Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第36号(1986/11/1)

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TACTICS第36号(1986/11/1)を読んでみた。

特集は「PATTON」

付録ゲームはオリジナル『凍結戦線:デミヤンスク1942』(FROZEN FRONT)。

 

もくじは次のとおり。

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p.11 INTREP

EPC 『失われた勝利』STRデザインコンテスト入選作品だそうだ。1941年から1945年の独ソ戦フルキャンペーン。デザイナーは、柿崎唯氏。日本人一般ゲーマーから誕生したデザイナーということが嬉しい。

 

p.20 走れ!パットン リターン・トゥ・クォードリー 佐藤大輔

アド・テクノスの『走れ!パットン』の紹介記事。同じアド・テクノスの佐藤大輔氏によるコミカルな裏話入りの紹介記事だ。

 

p.24 ナチ・ドイツを踏みつぶせ!<HJ/SPI/TSR>"猛将パットン"を作戦とシステムから徹底分析 山崎典明

Strategy & Tactics誌第78号の付録ゲームで、後にSPIから発売され、ホビー・ジャパンが翻訳ルールを付けて日本でも『パットン第3軍』として発売され、さらにホビー・ジャパンから『猛将パットン』として発売されたゲームの作戦研究記事。地図や戦力指示駒のうちわけや旅団/連隊ユニット数などがあり、解説もとてもわかりやすい記事だ。

 

p.29 英雄の誕生 パットンはヒーローになれるか?<エポック>"バルジ大作戦"における第3軍の使い方 岡崎友三

EPC『バルジ大作戦』で4パターンの状況に応じた4個の作戦について解説している。

おおまかな作戦方針だが、とてもわかりやすい。

 

p.30 シシリー戦こぼれ話 何が彼を怒らせたのか? パットンの殴打事件 S&T誌89号より A.A.ノフィ 勝部信一訳

パットンによる兵士殴打事件は有名だ。その裏話だ。日本軍では兵士を殴打するのが当たり前だったからニュースにもならないが、この頃からアメリカでは兵士を殴打することを禁じているのが当たり前だったのは驚きだ。

 

p.31 ザ・ロレーヌ・キャンペーン 8 Nov.-1 Dec.'44 <HJ/SPI/TSR>"猛将パットン"の史的背景 S&T誌78号より J.M.バルコスキー 勝部信一訳

SPI『パットン第3軍』(Patton's 3rd Army)、HJ『猛将パットン』(Patton's 3rd Army)のヒストリカル・ノート。このゲームはSPI版を持っていたが、この戦いは作戦名がないし、戦いに名前もついていない。また、日本語版のヒストリカル・ノートがなかったので、当時はどんな戦いだったかよくわからないでプレイしていた。ただ戦力チットを引くというシステム的な面白さだけでプレイしていた。この記事を読んで歴史的背景がよくわかり、その上でプレイしてみたいと思った。

 

p.37 数字に見る”戦闘指揮官"の戦い方(後編) ジェネラル誌18号5巻より マーク・S・スワンソン 逸見研一訳

AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)の数値解析後編。爆薬、火炎放射器、指揮官、白兵戦について、分析している。こういう分析は戦術を考える上で参考になる。

 

p.82 ポエニ戦争(上) 有坂純

ローマとカルタゴの有名な戦いであるポエニ戦争ヒストリカル・ノート。次号にこの戦争をテーマにした付録ゲームがつくようだ。

そのゲームのマップを利用して戦況を示してくれているのがとても嬉しい。

p.104 読者のページ

史学科で西洋史を学んでいる時田進氏のおたよりがいい意見を書いている。以下に抜粋する。「デザイナーは歴史上の事実そのものを再現するゲームを作るのではなく、それをもとにして当時の背景やその要因を認識し、それらの中から必然と偶然を見いだしていって、初めてそのゲームの中に可能性を織り込む事ができるのです。そしてそこからさらに教訓を学び取り、役立ててゆくのはプレイヤー、すなわち我々自身なのです。」

p.106 読者のページ

永戸彰人氏のおたよりは面白い。『戦闘指揮官』(Squad Leader)で1個師団を再現するにはどのくらいのユニットが必要かというのだ。

4-6-7 189個。8-3-8 24個。2-4-7分隊 24個。2-4-7操作班276個。LMG 276丁。MMG 31丁。HMG 11丁。75mm対戦車砲24門。20mm対空機関砲12門。75mm歩兵砲18門。150m歩兵砲6門。81mm迫撃砲42門。120mm迫撃砲42門。150mm野戦砲12門。105mm野戦砲36門。突撃砲10両。輓馬輸送車116両。トラック72両。

凄い!また彼の夢は『戦闘指揮官』(Squad Leader)を使って第二次世界大戦全域をカバーする超ビッグゲームを作りプレイすることだそうだ。絶対無理だろうと本人も書いているが、そんな凄い夢を語れるのもゲーマーならではだ。

p.107 読者のページ

冨永和昭氏からのおたよりは、HJ『フリートバトルズ』の日本艦の追加データを作ってみた、という記事。軽巡重巡摩耶や水雷艇のデータだ。こういうふうに自分でゲームを改良するのは面白いし、そういうおたよりを記事にしているのがいい。