Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第51号(1988/2/1)


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TACTICS第51号(1988/2/1)を読んでみた。

特集は「東部戦線」

付録ゲームはSPI/TSRの『星作戦』(Operation Star)

 

表紙はGDW『バルバロッサ作戦』(Fire in the East)の初期配置。


もくじは次のとおり。


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p.4 東部戦線ゲーム大集合 佐藤弘明

東部戦線をテーマにしたゲームを戦い別に紹介した記事。

紹介されているゲームは次の通り。

 

1941年

SPI 『グデーリアン装甲集団』(Panzergruppe Guderian) 言わずと知れたPGGシステムの元祖

SPI/HJ『ドイツ南方軍集団』(Army Group South)

3W/HJ『突撃レニングラード』(Assoult on Leningrad)

SPI/HJ『レニングラード』(Leningrad)

SPI『Battle of Moscow』 モスクワ侵攻作戦ものでは一番面白いらしい。

SPI『Moscow Campaign』

SPI/HJ『モスクワ侵攻作戦』(Operation Typhoon) プレイアブルなビッグ・ゲームだそうだ。

GDW『バルバロッサ作戦』(Fire in the East) ヨーロッパシリーズの一作

TAC036『凍結戦線デミヤンスク1942』(Frozen Front) 戦闘序列を調べるためにアメリカでマイクロフィルムを調べたそうだ。

 

1942年

フェニックス『Streets of Stalingrad』 デザイナーはダナ・ロンバルディー。ビッグ・ゲームだがプレイアブルだそうだ。ノヴァ『Battle for the Factories』『Fire on the Bolga』の2つに分けて販売されたそうだ。BGGで見ると、『Streets of Stalingrad (Third edition)』がL2 Design Groupから2003年に出版されたようだ。

SPI『Turning Point』 フランス1940システムだそうだ。『激闘マジノ線』(France, 1940)のことだろうが、「フランス1940システム」と呼ばれるシステムだったとは知らなかった。

ヴァンガード『Winter Storm』

VG『パンツァーコマンド』(Panzer Command)

GDW『赤軍大反攻』(White Death) 日本では評判がよくなかったらしいが佐藤氏はほめている。

 

1943年

SPI『星作戦』(Operation Star) 今号の付録

PWG『Duel for Kharkov』

CoA『The Last Victory』 本文では出版年が?になっているが、BGGでは1987年となっている。

 

クルスク

SPI『クルスク』(Kursk) 71年と80年に別なものが発売されたようだ。

 

クルスク以後は省略するが、ベルリン陥落まで多数のゲームが紹介されている。

 

p.16 ゲームに見る戦史 ドイツ軍の栄光と敗北 

AH『ロシア戦線』(Rusiann Front)でバルバロッサ作戦、レニングラード攻防戦、タイフーン作戦、スターリングラード包囲戦、クルスク大戦車戦の史実通りの配置を再現している。惜しむらくは、写真が小さくて部隊番号がよく見えないことだ。

 

p.28 スモレンスク絶対防衛権 <AH>”グデーリアン装甲集団"(PGG)のソ連作戦研究 ジェネラル誌22巻4号、24巻1号より抄訳 西村ヒロユキ

これは熟読して試してみたい。

 

p.32 ダブルブラインド・パンツァーブリッツ 西村ヒロユキ

ボードウォーゲームは、本来なら知り得ない情報でも知ることができてしまう。

xx師団の戦力は○で、移動力は□と、ユニットに書いてある。どこにいるかも丸見えだ。本来ならどこにいるか、どんな装備でどのくらい弾薬や燃料があり、どのくらいの士気か、つまりはどのくらいの戦力か、はわからない。

上級司令部は情報を持っていても、現場に降りてこないこともある。

いろいろなルールが開発されたが、結局の所、ダブルブラインドシステムにして、レフェリーを置くのが最上の解決策だ。

 

p.35 ゲームの知られざる歴史 ”パンツァークリーク”と”フォン・マンシュタイン” 黒木茂

第三帝国』(Third Reich)のデザイナーであるジョン・プラドスの『パンツァークリーク』(Panzerkrieg)と『Von Manstein』の歴史。後者がランドゲーム社から出版されたが、倒産したため、『パンツァークリーク』(Panzerkrieg)と名前を変えて再出版されたそうだ。この記事で一番面白いのが「(*)私はなぜプラドスが嫌いなのか」という注釈部分だ。どうやらかなり押しつけ、売り込みが激しい人のようだ。

 

p.40 ラストギャンブル Q&A

p.42 ゲーマーが作る"ラストギャンブル" <HJ>"ラストギャンブル"改造ルールと追加カウンターの使用法 桜井真一(※)

HJ『ラストギャンブル』(The Last Gamble)は、ドイツ軍が突破しやすい、という定評がある。「このゲームがヒストリカルにならない」ということに不満を持ち、ルールを改造したそうだ。デザイナーのパーカーにとってのヒストリカルとは「ユニットの戦力や配置位置、登場ターン」であり、「ゲームの進展」ではないようだ。

歴史とウォーゲームについて考えさせられる記事だ。

 

(※)誌上の表記は桜井慎一

 

p.58 "フリート・バトルズ"ヨーロッパ海域シナリオ(後編) 渡辺健

ボン岬沖海戦と北岬沖海戦のシナリオが収録されている。

 

p.84 クルセイダー作戦発動! <HJ>”地中海キャンペーン”シナリオ「十字軍」リプレイ 瀬戸利春

p.89 2つのヴァリアント 瀬戸利春

このゲームをやってみたくなった。

 

p.93 シミュレーションゲーム プレイングマニュアル(1) 1.戦略級ゲーム 戸島毅

戦略級ゲームでの攻勢作戦と防御作戦を、図を交えた解説している。

 

p.96 新書英雄伝 テミストクレス伝 有坂純

ペルシア戦争の海戦について解説している。

RPGと分けたことでこういう記事が増えてよかったと思う。

 

p.100 石川輝の実戦戦術教室 防御編1 

図が多くわかりやすい解説だ。ウォーゲームのプレイに役立てることができる。

 

p.106 戦国時代の戦略と戦術 戦国時代の指揮系統 福田誠

前回までは伊達政宗の戦いについて解説していたが、今回からはタイトル通り、戦国時代の戦略と戦術についての記事になった。今回は戦国時代の指揮系統だ。

これもわかりやすいし面白い記事だ。