Haruichiban0707のウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開したウォーゲーマーのノート。

英雄開発事業団『桶狭間戦棋』バトルレポート(AAR)


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英雄開発事業団の『桶狭間戦棋』が届いたのでソロ・プレイしてみた。

bodoge.hoobby.net

 

ゲーム概要はこちら

https://haruichiban0707.hatenablog.com/entry/2022/02/18/190000

 

初期配置

 

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図1:初期配置



こうして見ると、今川義元の作戦目的は上洛のためではなく、織田軍に囲まれた大高城(図1の黄色丸)と鳴海城(図1の赤丸)救援だったのだとわかる。

 

第1ターン(永禄3年5月19日(1560年6月12日) 4:00)

織田軍は移動攻撃なし。

今川軍行動フェイズ

朝比奈泰朝松平家広が丸根砦(1010)を攻撃(図2の黄色い丸)。同砦は佐久間盛重が守っていた。戦闘比2:1ダイス1でAR。攻撃側退却。

松平正親は中島砦(図2の赤丸)に隣接する。

松平元康が正光寺砦(0911)を攻撃(図2の青丸)。守将は佐々正次。戦闘比2:1ダイス3でC(膠着)

井伊直盛は中島砦(1207)(図2の赤丸)を攻撃。守将は梶川高秀。戦闘比3:1ダイス2。C(膠着)

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図2:第1ターンの戦況

第2ターン(6:00)

織田軍行動フェイズ

佐久間信盛と梶川高秀が1306の松平正親を攻撃。ARの確率が17%あるが67%の確率でDRとDEなので攻撃することにした。戦闘比3:1ダイス6。DE。松平正親討ち死に。

佐久間信盛が戦闘後前進し、中島砦との連絡路を確保した。

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図3:第2ターンの戦況


 

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図4:佐久間信盛の前進



今川軍行動フェイズ

丸根砦(1011)を包囲する。(図5の黄色い丸)次ターンに攻撃だ。

井伊直盛は中島砦(1207)を攻撃。(図5の赤丸)戦闘比3:1ダイス2。C(膠着)

松平元康は正光寺砦(0911)を攻撃。(図5の青丸)戦闘比2:1ダイス5。砦なのでDR→C(膠着)

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図5:今川軍による3砦への攻撃

第3ターン(8:00)

織田軍行動フェイズ

織田軍本隊到着。

鳴海城を素通りし鎌倉街道に向かう。どのユニットがどのくらいの戦力かわからない。

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図6:織田軍本隊到着

 

今川軍行動フェイズ

井伊直盛は中島砦(1207)を攻撃。33%の確率でDEとなり砦が陥落する。戦闘比3:1ダイス4。DRだが砦のためC(膠着)だ。梶川高秀が健闘している。

松平元康は正光寺砦(0911)を攻撃。戦闘比2:1ダイス2。AR。

朝比奈泰朝、瀬名氏俊、松平家広が丸根砦(1010)を攻撃。戦闘比3:1ダイス2。C(膠着)

今川軍の砦攻撃はことごとく失敗。

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図7:第3ターンの戦況

 

第4ターン(10:00)

織田軍行動フェイズ

このターンは今川軍が地図盤上に到着するので、織田軍が鎌倉街道の今川軍登場ヘクスを塞いだ。(図8の青い矢印)

これで今川軍はここから登場できない。

ゲームとしてはあと1ヘクス東まで地図盤を広げるかズラしておき、織田軍が今川軍登場ヘクスを塞げないようにしておけばよかったと思う。

別働隊が太子ヶ根(1809)(図8の青丸)を抑えた。

このゲームのルールとしては、高地にいるメリットはないが、東海道にZOCが効くので抑えておいた。

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図8:第4ターンの織田軍の動き

今川軍行動フェイズ

松平元康が正光寺砦(0911)を包囲する。(図9の青丸)攻撃は次のターンだ。

朝比奈泰朝、瀬名氏俊、松平家広が丸根砦(1010)を攻撃。戦闘比3:1ダイス3。DR→C(膠着)(図9の黄色い丸)

今川軍は東海道を通る部隊(図9の赤矢印)と大高街道を通る部隊(図9の黄色い矢印)の二手に別れて進撃する。

義元は大高街道を堂々と進む。本当は鎌倉街道を通って鳴海城救援に向かいたかったが織田軍に登場ヘクスを抑えられたので、東海道と大高街道の二手で進軍する。

今川軍としては、義元が頓死しないようにするのと、織田軍の戦力が不明なので戦闘力が低い東海道隊によって織田軍の戦力を判明させるため二手に分けた。

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図9:第4ターン今川軍本隊登場

第5ターン(12:00)

織田軍行動フェイズ

織田軍から見ると今川軍が二重の戦線を張っているように見える。義元を急襲したいが遠い。

東海道と大高街道を塞ぐように移動する。f:id:Haruichiban0707:20220218122829j:image

図10:第5ターン織田軍が二本の街道を塞ぐ

 

今川軍行動フェイズ

大高城、鳴海城への道を塞がれてしまった。こうなったら蹴散らすしかない。移動して織田軍に隣接し次ターンで戦闘だ。f:id:Haruichiban0707:20220218123536j:image

図11:第5ターン今川軍が接敵する

 

井伊直盛は中島砦(1207)を攻撃。(図12の赤丸)。戦闘比3:1ダイス4。DRだが砦のためC(膠着)33%の確率でDEだが梶川高秀が健闘している。

朝比奈泰朝、松平元康は正光寺砦(0911)を攻撃。戦闘比5:1ダイス5。DE。佐々正次討ち死に。正光寺砦陥落。(図12の青丸)

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図12:今川軍ついに正光寺砦を落とす

第6ターン(14:00)

織田軍行動フェイズ

本ゲームでは隣接されると移動できないので息苦しい。通説通りに義元を狙おうと思っても今川軍の戦線があり、難しい。

河尻秀隆が西郷正勝を攻撃。戦闘比3:1ダイス6。DE。西郷正勝討ち死に。

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図13:第6ターンの織田軍の動き

今川軍行動フェイズ

今川軍は織田軍の部隊を表面にするために戦いを挑む。

1509を蒲原氏徳と久野氏忠が攻撃。相手は林秀貞。戦闘比2:1ダイス5。DR

1412を朝比奈親徳と元智と松井宗信で攻撃。相手は岩室重休。戦闘比3:1ダイス2。C(膠着)

1313を牧野成定と小原鎮実が攻撃。相手は森可成。戦闘比1:1ダイス6。DR。

これで信長が1608にいることが判明した。(図14赤丸)


義元は1510へ移動する。丸根砦や中島砦を攻撃する先鋒隊を督戦するためだ。今川義元から6ヘクス以内にいないと先鋒隊は「行動済み」から回復できないルールだからだ。これは義元が後ろの方で動かないのを自然に防ぐいいルールだと思う。

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図15:第6ターンの戦況

朝比奈泰朝、瀬名氏俊、松平家広が丸根砦(1010)を攻撃。戦闘比3:1ダイス1。AR

今川軍の攻城戦はことごとく失敗。

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図16:第6ターン終了時の戦況

 

第7ターン(16:00)

織田軍行動フェイズ

河尻秀隆が久野氏忠を攻撃。戦闘比3:1ダイス6。久野氏忠討ち死に。

河尻秀隆が戦闘後前進で今川義元に接敵!!

それを確認して1608の織田信長が、1611へ移動して接敵。次ターンで義元を攻撃だ。(図17赤丸)

岩室重休は1512の朝比奈元智を攻撃。戦闘比2:1ダイス5。DR。戦闘後前進必須のルールだから岩室重休は自ら今川軍の包囲下に入ってゆく。これは討ち死に確実だ。(図17の赤矢印)

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図17:織田軍ついに今川義元に接敵!!


今川軍行動フェイズ

1512の岩室重休を松井宗信が攻撃。戦闘比1:1ダイス6。DR。岩室重休討ち死に。

今川軍は織田信長を包囲する。(図18の赤丸)

蒲原氏徳が1409の林秀貞を攻撃。戦闘比1:1ダイス2。AR。蒲原氏徳討ち死に。

今川義元と朝比奈親徳が1611の織田信長を攻撃。戦闘比1:133%の確率で信長を討ちとれる。33%の確率でARが出れば織田軍から離れることができる。33%の確率でC(膠着)だがその場合は次ターンに包囲攻撃して信長を討ち死にさせられるだろう。ダイス2。AR。

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図18:織田信長逆包囲に遭い危機一髪

第8ターン(18:00)

織田軍行動フェイズ

今川義元を目の前にしながら由比正信と久野氏宗に接敵されてるので義元を攻撃できない。

河尻秀隆が1710の由比正信を攻撃。戦闘比3:1ダイス5。DE。由比正信討ち死に。

織田信長が1711の久野氏宗を攻撃。戦闘比4:1ダイス4。DE。久野氏宗討ち死に。

林秀貞今川義元に接敵。

森可成が1312の牧野成定を攻撃。戦闘比2:1ダイス6。DE。牧野成定討ち死に。

今川義元を討ち取るチャンスがなくなったので大高城奪取に向けて氷上山砦や鷲津砦から大高城を攻撃する位置に移動する。

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図19:第8ターンの戦況

今川軍行動フェイズ

井伊直盛は中島砦(1207)を攻撃。戦闘比3:1ダイス2。C(膠着)33%の確率でDEだが梶川高秀が健闘している。

朝比奈泰朝、松平元康、松平家広、瀬名氏俊は丸根砦(1010)を攻撃。戦闘比4:1ダイス3。DR→C。佐久間盛重も頑張っている。

朝比奈親徳と小原鎮実が森可成を攻撃。戦闘比1:1ダイス1。AR。

今川義元が1310の林秀貞を攻撃。戦闘比2:1ダイス4。DR。

今川義元をうまく誘引し孤立させた。

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図20:今川義元が誘引され孤立する

第9ターン(20:00)

織田軍行動フェイズ

千秋四郎と織田秀敏が大高城(0810)を攻撃。戦闘比1:1→1:2ダイス4。C(膠着)

梶川高秀、佐久間信盛が1307の井伊直盛を攻撃。戦闘比1:1→湿地のため2:1。ダイス4。DR。退却路がないため井伊直盛討ち死に。

織田信長森可成林秀貞今川義元を包囲した。

次ターンがあれば今川義元を討ち取れるのに・・・。

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図21:第9ターンの戦況

今川軍行動フェイズ

朝比奈泰朝、松平元康、松平家広、瀬名氏俊は丸根砦(1010)を攻撃。戦闘比4:1ダイス3。DR→C。佐久間盛重が頑張っている。

今川義元救出のために今川軍は移動する。

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図22:第9ターン終了時の戦況

ゲームとしてはここで終了。

大高城、鳴海城を今川軍が支配しているが、今川軍登場ヘクスまでたどれないので、織田軍の辛勝。

しかし、今川義元の陣を包囲して戦闘をやめるだろうか?いややめないだろう。ということで延長第10ターンに突入。

 

延長第10ターン(22:00)

織田軍行動フェイズ

今川義元を包囲した織田軍が義元を攻撃。戦闘比4:1。義元が生き残る確率はダイス1の時だけだから17%。ダイスは2!!今川義元討ち死に~~~!!

今川軍は総崩れとなり、歴史は変わらなかった。

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図23:延長第10ターン!今川義元討ち取ったり!!

 

討ち死にした部隊


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残った部隊

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感想

これまでの桶狭間合戦のイメージは、寡兵の織田信長軍が悪天候をついて、今川軍を奇襲あるいは正面から強襲し、奇跡的に大将の今川義元を討ち取り勝利した、というものだった。

本ゲームのデザイナー九条まさはる氏はそれに疑問を持ち、兵力がほぼ同数だった、という仮定に基づき、デザインしている。

通信手段がほとんど機能しない当時の部隊指揮、地の利を持つ織田軍、接敵したら離れるのが困難な戦場の状況をうまく再現している。

本ゲームをプレイしてみて、従来の桶狭間合戦のイメージとはずいぶん異なる戦いだった、とあらためて思った。

信長の性格から考えると、従来の桶狭間合戦のような生きのびる確率の低い戦いを挑むとは、とうてい思えなかった。だが、このゲームのような戦いだったら、信長が出陣を選択したのは合理的な行動だったとよくわかる。

このゲームは、桶狭間合戦を描いた好ゲームだと思う。