Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

『ドイツ戦車軍団 エル・アラメイン』バトル・レポート(AAR) 第3弾

2022年(令和4年)、あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2022年最初の投稿は、『ドイツ戦車軍団』の『エル・アラメイン』。

このゲームは、短時間でプレイできるので、お気に入りのゲームだ。

 

【1】第1ターン(1942年8月31日 午前)

第1ターンはほぼ打つ手は決まっている。ドイツ戦車軍団は南部で攻勢をかける。北部や中部は英軍の突破を防ぐ。赤く囲んだ2部隊は包囲して壊滅させる。

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第1ターン 枢軸軍の攻撃

英軍は奇襲効果で移動力が半減だが、防衛線を作るべく移動する。

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第1ターン 英軍

【2】第2ターン(1942年8月31日 午後)

枢軸軍は構わず前進する。

イタリア軍は撃退されたが、3ヶ所で英軍部隊を壊滅させることに成功した。これで南部のドイツ軍を阻む英軍部隊は戦線を作ることはほぼ不可能になってしまった。

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第2ターン 枢軸軍の攻撃

 

水色の六角形は英軍ZOCを表している。枢軸軍は大きく2ヶ所から海岸道路を目指すことができる。アラム・ハルファ高地も占領できる状況だ。

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第2ターン 英軍移動直前の戦況

英軍は薄い戦線を張る。アラム・ハルファ高地も何とかその前で防衛線を張った。青い六角形は英軍ZOCを表している。ドイツ軍の勝利条件にアラム・ハルファ高地の占領がなかったり、海岸道路とアラム・ハルファ高地の間に守りやすい地形があれば、この部隊数なら英軍としてはもっと後退したいところだ。

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第2ターン 英軍移動後の戦況

【3】第3ターン(1942年9月1日 午前)

枢軸軍は薄い英軍戦線の突破を狙う。赤い所では枢軸軍が勝利し、英軍戦線に大きな穴が開いた。イタリア軍も敢闘している。一方、一番、戦力が大きい一番東の戦いでは、英軍機甲旅団が奮闘し、ドイツ軍を撃退した。

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第3ターン 枢軸軍移動後の戦況

イタリア軍の敢闘のため、中央に大きな穴が開き、海岸道路に突破する道ができた。アラム・ハルファ高地もドイツ軍が簡単に占領できそうだ。

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第3ターン 枢軸軍戦闘フェイズ後の戦況

英軍は中央の穴を埋めるために機甲旅団を動かした。だが、ドイツ軍が海岸道路へ進撃する道が残ってしまった。これよりもいい手があった。

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第3ターン 英軍の移動

ここは英軍にとっての最善手は、下図のように動くべきだった。

機甲師団で中央の穴を塞ぐのではなく、歩兵で中央の穴を塞ぎ、アラム・ハルファ峠を2部隊で守り、東を2個機甲旅団で守るのだ。それでも一番端を通ってドイツ軍戦車部隊が海岸道路に行けるが、海岸道路に到達できるのは1部隊だけだ。

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第3ターン 英軍の最善手

第3ターン英軍の攻撃により、ドイツ軍降下猟兵連隊後退。これで英軍は勝利条件である地図西端への突破路ができた。

東でもドイツ戦車部隊が後退した。

こうなると第3ターンに機甲旅団を動かしてしまったためにできた海岸道路までの突破路が惜しい。もし英軍が最善手をとっていたら、ドイツ軍は次のターンに10移動力で移動しても海岸道路に届かなかったのだ。

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第3ターン 英軍の攻撃

【4】第4ターン(1942年9月1日 午後)

枢軸軍は、北部では戦線を作り英軍の突破を塞ぎ、南部に空いた所を通って海岸道路に到達した。

枢軸軍の勝利だ。

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第4ターン 枢軸軍の移動

仮に英軍が最善手をとっていたとしたら、アラム・ハルファ高地の奪取に枢軸軍は戦力を集中させただろう。その場合、アラム・ハルファ高地西側の1110は18:8=2:1のため、67%の確率で枢軸軍が1110を奪取できた。アラム・ハルファ高地東側の1109は14:4で3:1のため、83%の確率で枢軸軍が奪取できた。その後の英軍の反撃で奪い返される可能性もないわけではないが、極めて低い。

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第3ターンに英軍が最善手をとっていたら・・・

このゲームは、ユニット数が両軍合わせてたったの39個。地形効果のない大海原のような砂漠地帯のため、たった一手の違いで結果が大きく異なる。

短時間でできてよく考えさせられる面白いゲームだ。

 

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