Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

地図間連絡ゾーン・ブロック作戦 S&T 77号『奇襲空挺部隊』(PARATROOP) 『クレタ』(Crete)

 Strategy & Tactics誌 第77号(1979年11月-12月号)の付録で後にSPIから箱入りで発売された『奇襲空挺部隊』は3個のスケールもルールも異なるゲームが同梱されている。

クレタ』(Crete)はその中の1個でドイツ軍によるクレタ島降下作戦(メルキュール作戦)をシミュレートしている。

 史実だと分散して降下したので、ドイツ軍は各個撃破されてしまい思わぬ苦戦をした。なので、マルメ飛行場のある西の地図に集中降下してみた。

 マルメ飛行場(5VP)も重要な港湾都市スーダ(10VP)も占領し、ニュージーランド軍やギリシア軍を全滅させたが、その間に中央の地図の防備を固められてしまい、西の地図に閉じ込められてしまった。ルール[7.3]によると、地図間の連絡ゾーンの出口が敵部隊の支配地域になっているヘクスに登場できないからだ。西と中央の間の連絡ゾーンは、4ヘクスしかなく、2ユニットで全4ヘクスを支配地域にできるのだ。

 こうなるから1カ所への集中降下はダメなのがわかった。

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西の地図から出られなくなったドイツ軍

 3枚の地図に分散降下するほどドイツ軍の兵力は潤沢ではないので、西と東の2カ所にしてみた。

 東のイラクリオン空港も、西のマルメ空港もスーダもドイツ軍が確保したが、中央は、英軍が完全ブロックしてしまった。今回、東西で、ニュージーランド軍、ギリシャ軍、オーストラリア軍が壊滅的な打撃を受けたため、ドイツ軍が勝利を得た。しかし、英軍としては、もっと早く東西から軍を引き揚げ損害を限定的にして中央に立てこもれば案外勝てるかもしれない。逆にドイツ軍はそれを防ぐために3枚の地図それぞれに降下し、空港を確保すると同時に地図間連絡ゾーンを確保する必要があるようだ。そうすると兵力が分散されるので英軍が各個撃破する可能性が出てくる。ルールは簡単だが、ジレンマに悩まされるゲームだ。

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英軍は東西の地図間移動ゾーンを完全ブロック

 それにしても、ルール[7.3]の「地図間の連絡ゾーンの出口が敵部隊の支配地域になっているヘクスに登場できない」は、改正した方がいいと思った。こういうブロックができてしまうからだ。登場できないのではなく、戦闘にして、その結果によっては隣の地図盤に登場できるようにした方がゲームとしては楽しめると思った。

 

 なお、このゲームのプレイエイドも作ってみた。

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