AH『電撃ドイツ戦車隊』(Crescendo of Doom)のシナリオ22は、ソ連軍によるフィンランド侵攻戦、いわゆる冬戦争がテーマだ。
採り上げられるルールは、108.フィンランド軍の装備、109.歩兵に対するHEの致命的命中、110.発展した狂暴状態、111.天候ルール、112.車両の迂回移動、113.通過跡コマだ。
勝利条件はソ連軍が20個分隊を地図盤西端から突破させることだ。
■初期配置
天候 大雪
■第1ターン前の攪乱射撃
丘にあるフィンランド軍塹壕に盤外砲撃を集める予定だったが、大きく外れた。
制圧射撃のためにフィンランド軍10-1指揮官、T,U,J,Q分隊の士気-1
■第1ターン(1939/11/30)
風向 南から北
風力 無風
ソ連軍の作戦はフィンランド軍の少ない地図盤5に全力を傾けて突破させることとする。
風向 南から北
風力 無風
フィンランド軍の一部を地図盤5に移動させる。
■第2ターン
風向 南から北
風力 無風
風向 南から北
風力 無風
■第3ターン
風向 南から北
風力 無風
5P6でソ連軍2個分隊がフィンランド軍の射撃のために壊滅した。
風向 北西から南西
風力 無風
5P3の道路障害が除去された。
■第4ターン
風向 北西から南西
風力 無風
フィンランド軍対戦車銃ラハティをT26Sに射撃!
命中したが跳弾。
T26Sでも前面から破壊するには3以下8.3%の確率しかない。
5N5の白兵戦でフィンランド軍9-0Alio中尉戦死、1個分隊壊滅
風向 南から北
風力 無風
5M4でフィンランド軍1個分隊が109.歩兵に対するHEの致命的命中が発生し壊滅。
5O4でフィンランド軍がクロリハルチを爆破させてT26Sを走行不能にした。
■第5ターン
風向 南東から北西
風力 無風
フィンランド軍対戦車銃ラハティを5L3のT26Sに射撃!命中!
隣接しているので5以下(27.8%)で破壊!
フィンランド軍1個分隊脱出不能のため壊滅。
5O4の白兵戦でソ連軍2個分隊、フィンランド軍1個分隊壊滅。
フィンランド軍は12個分隊中4個分隊、ソ連軍は26個分隊と戦車5領中5個分隊と1輌の戦車が壊滅した。
風向 北東から南西
風力 無風
フィンランド軍が動き始めた。
■第6ターン
風向 南東から北西
風力 無風
風向 南東から北西
風力 無風
■第7ターン
風向 南東から北西
風力 無風
風向 北東から南西
風力 無風
■第8ターン
風向 南から北
風力 無風
ようやくT26Sの火災が消えた。
風向 北東から南西
風力 無風
2O8でソ連軍T26Sがフィンランド軍の対戦車銃ラハティで撃破!
ソ連軍が勝利条件に達する見込みがなくなった!
■第9ターン
風向 北西から南東
風力 無風
風向 北西から南東
風力 無風
2N10でソ連軍8-1指揮官戦死
■第10ターン
風向 北西から南東
風力 無風
風向 北東から南西
風力 無風
■第11ターン
風向 北西から南東
風力 無風
風向 南から北
風力 無風
残り3個分隊
■第12ターン
風向 南から北
風力 微風
2O10でフィンランド軍の対戦車銃ラハティがT26Sを仕留めた!!
風向 南西から北東
風力 微風
■第13ターン(最終ターン)
風向 南から北
風力 無風
5L2でソ連軍トラック1輌撃破!指揮官10-2戦死。1個分隊壊滅
■勝利条件の確認
戦車1輌(2個分隊)
トラック4輌(0個分隊)
操作班1個(0個分隊)
合計14個分隊なので20個分隊に満たないためフィンランド軍の勝利
■感想
フィンランド軍は2/3を失ったが勝利条件は確保した。
トラックや走行不能のT26Sを鹵獲した。後日、T26Sはフィンランド軍によって修理されソ連軍を迎え撃つのに使われた。
ソ連軍は地図盤2か地図盤5のどちらかの道路沿いに攻めるしかない。地図盤2だと高度による有利性と開豁地が多いことで攻めにくい。
地図盤5だと森が深く移動がままならない。
大雪のため開豁地の移動に時間がかかる。道路を進まざるをえない。
ソ連軍は戦いにくい。
冬戦争ではフィンランド軍がモッティ戦術でソ連軍に大損害を与えた。モッティ戦術は、支道を障害物と地雷で封鎖し、部隊が展開している林道に誘導する。林道では細く長い縦列ができる。そこを攻撃する。補給路を包囲して止める。切れ切れのひものようになったソ連軍を包囲し、補給線を断ち弱ったところを一つ一つ潰していく戦術だ。
モッティ戦術によって、細長く渋滞になったところを襲撃されたソ連軍を追体験できた。本や映画もそれぞれ勉強になるが、ボード・ウォー・ゲームはそれらとはまた違った視点で勉強になる。
フィンランド軍は地形や天候が味方になって守りやすいが、兵力の差があって苦しい。戦車は強敵だ。対戦車銃ラハティをもってしても侮りがたい。
それぞれに考えるポイントがあり、モッティ戦術の特徴を追体験できる面白いシナリオだ。