Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

S&T77 『奇襲空挺部隊 クレタ』(Paratroop) (Crete)バトル・レポート(AAR)第2弾

Strategy & Tactics 第77号の付録ゲーム『奇襲空挺部隊』(Paratroop)は3個の空挺作戦ゲームがついたお買い得なものだ。後にSPI社からボックス版が発売され日本でも販売された。短時間で空挺作戦の雰囲気が味わえる傑作ゲームだ。

今回は、その中の一つである『クレタ』(Crete)のバトル・レポート(AAR)第2弾だ。

 

【1】連合軍初期配置

連合軍の初期配置は、ドイツ軍の降下を防ぐために勝利ポイントのある空港とSuda市周囲を固めた形だ。

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東部と中央部の連合軍初期配置

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西部の連合軍初期配置

 

【2】1941年5月20日(第1ターン)

ドイツ軍は東部は第2連隊が、中部は第1連隊が、西部は降下突撃連隊が降下した。第3連隊は予備として第1ターンには降下しないこととした。ドイツ軍は部隊を失うことなく無事降下できたが、目標の空港まで遠い。

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東部に第2連隊が降下

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第1連隊が中部に降下

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西部に降下突撃連隊が降下

英軍が早速、第2連隊第1大隊に集中攻撃をかけ、壊滅させた。

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英軍の反撃

【3】1941年5月21日(第2ターン)

ドイツ軍は中部に残った第3連隊を降下させ、レティムノン空港の奪取を狙う。

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ドイツ軍は中部に第3連隊を降下させた

西部では、降下突撃連隊とニュージーランド軍が激戦を繰り広げた。

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西部の激戦

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中部と東部のドイツ軍苦戦中

オーストラリア軍は損害を出しながらもドイツ軍と激しく戦う。英軍は東部でドイツ軍第2連隊を包囲しながら各個撃破を狙う。

 

【4】1941年5月22日(第3ターン)

中部のドイツ軍第3連隊は2個大隊を失いながらも、レティムノン空港に攻撃を続ける。

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中部の激戦

西部のマルメ空港周辺の戦いでも、ドイツ軍は降下突撃連隊の1個大隊を失いながらも、ニュージーランド軍を少しづつ壊滅させてゆく。

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マルメの激闘

 

 

【5】1941年5月23日(第4ターン)

中部では第3連隊第3大隊がオーストラリア軍に包囲された。東部では、英軍がドイツ軍を押してゆく。

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中部の第3連隊危うし。東部は英軍優勢。

西部のマルメ空港近くでは降下突撃連隊とニュージーランド軍が激闘を続けていた。Ju-88とHe-111の空襲もあり、とうとうマルメ空港をドイツ軍が占領した。すぐ南の高地にニュージーランド軍第22旅団が残っているが、山岳猟兵連隊が翌日からグライダーで着陸できる態勢が整った。

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西部マルメ空港の戦い

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西部マルメ空港をドイツ軍が占領

【6】1941年5月24日(第5ターン)

東部はドイツ軍はあと1大隊まで戦力を減らしてしまった。この大隊は、英軍が中部へ移動しないよう、玉砕覚悟で、英軍を引きつけることとした。中部では、ドイツ軍がレティムノン空港に西から迫っている。東では包囲されていて予断を許さない状態だ。

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東部と中部は連合軍が優勢

西部は、山岳猟兵と降下突撃連隊で、残ったニュージーランド軍を掃討する。

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ニュージーランド軍を掃討する

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東部のドイツ軍は包囲されて大苦戦。レティムノン空港はドイツ軍が占領!

ついに東部ではドイツ軍第2連隊が全滅した。英軍はドイツ軍が東部に入れないようにブロックする態勢だ。

 

【7】1941年5月25日(第6ターン)

ドイツ軍はオーストラリア軍を逃がさないように中部で包囲殲滅しようとする。

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中部でオーストラリア軍の脱出を防ぐドイツ軍

西部では、Sudaを目指してドイツ軍が突進する。Sudaを守るのは弱小なギリシャ軍だ。

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Suda市に突進するドイツ軍

【8】1941年5月26日(第7ターン)

英軍は中部に動けない。ドイツ軍も東部に動けない。あとは西部でギリシャ軍が、中部でオーストラリア軍が各個撃破されるのは確実だ。そしてオーストラリア軍は全滅した。

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中部で包囲されるオーストラリア軍

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西部で攻撃されるSuda市を守るギリシャ

【9】1941年5月27日(第8ターン)

ドイツ軍は英軍を東部から出られないようにし、西部でギリシャ軍を包囲するために西部の地図へ移動する。

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中部から西部でギリシャ軍を挟みうちにするドイツ軍

Suda市は風前の灯火だ。

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西部の戦況

【10】1941年5月28日(第9ターン)

Suda市では最後の戦いが始まった。戦力の乏しいギリシャ軍にとっては絶望的な戦いだ。そして、ギリシャ軍は玉砕した。

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Suda市をめぐる最後の戦い

【10】戦い終わって・・・

ドイツ軍も英軍も隣の地図へ移動できなくなったので、ここでゲームは終了。ドイツ軍の決定的勝利だ。

 

ドイツ軍は13降下大隊中、6個大隊の損害。何と46.2%の損耗率だ。山岳猟兵も12個大隊中5個大隊の損失。41.7%の損失だ。

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ドイツ軍の損害と残存部隊

一方、連合軍は、英軍以外は全滅した。英軍は全軍無事にクレタ島を脱出した。英軍だけ脱出したとして、後に外交問題になった。

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連合軍の損失と残存部隊

ドイツ軍は、史実以上の損害を出してしまった。ヒトラーは史実どおり二度と大規模な空挺作戦は実施しないだろう。マルタ島への攻撃もしないだろう。

連合軍の成功した点は初期配置だろう。ドイツ軍は連合軍ユニット上に降下することを避けたため空港まで遠くなってしまい、山岳猟兵の着陸が遅くなった。リスクはあるが連合軍ユニット上に降下を試みてもよかったかもしれない。

連合軍の失敗は、東部で優勢になった5月24日(第5ターン)に1部隊でも2部隊でも中部に増援に行かなかったことだろう。逆にドイツ軍はこの時にとった遅滞戦術がうまく行ったと言えるだろう。