エポック社から1982年に発売され、ジャパン・ウォーゲーム・クラシックスとして国際通信社から再版された『ドイツ戦車軍団』は4個のゲームが同梱されている入門用ゲームだ。『エル・アラメイン』、『ダンケルク』、『ハリコフ攻防戦』、そして『コンパス作戦』だ。
今回、『ダンケルク』のソロ・プレイのバトル・レポート(AAR)第3弾である。前回は連合軍が理想的な守りを展開したが、今回は、ドイツ軍が史実以上に連合軍を壊滅させることに成功した。
【1】1940/5/14-15(第1ターン)
南部の攻撃が成功しぽっかり穴が開いた。
連合軍は南部の穴を塞ぐべく移動する。
【2】1940/5/16-17(第2ターン)
ドイツ軍は第2ターンに南部の平地を通り西へ進む。平地なので前進速度が速い。
第2弾の時と今回を比べると前進速度の違いが明確だ。
それでも連合軍はサンブル川からオアーズ川沿いに薄い防衛線を張る。非常に心許ないがこれが限界だ。
【3】1940/5/18-19(第3ターン)
ドイツ軍は薄い連合軍の防衛線に襲いかかる。
この攻勢が成功し連合軍の防衛線が破綻した。
連合軍は何とかアントワープ、ブリュッセルからドーバー海峡までの防衛線を張ろうと考えるが、兵力不足は否めない。連合軍はこうなった以上、サンブル川の防衛線を捨てて、全力でドーバー海峡を目指した方がよかったのかもしれない。
【4】1940/5/20-21(第4ターン)
ドイツ軍は連合軍をドーバー海峡の港から逃がさないように包囲網を縮めるように北上を開始した。北東では前のターンに撃退されたアントワープに再度攻撃を仕掛け、今度は成功しアントワープを占領した。
連合軍は、アントワープを失陥したが、サンブル川の防衛線を捨てなかった。これが敗着となった。連合軍は第2ターンのうちにドーバー海峡への北上を開始しておくべきだった。
あちこちに小戦力の塊ができてしまった。ドイツ軍はそれを見逃さなかった。
【5】1940/5/22-23(第5ターン)
ドイツ軍は孤立した連合軍を各個包囲し撃破していく。
連合軍は包囲突破のために戦いを挑む。南部ではポイント稼ぎのためにドイツ軍歩兵を包囲する。
連合軍の反撃が成功し地図南端に連絡路が通じた。南部の包囲戦は撃退された。この3-4の部隊を包囲殲滅していたら2倍の6ポイントになったのだが、これが後でどう効いてくるか・・・。
【6】1940/5/24-25(第6ターン)
ドイツ軍は残敵掃討モードで連合軍を包囲殲滅する。
戦闘前の状態でもドイツ軍ZOCによって連合軍は完全に包囲され、南端や西端やドーバー海峡への連絡路がなくなった。
包囲されながらもドイツ軍の攻撃を撃退した連合軍部隊もいた。
第6ターン連合軍は最後の反撃を試みる。しかし包囲を解く可能性はゼロだ。南部では少しでもドイツ軍部隊を壊滅させて勝利得点を有利にしようとドイツ軍歩兵を包囲する。
連合軍は、ドーバー海峡からイギリスへ一兵も逃れることができず、包囲され降伏した。南部ではドイツ軍歩兵1部隊を包囲全滅させたが戦況への影響はほとんどない。
連合軍の壊滅したユニットの戦闘力は52ポイント。ドイツ軍のそれは5のため2倍で10ポイント。52-10=42ポイントで勝利条件の35ポイントを7ポイント上回ったためドイツ軍の勝利だ。
今回のドイツ軍の勝因は第2ターンに南の平地を通って高速前進したことだろう。
また連合軍の敗因はサンブル川の防衛線にこだわり、ドーバー海峡への退却が遅くなったことだろう。確かに第2ターンからドーバー海峡へ移動を始めるのは早すぎる気もするが、連合軍の速度は遅いので、第2ターンに移動を開始しないとこのように包囲されてしまう。
このゲームの連合軍は防衛線をどう張り、いつ退却を開始するか非常に難しい。
退却戦は戦争の中でも一番難しい。このゲームで試してみたい。