Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

エポック『砂漠の狐』とコマンドマガジン#158『砂漠の狐 Desert Fox: Tobruk '41』

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エポック『砂漠の狐』とコマンドマガジン158号『砂漠の狐 Desert Fox: Tobruk '41』

 

 エポック『砂漠の狐』を再版したのが、コマンドマガジン158号『砂漠の狐 Desert Fox: Tobruk '41』だ。

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マップ

 マップは3枚のボードから1枚の薄い紙に変わった。集落が増えたり、ヘクスに座標番号がついたり、特別ルールについて、マップ上に記載が加わったりして、プレイアビリティーが向上している。色合いが変わっている。

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ユニット

 ユニットは左がエポック版で、右がコマンドマガジン版だ。

 最上段のターン・マーカーや2段目の勝利ポイント・マーカーが、単なる活字からアイコンが入って、それらしくなっている。

3段目の部隊マーカーと囮マーカーも、単なる矢印から、ドイツアフリカ軍団と英軍のロゴに変わっている。

4段目左のロンメルも、活字からイラストが入り、人間らしくなった。5段目の88mm砲はシルエットが入った。これは兵科マークの方がいいか、シルエットがいいかは好みによって変わるだろう。

4段目5段目右は集積基地マーカー。これも活字からイラスト入りに変わった。このジェリカンのイラストは気に入っている。

最下段は、エポック版とコマンドマガジン版の同じユニットを並べたものだ。左がエポック版。中央と右がコマンドマガジン版だ。コマンドマガジン版では、兵科マークのユニットと機甲部隊だけオプションとして戦車の線画入りのユニットがついている。コマンドマガジン版では、同一師団は同じ色がついており、スタックさせる時にわかりやすい。

またステップ数が左上に○で表現されている。これはとてもわかりやすい!!

 さすがに40年経過したので、マップやユニットの絵としてのデザインは、格段に向上している。

 ルール・ブックは基本的には同じだが、ルールの明確化や「製作ノート」をつけており、わかりやすい。エポック版にあった「歴史概況」は、雑誌本誌があるからか、ルール・ブックにはついていない。

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初期配置

 エポックのゲームは「戦場の霧」をいかにうまくとり入れるか、いろいろ考えており、このゲームではダミー・マーカーを使っている。プレイヤーの手元に「編成ボックス」があるのでどんな戦力があるかはわかるのだが、それがどこにいるかがわからない。囮マーカーもあるので困惑させられる。相手の移動の時に見ていると移動力によってわかることもあるが、戦闘になるまでわからないことが多い。

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ドイツ軍から戦況を見る

 マップの左側に英軍が攻め込んできているし、中央に攻め込んでくるのがわかる。

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トブルク周辺の陣形

 トブルクにこもる英軍を包囲する枢軸軍。トブルク解放に向けて進軍する英軍とそれを阻止するために崖を使って防御する枢軸軍。おそらく半分は囮マーカーだろうが、ロンメル指揮する強い部隊かもしれない。戦闘になるまで相手の戦力がわからないのはなかなか難しい。

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東側の戦況

 東の方では、4ターンまでかけてハルファヤ峠を落とした英軍がフォート・カプッツォ攻略目指して包囲する。ドイツ軍としては増援を送りたいがトブルク防衛と優先順位付けに困る。

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トブルク解放

 そしてトブルク解放に成功!枢軸軍としてはベンガジに向かって逃げるしかない。

 

 このゲームは、ヒストリカルではないかもしれないが、プレイアビリティーがいいし、ゲーム・バランスがよくとれているし、プレイヤーが悩むこと多いし、とてもいいゲームだと思う。北アフリカ戦線作戦級ゲームの古典としてとても価値があるゲームだと思う。