Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

『ゲームジャーナル』82号(2022/03/01)

f:id:Haruichiban0707:20220303172745j:plain

ゲームジャーナル82号表紙

ゲームジャーナル』第82号を読んでみた。

付録ゲームは『孤高の信長:一五七〇』ゲームジャーナル初の完全ソロプレイゲームだそうだ。

もくじは以下の通り

f:id:Haruichiban0707:20220303172958j:plain

ゲームジャーナル82号もくじ

どの記事もとても興味深い記事が多くて面白かった。付録ゲームはまだプレイしていないが、ゲーム紹介記事を読んでいると早くやってみたいと思う。

 

p.4 最新SLG情報

どれも面白そうでプレイしてみたい。ゲーム紹介のデータがわかりやすい。

プレイ人数、プレイ時間、ユニット数、カード枚数、ゲームボード、シナリオ、ルールページ数など。

私見だが、ユニット数とプレイ時間と相関関係があると思う。

p.8 孤高の信長:一五七〇

p.11 第六天魔王の憂鬱 白神栄成

p.18 孤高の信長:1570 作画:松田大秀

カラー・ページでゲーム内容をわかりやすく解説している。

歴史解説の記事だが、図がわかりやすい。信長の心情で書いており面白い。また、文字が大きくて読みやすい。

漫画でゲームのルールを解説しているのだが、これがとてもわかりやすいし、笑えて楽しい。

p.25 第4回鈴木銀一郎杯 選考結果発表

20年やってて大賞が出たのが初めてだそうだ。

大賞は『江戸幕府の黄昏』だ。「Twilight Strugle」のシステムで幕末をデザインしたのだそうだ。どんなシステムかわからないが、初の大賞作品なのだから、ぜひ入手してプレイしてみたい。

 

p.30 故鈴木銀一郎氏デザイン作品を語る

高梨俊一氏、福田誠氏、天津老師氏、森哲史氏、大尉氏、古徳俊郎氏、望月学氏、呼拉中村氏による座談会。

テーマは故鈴木銀一郎デザインゲームについて思い出を語っている。

採り上げたゲームは以下だ。

EPC/CMJ010『日本機動部隊

EPC/SS『史上最大の作戦

EPC/CMJ023『バルジ大作戦

EPC/CMJ158『砂漠の狐

SP/GJ013/MMP『ロンメルアフリカ軍団』

EPC/SS『朝鮮戦争

EPC/K2P『マレー電撃戦

GJ001『真・バルバロッサ作戦』

 

殿堂入りしたのは『ロンメルアフリカ軍団』だ。

驚いたのはほとんどの作品が何らかの形で再版されていることと、一部が日本から海外に翻訳し出版されていたことだ。これからそういうことが増えていくといいなぁ。

有名なデザイナーさんや執筆者が顔写真入りで出ていたのが親近感が湧いてよかった。

 

p.48 ピンゾロとわたし 呼拉N

アバロンヒル社の『英独大西洋の戦い』(War At Sea)で、アサノ氏がやまね「せん」氏をいかに教育したかを面白おかしく書いている。おもしろおかしく書いてはいるが、ゲームで勝つための作戦を細かく1つ1つ教育したことがよくわかる。

 

p.54 ウォーゲーム英雄列伝 近藤友樹

百年戦争ブルターニュ公国の終焉について簡略にうまくまとめている。系図、地図、肖像画を交えていてとてもわかりやすい。

 

p.64 日本戦史雑話 大山格

よく「歴史は勝者によってつくられる」と言われるが、「そんなことはない!」と強く主張している。戊辰戦争に負けた会津藩が斗南で苦労した、という話が、実は投機でお金をスッてしまったからだ、ということは知らなかった。自分達の失敗を誰か外の人のせいにする、という典型的な例だ。確かに勝者の作ったストーリーで歴史は書かれるが、歴史家は「本当にそうか?」と疑って調べるわけだから、一概に「歴史は勝者によってつくられる」とは言えないだろう。

 

p.66 最新研究が明かす帝国陸海軍の虚像と真相 立見尚文 長南政義

これも知らない将軍の知らなかった話だが、とてもわかりやすい。

 

p.68 データで見る日米海戦史 森哲史

英国海軍の対空兵器についての研究。第二次世界大戦が始まる前は、英国海軍は対空砲火があれば大丈夫、と思っていた。しかし戦ってみると、相手がイタリア空軍でも対空砲火だけでは航空機を落とすのは難しかった。英国海軍の話だが、日本海軍でも同様だろう。近接信管を作り、防御力の低い日本軍機を相手にしたアメリカ海軍だけが、対空砲火で航空機と十分戦える、と言えるのではないだろうか。

 

p.73 ASLの戦場 第14回ペガサス橋 今日も6ゾロ

Advanced Squad Leaderシリーズのマップ上にあるペガサス橋の写真やその近くのシャトーやカフェの写真。ウォーゲームのマップ上にある建物や風景を写真や実際に見てみると親近感が湧いてくるのでこういう記事はいい。

 

p.77 中華人民共和国ウォーゲーム事情 項澹頤

ウォーゲームが中国にも広がっているとは驚いた。

だが、たかがウォーゲームも中国では許可制だそうだ。同人誌だと問題ないそうだが、出版しようとすると、特に今は難しいらしい。

基本的人権が保証されている国に住んでいることはありがたいことだと思った。