Haruichiban0707のウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開したウォーゲーマーのノート。

戦闘結果表から確率計算してみた S&T 77号『奇襲空挺部隊』(PARATROOP) エバン・エマール要塞(Eben Emael)

 Strategy & Tactics 77号『奇襲空挺部隊』(PARATROOP) エバン・エマール要塞(Eben Emael)の射撃結果判定表(Fire Combat Results Table)は独特なものだ。

 1)射撃するのがキューポラ型トーチカか、ケースメイト型トーチカか、ドイツ軍か、ベルギー軍かで、使う表を選択する。

 2)地形修整やBold Moveカウンターが載っているかで、サイの目操作が決まる。

 3)サイコロ1個振る。

 4)3)で出た目に2)のサイの目操作を加える。

 5)1)で選択した表で、4)の操作後のサイの目を交差した数値を読み取る。数値がなければ影響なし。

 6)再度サイコロを振る。

 7)6)に5)の数値を加える。

 8)射撃を受けたのがドイツ軍歩兵の場合、7)が5,6,7の場合、くぎづけ状態。8の場合、全滅でユニットを除去する。この違いは、ドイツ軍とベルギー軍の被有効値(Effectiveness Rating)の違いである。射撃を受けたのがベルギー軍の場合、7)が4,5,6の場合、ぐぎづけ状態。7,8の場合、ユニット除去となる。

 

 Boardgamegeekには、Integrated CRTsというファイルがあがっている。

boardgamegeek.com

 これは、キューポラ型トーチカ、ケースメイト型トーチカ1,2,3、ドイツ軍、ベルギー軍ごとに1回目のサイコロの目と2回目のサイコロの目を、縦横に並べて、表形式で簡潔にわかりやすく表現していてとてもいい。このゲームをやる時にはこちらをお勧めする。

 

 この表をもとに確率計算してみたのがこちらだ。

期待値計算ができないので、(0x「ー」+1x「PINNED(くぎづけ)」+2x「全滅」)x10)という式を作って、Rating列で計算してみた。この値が高いほど、くぎづけや全滅の可能性が高い、ということだ。

 

[5.9]Fire Combat Ratio                    
    Cupola(キューポラ)         1Fort      
    - PINNED Eliminate Rating       - PINNED Eliminate Rating
Die Modifier -2 44% 47% 8% 6.4   Die Modifier -2 53% 39% 8% 5.6
-1 50% 44% 6% 5.6   -1 64% 31% 6% 4.2
±0 61% 36% 3% 4.2   ±0 75% 22% 3% 2.8
+1 72% 28% 0% 2.8   +1 86% 14% 0% 1.4
+2 81% 19% 0% 1.9   +2 94% 6% 0% 0.6
                         
    2Fort             3Fort      
    - PINNED Eliminate Rating       - PINNED Eliminate Rating
Die Modifier -2 36% 50% 14% 7.8   Die Modifier -2 33% 50% 17% 8.3
-1 44% 47% 8% 6.4   -1 39% 50% 11% 7.2
±0 58% 39% 3% 4.4   ±0 47% 47% 6% 5.8
+1 69% 31% 0% 3.1   +1 58% 39% 3% 4.4
+2 78% 22% 0% 2.2   +2 69% 31% 0% 3.1
                         
    Belgian(ベルギー軍)         German(ドイツ軍)    
    - PINNED Eliminate Rating       - PINNED Eliminate Rating
Die Modifier -2 39% 50% 11% 7.2   Die Modifier -2 25% 50% 25% 10.0
-1 50% 42% 8% 5.8   -1 39% 42% 19% 8.1
±0 61% 33% 6% 4.4   ±0 53% 33% 14% 6.1
+1 72% 25% 3% 3.1   +1 67% 25% 8% 4.2
+2 83% 17% 0% 1.7   +2 81% 17% 3% 2.2

 

ベルギー軍の被有効値(Effectiveness Rating)が低いため、ドイツ軍の射撃はケースメイト型トーチカ3タイプ(75mm砲3門)より効果がある。ベルギー軍歩兵は平地を2ヘクス以上移動するBold Moveするとサイの目操作-2になり50%の確率でくぎづけ状態になり、25%の確率で全滅する。森や建物やトーチカで隠れながら前進する必要がある。

キューポラ型トーチカの全滅の確率は、ケースメイト型トーチカ1と同じというのは驚きだった。

 

次に近接突撃戦闘結果表(Close Assault Combat Table)についても確率計算してみた。こちらは兵力差を列にとり、行にサイコロの目をとる表なので、確率計算は簡単だ。

その結果が次の表だ。

[7.9]Close Assault Combat Ratio          
      0 +1 +2 +3 +4 +5
Die Modifier 0 De 33% 50% 50% 67% 83% 100%
- 17% 17% 33% 33% 17% 0%
Ae 50% 33% 17% 0% 0% 0%
+1 De 17% 33% 33% 50% 67% 83%
- 17% 17% 33% 33% 33% 17%
Ae 67% 50% 33% 17% 0% 0%
+2 De 0% 17% 17% 33% 50% 67%
- 17% 17% 33% 33% 33% 33%
Ae 83% 67% 50% 33% 17% 0%

 

サイの目操作が0の場合は+3、つまり4分隊での突撃、+1のサイの目操作が加わる地形では、+4以上つまり5分隊での攻撃だと攻撃側に損害が出ない。

 

期待値を計算すると次のようになる。

計算式は次のとおりだ。

攻撃側に損害が出る確率×-1+防御側に損害が出る確率x1+影響なしの確率x0

 

期待値            
  0 +1 +2 +3 +4 +5
0 -0.2 0.2 0.3 0.7 0.8 1
+1 -0.5 -0.2 0 0.3 0.7 0.8
+2 -0.8 -0.5 -0.3 0 0.3 0.7

サイの目操作+1の森や建物の敵に2部隊で近接突撃すると期待値-0.2だから攻撃側に損害が出る可能性が高い。+2のトーチカにいる敵部隊に近接突撃をすると3部隊でも攻撃側に損害が出る可能性が高い。

 

確率はわかるのだが、なぜかサイコロ振る前は、自分に不利な目は出ない、と思い込んでしまうのは私だけだろうか。

確率計算はちゃんとして戦術を練ろう、といつも反省するのだ。

 

これらからわかる、ベルギー軍の戦術は、次のとおり。

 1)地形的に有利な場所で破壊されていない勝利条件にあるトーチカを守備するための射撃に徹する。

 2)ドイツ軍に射撃を受ける可能性があるヘクスではBold Moveになる移動はしない。

 3)近接突撃はAeが0%出ない限りやらない。

ドイツ軍の戦術は、次のとおり。

 1)なるべく早くObservationつきトーチカを破壊する。

 Observationつきトーチカが戦闘状態にあるとベルギー軍トーチカは自由に砲撃できるが、非戦闘状態だったり破壊されていると各トーチカは射界内で視線が通るところしか射撃できない。各トーチカは意外なほど射撃可能なヘクスが制限されているので、ドイツ軍としてはObservationつきトーチカがないとかなり自由に移動できる。

 2)平地でBold Moveは、なるべく避ける。全滅になる確率は10%前後とはいえドイツ軍の分隊は少ないし増援が来ないのでリスクは避けた方がいい。

 3)ケースメイト型トーチカは射界外から近づいて破壊する。

 4)Slope(斜面)があるトーチカは2分隊以上で包囲して破壊する。+1のサイの目操作は17%の確率だからかなり大きい。

 

 

Paratroop_EbenEmael_Combat_Ratio.pdf - Google ドライブ