Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

やっぱりちゃんと原文読まないといけない!! S&T 77号『奇襲空挺部隊』(PARATROOP) 『エバン・エマール』(Eben Emael)

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Strategy & Tactics誌77号の付録ゲーム『奇襲空挺部隊』(PARATROOP)の『エバン・エマール』(Eben Emael)をプレイしてみて、「なんか変だなぁ~」と思ったことがある。

 

ホビー・ジャパン訳のルール・ブック[6.4]には、「少なくとも一ヶ所のキューポラ砲塔トーチカが”戦闘態勢”にある場合、地図上の全てのキューポラ砲塔トーチカの視認線は、どのような地形によっても決して妨害されない」とある。

また、[6.5]には、「視認線は森ヘクス、頂上ヘクス、防壁ヘクスサイド、丘陵ヘクスサイド、斜面ヘクスサイド、断崖ヘクスサイドによって妨害される」とある。

下の図はケースメイト型トーチカだから[6.4]には当たらない。隣のヘクスが斜面ヘクスサイドと森ヘクスなので、視認線が妨害される。

ということは、このトーチカはたった2ヘクスしか射撃できないのか?そんなトーチカを費用をかけて作って意味あるのだろうか?

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隣接ヘクスまでしか視認できない=射撃できない?

下のトーチカも、隣接する森(Woods)によって視認線が妨害されるので、2ヘクスしか攻撃できないのだろうか?砲塔の向きが逆ではないか?逆だとすると、敵は要塞内にあることになるので、それもおかしな話だ。

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森で視認線が止まる!この砲台の存在意義がわからない

以下のトーチカは、頂上(Hilltop)ヘクスだから[6.3]にある「頂上ヘクスにある部隊の視認線は断崖ヘクスサイドによってのみ妨害される。」とあるので、視認線が通るのだろう。「部隊」と明記してあるので「トーチカ」も含むのか、気になるが、まぁ、通るのだろう。

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頂上(Hilltop)ヘクスは断崖(Cliff)ヘクスサイドによってのみ視認線が妨害される

 

あと一点、地図にある「Observation」について、ホビー・ジャパン訳ルール・ブックに一切記述がないのも気になった。トーチカそれぞれに記載のある青い番号のように単なる記号なのだろうか?

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Observationは単なる記号?

 

「困ったときは原文にあたる」のが原則だから、原文を読んでみた。

[6.4]As long as at least one active, undestroyed Belgian fortification contains an observation cupola, a Belgian fortification is never obstructed by terrain.

なるべくホビー・ジャパン訳を活かしながら翻訳すると、「少なくとも1ヶ所の破壊されていないベルギー軍のobservationキューポラ砲塔トーチカが、"戦闘態勢"にある場合、地図上の全てのキューポラ砲塔トーチカの視認線は、どのような地形によっても決して妨害されない。」となる。おお!ここでobservationが活きてるのかぁ!!

1個でも破壊されてなくて戦闘態勢にあるobservationトーチカがあれば、上の例にあげたケースメイト型トーチカも射界内ならどこでも射撃できるのだ!!

それにしても、"a Belgian fortification is never obstructed"とは凄い!

おそらくobservationキューポラ砲塔トーチカが砲撃目標を観測し、「座標xxに射撃せよ。」と指示が飛ぶと各トーチカはあらかじめ決めておいた方角、仰角で射撃するのだろう。

 

4ヶ所のobservationトーチカを破壊したら、上のケースメイト型トーチカの射撃可能ヘクスはほとんどなくなり無力化したも同然になる。

 

なるほど~。やはり原文読まないとダメだと改めて思った。