AH『電撃ドイツ戦車隊』(Crescendo of Doom)で、
『タクテクス』(TACTICS)第13号(1984/01)に掲載されていたオリジンズ・トーナメント・シナリオをプレイしてみた。1982年(毎年夏に行われるアメリカ最大のコンベンション)のトーナメントの3回戦に使われたシナリオだ。
1941/07/03 リープキ
独ソ戦が始まってから約10日が経過した。
順調に進撃するドイツ軍の前にKVIIやT34が現れた!
勝利条件は7ターンまでに、ソ連軍が主砲が機能しているAFVを4輛、盤の西端から脱出させると勝利だ。
目次
■初期配置
天候 晴天 微風 高湿度
風向 東から西へ
ドイツ軍は地図盤3のI列より西に配置する。ソ連軍は3GG6から入ってくる。
■第1ターン(1941/07/03)
無線機非装備車両はT34/76AとBT5 2輌の計3輌。
3H2 のドイツ軍III号戦車F号車が9ヘクス(360m)で射撃したが外れた!
次に盤内に入ってきたのは装甲車のBA32だ。車両一覧表には「装甲車の移動コストではなくトラックの移動コストを使う。」とある。
それでも24移動力あるので道路移動をしていく。早くも盤西端に到達した。
次はT34/76Aが入ってきた!
3K3で13.5移動力使ったところにI7からIII号戦車E号車が射撃!!距離5ヘクス(200m)
命中!側面で高度による有利性があるので4以下で撃破できるがサイコロの目は10!跳弾!!
「なんだあの前面装甲が斜めの小さな砲塔の戦車は!37mm砲弾を跳ね返しやがった!」ドイツ軍車長のつぶやきだ。
次にKVIIAが堂々の登場だ。
「象みたいなヤツがいるぞ!目標前方600m(15ヘクス)」III号戦車A号車が射撃する。
命中ナンバー8
サイコロの目修整=ハッチ閉じている+1目標移動中+2目標の大きさ-2=+1
7以下で命中(58.3%)
サイコロの目6 命中!!
破壊ナンバー2
サイコロの目修整=装甲修整+2高度による有利性-1距離による修整+1=+2
0(0%)以下で撃破
サイコロの目9で跳弾!!
「なんだ~!あの巨象は!37mm砲を跳ね返しやがった!75mm砲を積んだIV号戦車を呼べ!!」とA号車車長。
T26Sが車列を作って登場し、南の地図盤4に進む。
下の写真は第1ターン、ソ連軍移動後の状況。防御射撃したユニットにPrep Fireコマを載せている。T26SにはMotionカウンターを載せているが写真撮影用に外した。
ソ連軍T34/76Aがドイツ軍III号戦車A号車を射撃する。
命中ナンバー6
サイコロの目修整=ハッチを閉じている+1移動後射撃+5戦車指揮官指揮能力-1=+5
1以下で命中(0%)
サイコロの目9外れ!
KVIIAは車両一覧表によると砲塔があるが旋回が遅いため自走砲として扱うため射撃できない。
BT5 F号車が、2CC2から3H2のIII号戦車F号車を後方から射撃する。
距離200m(5ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=移動後+5ハッチ閉じている+1=+6
4以下で命中(16.7%)
サイコロの目7 外れ!
3H2 のドイツ軍III号戦車F号車が3J3のソ連軍T34/76A A号車を射撃する。「目標、前方の新型戦車~!距離80m(2ヘクス)」
命中ナンバー10
サイコロの目修整=ハッチ閉じている+1
9以下で命中(83.3%)
サイコロ8 命中
破壊ナンバー=2
サイコロの目修整=高度による有利性-1距離による修整-1
4以下で撃破(16.7%)
サイコロの目3 「撃破~!!」
操作班脱出成功!
ドイツ軍としては大きい戦果だ。
ドイツ軍III号戦車A号車が薄い装甲のソ連軍装甲車BA32を狙って移動する。
森に入ったが走行不能にはならなかった。
ドイツ軍歩兵はソ連軍T26Sを攻撃するために地図盤4に向かう。
ソ連軍BT5 F号車が、2CC2から3H2のIII号戦車F号車を後方から射撃する。
距離200m(5ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=ハッチ閉じている+1目標捕捉-1=0
10以下で命中(91.7%)
サイコロの目7 命中!
破壊ナンバー=6
サイコロの目修整=装甲修整-1距離による修整-1=-2
8以下で撃破(72.2%)
サイコロの目6撃破~!!
ソ連軍BA32 E号車が、2FF5から2FF3のIII号戦車A号車を射撃する。
距離80m(2ヘクス)
命中ナンバー9
サイコロの目修整=射界外+2ハッチ閉じている+1=+3
6以下で命中(41.7%)
サイコロの目8 外れ
ドイツ軍III号戦車A号車がソ連軍装甲車BA32を射撃する。
命中ナンバー=10
サイコロの目修整=移動後+5指揮能力修整-2=+3
7以下で命中(58.3%)
サイコロの目6 命中
破壊ナンバー=3
サイコロの目修整=装甲修整-4貫通力による修整-1=-5
8以下で撃破(72.2%)意外と低い確率だ。
サイコロの目7 撃破~!!
■第2ターン
風向 南から北へ
風力 微風
ソ連軍無線非装備車両のサイコロ1
ソ連軍KVIIAがドイツ軍III号戦車の後方に不気味に近づく。
ソ連軍BT5高速戦車がドイツ軍III号戦車の後方40m(1ヘクス)に突撃だ。
ドイツ軍III号戦車E号車が砲塔を旋回させて防御射撃だ。
命中ナンバー=10
サイコロの目修整=射界外+2ハッチ閉じている+1移動目標+2隣接-2=+3
7以下で命中(58.3%)
サイコロの目=8 外れ!!
ドイツ軍III号戦車C号車が砲塔を旋回させて防御射撃だ。
命中ナンバー=10
サイコロの目修整=射界外+2ハッチ閉じている+1移動目標+2=+5
5以下で命中(27.8%)
サイコロの目=6 外れ!!
ソ連軍は「してやったり」だ。
安心してT26Sを動かせる。
運動中なので10%多く、つまり14移動できる。[ルール135.5]
ソ連軍BT5 C号車が、3J6から3J7のIII号戦車E号車を後方から射撃する。
距離40m(1ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=移動後+5目標隣接-2=+3
7以下で命中(58.3%)
サイコロの目7 命中!
破壊ナンバー=6
サイコロの目修整=装甲修整-1距離による修整-3=-4
10以下で撃破(91.7%)
サイコロの目7撃破~!!
ここまで両軍2輌ずつ失った。ソ連軍は残り8輌。ドイツ軍はこのターンの増援合わせて3輌だ。ドイツ軍はあと4輌撃破しないといけない。
ドイツ軍III号戦車C号車がBT5 C号車を射撃だ。
命中ナンバー=10
サイコロの目修整=ハッチ閉じている+1目標捕捉-1=0
10以下で命中(91.7%)
サイコロの目=2 致命的命中!!
破壊ナンバー=4
サイコロの目修整=致命的命中-1装甲修整-4=-5
9以下で撃破(83.3%)
サイコロの目9撃破~!!
ドイツ軍III号戦車A号車がソ連軍BT5 F号車の後方に迫る。
2CC2のBT5 F号車が2CC3へ防御射撃だ。
距離40m(1ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=移動目標+2目標隣接-2=0
10以下で命中(91.7%)
サイコロの目7 命中!
破壊ナンバー=4
サイコロの目修整=装甲修整-1距離による修整-3=-4
8以下で撃破(72.2%)
サイコロの目10 跳弾!!
4G8のT26Sが4A3の歩兵を射撃する。
命中ナンバー=9
サイコロの目修整=射界外+1移動中+5目標移動+2=+8
1以下で命中(0%)
サイコロの目=6 外れ
4H7のT26Sが4A3の歩兵を射撃する。
命中ナンバー=9
サイコロの目修整=射界外+1移動中+5目標移動+2=+8
1以下で命中(0%)
サイコロの目=8 外れ!!
ドイツ軍IV号戦車の増援が来た。
4I7、4J6、4K6のT26Sが射撃!
命中ナンバー=9
サイコロの目修整=移動中+5目標移動+2=+7
2以下で命中(2.8%)
サイコロの目=7,10,4 外れ!!
2CC3のIII号戦車A号車が2CC3のBT5 F号車を射撃だ。
距離40m(1ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=移動後+5目標隣接-2目標の大きさ+1=+4
6以下で命中(41.7%)
サイコロの目6 命中!
破壊ナンバー=4
サイコロの目修整=装甲修整-4距離による修整-3=-8
12以下で撃破(100%)
サイコロの目6 撃破~!!炎上!!
4B7のIV号戦車A号車が4G8のT26Sを射撃だ。
距離200m(5ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=移動後+5移動目標+2指揮能力修整-2=+5
5以下で命中(27.8%)
サイコロの目8 外れ
破壊ナンバー=4
4B6,4B8のIV号戦車A号車が4G8のT26Sを射撃だ。
距離200m(5ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=移動後+5移動目標+2=+7
3以下で命中(8.3%)
サイコロの目10, 5 外れ
■第3ターン
ソ連軍は残り6輌。このうち4輌が脱出成功すれば勝利だ。
4F4の歩兵が対戦車銃で4F8のT26Sを射撃する。
距離160m(4ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=目標移動中+2=+2
8以下で命中(72.2%)
サイコロの目4 命中!
破壊ナンバー0
サイコロの目修整=装甲修整-3=-3
3以下で撃破(8.3%)
サイコロの目10 跳弾!!
4D1の歩兵がHMGで4D8のT26Sを射撃する。
破壊ナンバー=-1
サイコロの目修整=装甲修整-3
2以下で撃破。(2.8%)
サイコロの目7 跳弾!!
4A4の歩兵が4D8のT26Sを対戦車銃で射撃。
距離240m(6ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=目標移動中+2=+2
8以下で命中(72.2%)
サイコロの目6 命中!
破壊ナンバー=-1
サイコロの目修整=装甲修整-2=-2
1以下で撃破(0%)
サイコロの目6 跳弾!!
4B7のIV号戦車A号車が4A9のT26Sを射撃だ。
距離80m(2ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=射界外+1移動目標+2指揮能力修整-2捕捉目標-1=0
10以下で命中(91.7%)
サイコロの目9 命中!!
破壊ナンバー=6
サイコロの目修整=装甲修整-3貫通力-2=-5
11以下で撃破(97.2%)
サイコロの目8 撃破!炎上!!
4B8のIV号戦車が4A10のT26Sを射撃だ。
距離80m(2ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=射界外+1移動目標+2=+3
7以下で命中(58.3%)
サイコロの目9 外れ!
T26S 1輌脱出成功!
4B6のIV号戦車が4G9のT26Sを射撃だ。
距離200m(5ヘクス)
命中ナンバー10
サイコロの目修整=移動目標+2=+2
8以下で命中(72.2%)
サイコロの目6 命中!
破壊ナンバー=4
装甲修整-2距離による修整-1=-3
7以下で撃破(58.3%)
サイコロの目11
跳弾!
ソ連軍がKVIIAと4輌のT26Sを地図盤西端から脱出させたので勝利!!
■勝利条件の確認
ソ連軍がKVIIAと4輌のT26Sを地図盤西端から脱出させたので勝利!!最終ターンを待たずにソ連軍の勝利だ。
■感想
『タクテクス』(TACTICS)第14号(1984/3/1)の「オリジンズ・トーナメント・シナリオ分析 <AH>電撃ドイツ戦車隊 ジェネラル誌19巻5号より 田中勇樹/訳」という記事によると、次のように配置するといいそうだ。
3I2に10-2指揮官、3個分隊、HMG
3I1に、9-1指揮官、3個分隊、対戦車銃2挺
3I8, 3G3,3F2,3H2にIII号戦車
今回の私とは違う配置だった。
こうすることで地図盤2を薄い装甲車両が突破することを防ぐのだ。なるほど。確かに今回、地図盤2からの装甲車の脱出を防ぐためにIII号戦車が引きずり出されてしまった。そっちに向かったせいで南部に向かう時間がとれず、南部からの離脱を許してしまった。
ドイツ軍は南の地図盤4の守りを歩兵に任せる結果になったのがよくなかった。『タクテクス』誌第14号の記事にあるようにすればT26Sの機動は防げただろう。
今回使わなかったが、砲腔照準ルールを使ってよかったようだ。
ユニット数が少ない小さなシナリオだが、計算されたいいシナリオだと思う。
両軍とも車両の役割や配分や移動について頭を悩ませる佳作といっていいシナリオだと思う。