Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

AT『はしれ!パットン』(シシリー島上陸作戦;1943年7月) バトルレポート(AAR)第3弾!

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『はしれ!パットン』ゲーム1「シシリー島上陸作戦;1943年7月」 バトルレポート(AAR)の第3弾だ。

今回のポイントは、枢軸軍プレイヤーが勝つためにどうしたらいいか、という観点でプレイしてみた。

前回までの2回は、枢軸軍プレイヤーは、アメリカ軍ユニットを撃破するために正面から戦いを挑んできたが、それをやめて、最優先目標を海岸堡の除去にした。そのために、戦闘は最小限にし、海岸堡を目指すこととした。

 

今回はVASSALを使った。VASSALのいい点は、ちょっとできたスキマ時間にプレイできることだ。

第1ターン(1943/07/10 午前)

アメリカ軍は予定通り上陸。空挺師団は東のジェラ海岸に南下する枢軸軍を食い止める地域に降下した。

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第1ターン終了時の戦況

第2ターン(1943/07/10 午後)

アメリカ軍第3歩兵師団と第82空挺師団が東側の平野部分をほぼ制圧した。

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第2ターンアメリカ軍プレイヤーターン終了時の戦況

枢軸軍はイタリア軍だけでは勝ち目がないのでドイツ軍の到着を待つ。

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第2ターン終了時の戦況

イタリア軍第18海岸防衛旅団がLicata(1115)で頑張っている。アメリカ軍はEXでイタリア軍と心中するのを嫌い上陸戦闘が続いている。

第3ターン(1943/07/11 午前)

アメリカ軍は東側では平地に枢軸軍を出さないように荒地で戦いを挑む。

西側では弱体なイタリア軍に攻勢をかける。

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第3ターン アメリカ軍プレイヤーターン終了時の戦況

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第3ターン終了時の戦況

第4ターン(1943/07/11 午後)

とうとうイタリア軍第18海岸防衛旅団がLicata(1115)で壊滅した。

アメリカ軍はドイツ軍第15装甲擲弾兵師団が増援として来る前にイタリア軍第18海岸防衛旅団を除去しておきたかったため、EXでもイタリア軍と心中した。

たった1戦力の部隊が、2個大隊8戦力(消耗状態4戦力)を4ターン(2日間)、行動不能にさせたうえ、1個大隊(4戦力)と心中したのだから大善戦だろう。

アメリカ軍は東側では積極的に攻勢に出るが、包囲できないため、枢軸軍を上に押すだけで壊滅までには至らない。

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第4ターン アメリカ軍プレイヤーターン終了時の戦況

ドイツ軍第15装甲擲弾兵師団が隙をついて、海岸に進撃する。まだ司令部が到着していないので非補給状態のため強行軍移動ができない。

東側はアメリカ軍が横に戦線を広げ、接敵しているので、ドイツ軍は思うように移動できない。それでもイタリア軍リボルノ師団が平地に進入した。

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第4ターン終了時の戦況

第5ターン(1943/07/12 午前)

ドイツ軍ヘルマンゲーリング装甲師団の圧力が強いので、東側のアメリカ軍は1ヘクス後退して防衛線を張る。

突出してきた第15装甲擲弾兵師団は包囲して追い払う準備だ。

このターンにドイツ軍第15装甲擲弾兵師団が西から登場するので、それに備える。

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第5ターン アメリカ軍プレイヤーターン終了時の戦況

ヘルマンゲーリング装甲師団アメリカ軍の両翼のさらに外側から海岸を目指す。司令部を東に向けてしまったが、後から考えると司令部は中央部に向けるべきだった。中央部の部隊が非補給状態になり移動力が低下してしまったからだ。

中央で包囲されていた第15装甲擲弾兵師団第215装甲大隊は包囲をうまく突破した。

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第5ターン終了時の戦況

 

 

第6ターン(1943/07/12 午後)

アメリカ軍は下がって司令部と海岸堡を守るための防衛線を張る。

パットンがスタックしている部隊のサイコロの目がよくない。

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第6ターン アメリカ軍プレイヤーターン終了時の戦況

ドイツ軍第15装甲擲弾兵師団第215装甲大隊が海岸道路に進撃成功した。あと海岸堡まで3ヘクス(8.4km)だ。ヘルマンゲーリング装甲師団も海岸道路まであと1ヘクス(2.8km)に達した。非補給状態であることが痛い。中央部に司令部ユニットを動かしていたら補給下にしてもっと速く進撃できたのだが・・・。

東のヘルマンゲーリング装甲師団は司令部とともに進み、アメリカ軍第2レンジャー大隊を混乱状態にした。

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第6ターン終了時点の戦況

 

第7ターン(1943/07/13 午前)

アメリカ軍は、ドイツ軍第15装甲擲弾兵師団第215装甲大隊を包囲壊滅させた。

中央も東部もヘルマンゲーリング装甲師団の動きを止めている。

西部ではイタリア軍第177歩兵連隊を全滅させた。

枢軸軍による海岸堡奪取作戦は失敗したかに見えた。

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第7ターン アメリカ軍プレイヤーターン終了時の戦況

枢軸軍の支援攻撃が有効だった。東部でヘルマンゲーリング装甲師団を止めていた部隊が混乱状態になり、制圧地域を失ったため、ヘルマンゲーリング装甲師団が突破に成功した。2個の町とジェラの町を占領し、海岸道路に達し、強行軍移動して海岸堡を除去することに成功した。

中央部でもヘルマンゲーリング装甲師団をくい止めていた部隊が混乱状態になり、アメリカ軍第3歩兵師団司令部を壊滅させた。

第15装甲擲弾兵師団も突破し海岸道路に迫る。

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第7ターン終了時の戦況

 

 

第8ターン(1943/07/13 午後)

アメリカ軍の支援攻撃でヘルマンゲーリング装甲師団の2個部隊が壊滅した。このゲームの支援攻撃による効果はとても大きい。

アメリカ軍は残った海岸堡の防衛を最優先し第15装甲擲弾兵師団を包囲する。パットンも参加し万全の態勢で攻撃した!・・・・だが、結果はEX!パットン効果でEX=>ADとなった。包囲したはずのアメリカ軍の制圧地域がなくなってしまい、ドイツ軍が自由に動けることになってしまった。嗚呼、パットン・・・。貴殿がいなくてEXのままだったらドイツ軍を壊滅させて海岸堡を守ることができたのに・・・。

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第8ターン アメリカ軍プレイヤーターン終了時の戦況

ドイツ軍第15装甲擲弾兵師団は制圧地域の隙間を縫って、海岸堡に隣接し攻撃し、戦闘後前進して海岸堡を占領した。

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第8ターン終了時の戦況
この時点で勝利得点を計算してみた。
枢軸軍合計27点
(1)町を7個で7点
(2)地図端道路ヘクス5個で10点
(3)海岸堡マーカー2個で10点
 
アメリカ軍合計4点
(1)町を4個で4点
(2)地図端の道路ヘクス0個で0点
枢軸軍27-アメリカ軍4=23で枢軸軍実質的勝利の状況
 
あと2ターン残っているが、海岸堡2個を失ったので、アメリカ軍は全滅することを恐れ東に逃れ、モントゴメリーの左翼に合流するのだった。
 
感想
今回、枢軸軍は戦闘をなるべく避けて、海岸堡を攻略することを最優先にしたのが正解だった。このゲームでは戦闘後前進が義務づけられているので、下手に攻撃して戦闘後前進すると、逆包囲される可能性が高くなる。逆包囲されてDRやDDの結果が出ると後退できず除去されるため、いたずらに損害が増してしまう。損害が出なくても制圧地域にからみとられ移動速度が遅くなり突破できなくなる。それを避けたのが枢軸軍としては成功だった。
このゲームでは支援攻撃にとても強い影響力がある。
アメリカ軍の敗因は、防衛線を張ったが横一線だったため、支援攻撃で混乱状態になった時に、制圧地域がなくなり、間を縫って、突破を許してしまったことだ。支援攻撃で混乱状態になっても突破されないような戦線の張り方が必要になる。
アメリカ軍の敗因の一つがパットンだった。パットンが参加した攻撃は、DR=>DD、DD=>DEになるので強力だが、EX=>ADになるという副作用があったのだ。
 
なお、ルールの不明点がいくつかある。
 
国籍が異なってもスタックしていいのか?国籍が異なっても一緒に攻撃していいのか?
=>よしとした。
ドイツ軍とイタリア軍が共同で攻撃する場合、戦闘結果表はドイツ軍を使うのかイタリア軍を使うのか?
=>ドイツ軍の列を使った。
司令部ユニットがない独立部隊の補給はどうするのか?どの司令部からも補給を受けられるのか?補給源から直接補給を受けるのか?
=>G.1.3.2に「独立部隊は同国籍の司令部ユニットであればどの司令部ユニットの指揮下にも入ることもできます。」とあるので、今回はどの司令部からも補給を受けられるものとした。
司令部ユニットより先に登場するユニットは補給をどう受けるのか?
=>今回は司令部ユニットが登場するまで非補給状態とした。
 
それでも、このゲームは、枢軸軍、アメリカ軍ともに面白い展開ができる好ゲームだと思う。