言うと、戦略級と作戦級の間に「戦役級」も必要だと思う。英語だと、こんなレベル感だろうか。

 戦略=Strategy、戦役=Campaign、作戦=Operation、戦術=Tactics、戦闘=Combat/Battle

 多摩豊氏の「シミュレーションゲーム入門 タクティクスIIの戦略 基礎の基礎」という記事が初心者向けでなかなか面白い。多摩豊氏は今はどうしているのか、と思ってググってみると、1997年に亡くなっているのですね。享年35歳。あまりに若い。合掌。

★★★2023/09/21追記★★★

Wikipediaによると、ツクダホビーの『ザ・プロレス 』も作っていたとのことだ。

このゲームは、選手を自作し友人とよくプレイした思い出のゲームだ。あの時のカードはすべて処分してしまったが、今考えるととっておけばよかった。もったいないことをした。

ja.wikipedia.org

★★★以上2023/09/21追記★★★

 

 アラン R.ムーン氏と森谷利雄/訳『日米航空母艦の戦い』(Flat Top)のミッドウェイ・シナリオが付いている。地図盤は、コピーして、当時ホビー・ジャパン社が出していた『デザイナーズ・キット』で自作してね、というもの。攻略部隊や主力部隊まで登場するが、ゲーム・バランスどうなのだろうか?

 石川明氏による連載の『太平洋の水上戦』は、第一次ソロモン海戦。HJ社IJNの追加シナリオ付き。もくじは、「第一次ソロモン海戦(1)」だが、p.78にある記事中のタイトルは、「スラバヤ沖海戦(2)」と誤植。

 山田晴彦氏によるツクダ・ホビーのファンタジー連載が始まり、いよいよ日本でもファンタジーものが広がり始める。