SPIから出版され、ホビー・ジャパンがライセンス販売し、コマンドマガジン第81号で再版された『猛将パットン』(Patton's 3rd Army)は、西部戦線シリーズ(Victory in the West)だ。共通ルールと共通の戦闘結果表を使っている。
サイコロ2個振るので、この戦闘結果表を見てもどのくらいの確率でどんな結果になるのかぱっと見た感じではわかりにくい。
そこで確率計算してみた。
このシリーズの戦闘結果表は、D2(1)という形式で表される。Dは防御側、Aが攻撃側である。必ずどちらか片方しか損害が発生しない。
AやDの後ろの数値が後退するヘクス数である。D2(1)の場合、2ヘクス後退である。ただし防御側が後退をせずステップロスを選んでも構わない。( )内の数値が必ず発生するステップロス数である。D2(1)の場合、1ステップロスは必ず発生する。
まず、戦闘比率によって、損害の可能性がどうなるか表したのが下のグラフである。
これは平地の場合の戦闘比率である。別な地形の場合、平地の戦闘比をずらせば同じである。
これを見ると、平地で2-1の時にちょうど50%になる。平地で2-1だから森林/町だと3-1、丘陵だと4-1になる。
平地で3-1だと防御側が損害を受けるのが70%弱になる。
次に後退やステップロスの期待値を求めてみたのが下のグラフである。
戦闘比は平地の場合である。
実線が後退ヘクス数、点線がステップロス数である。
攻防50%だった平地2-1の場合、A0.5(0.7), D0.6(0.3)となる。つまり、攻撃側Aは0.5ヘクス後退し0.7ステップロスし、防御側Dは0.6ヘクス後退し0.3ステップロスするのだ。
平地3-1だとA0.3(0.2)、D1(0.5)になる。攻撃側Aは0.3ヘクス後退し、0.2ステップロスする。防御側は1ヘクス後退し0.5ステップロスする。
この辺が攻防の分かれ目になるようだ。
この結果から見ると平地3-1(森林/町4-1、丘陵5-1)以上の比率を目安にするのがポイントだろう。