Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第15号(1984/5/1)

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TACTICS 第15号 表紙

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TACTICS 第15号 もくじ

特集は、「War in the West Part II ビギナーのための戦略講座」。付録ゲームは『ブル・ランの戦い First Bull Run ー南北戦争最初の大会戦ー』(デザイナー:竹内正憲)

 

巻頭は、「定着の度合い」

「シミュレーション・ゲームのプレイとは、合理的な考え方と心に浮かぶイメージを融合させること」「一旦ゲームを新しい世界への踏み台にすることを覚えれば、これはたまらない魅力へと変ずる。」とはまさにそう思う。

特集のタイトルは「戦略講座」だが、採り上げているゲームは『パンツァー・リーダー』(Panzer Leader)なので、「戦術講座」というタイトルが正しい、と思った。

 

アナハイム・ホビーショウ視察旅行」の記事はその熱気が伝わってくる。

「ゲームがしたくて旅に出る」という記事は、ゲーム合宿のノウハウ集だ。「国民宿舎」「交通公社」「国鉄」など昭和の懐かしい単語が出てくる。最後の「人から旅行の感想を聞かれたときの返答に窮するのです。」には笑ってしまった。

アバロンヒル戦術級 空戦ゲームの拡張」は、アバロンヒル社『ヨーロッパ上空の戦い』(Air Force)シリーズのエラッタや追加データ・カードと追加シナリオだ。

追加のデータ・カードは、五式戦闘機、紫電改、烈風だ。シナリオは4個。個人的には、烈風の旋回性能は少しよすぎないか、と思うが、このゲームの面白さは、こうして自分自身でデータ・カードやシナリオを拡張できることだ。

「ビギナーのための戦略講座」は、付録ゲーム『ブル・ランの戦い』と関連した記事だ。1.軍事的状況 2.目標 3.軍事的資源 4.地形 を考える習慣をつけることが大事と書いている。項目としては挙げていないが、時間と予備も重要だ。

「内外ゲームガイド」では、エリア・インパルス・システムの元祖アバロンヒル社の『アルンヘム強襲』(Storm over ARNHEM)が紹介されている。このタイプのゲームはやったことがないが、その後いろいろ出ており、現在に至っているようだ。『英独大西洋の戦い』(War At Sea)や『太平洋の覇者』(Victory In The Pacific)の陸戦版みたいなものだろうか。機会を見てプレイしてみたい。

 

連載の『地中海作戦とイタリア海軍』は、弱くてどうしようもないというイタリア海軍のイメージが意外とは違ったことに驚いた。それでも負けた理由が、以下のとおりだった。日本海軍も石油に苦しんだが、イタリア海軍も困っていたのだなぁ。

1.イタリア軍自身が不利と認識し積極的に動かなかったこと

2.戦争準備なしに宣戦布告したため多数の商船を失ったこと。戦艦の多くが偽装中だったこと。ジブラルタル、マルタ、アレキサンドリア攻撃計画がなかったこと。そして、石油が不足していたこと。

3.航空機による対艦攻撃戦術として、高高度水平爆撃しかせず、急降下爆撃や雷撃をしなかったこと。

追記:第17号で本連載の著者がマーチン・アンダーソンではなく、ジョン・バットだったと訂正が入った。

 

連載の『James Bond 007』は、当時輸入が開始され始めたRPGJames Bond 007』の紹介と実際のプレイを再現している。「これをプレイして、マスターがサイコロを振って、プレイヤーが死ぬ目を出したら、どうなるのだろう?そこでおしまいなのだろうか?そうするとプレイヤーに忖度してサイコロの目を修整したり振り直すのかなぁ~~」と思った。

広告を見るのも面白い。ツクダホビーの広告見ると、連載が急に終了した『ローズトゥロード』は「5~6月中旬発売予定」となっており、まだ発売されていなかったようだ。連載を急にやめなくてもよかったのではないかと思った。

エポックの広告見ると、No.14『東部戦線』(装甲擲弾兵Ⅱ)が新発売だ。