K2P『ドイツ戦車軍団』(ダンケルク)でドイツ軍装甲師団の配置を変えてみた。
ドイツ軍によるフランス侵攻作戦は、1939年9月から1940年5月までに何度も作戦計画が作成され、天候不順による延期が繰り返された。
その間にマンシュタインの作ったアルデンヌの森林地帯を装甲師団が突破する作戦計画に変更され、それがフランスをわずかな期間で崩壊させた。
今回は、マンシュタインの作戦計画ではなく、第一次世界大戦の西部戦線攻勢計画であるシェリーフェン計画の焼き直しと言われたドイツ陸軍総司令部の第一次西方作戦計画で、フランスやベルギーを攻撃したらどうなるかをシミュレーションしてみた。
目次
- ■初期配置
- ■第1ターン(1940/05/14-15)
- ■第2ターン(1940/05/16-17)
- ■第3ターン(1940/05/18-19)
- ■第4ターン(1940/05/20-21)
- ■第5ターン(1940/05/22-23)
- ■第6ターン(1940/05/24-25)(最終ターン)
- ■勝利条件の確認
- ■感想
■初期配置
ドイツ軍がマンシュタインの作戦計画に沿った史実通りの攻撃だと下のようになる。
しかし、今回はドイツ陸軍総司令部の第一次西方作戦計画に従った攻撃をするので、ブリュッセル(0609)に主攻軸を置き装甲師団や自動車化歩兵師団の多くをそちらに配置した。また、特別ルールとして、11xx列より南にドイツ軍装甲師団は最大2個までとする。
連合軍の配置は変わらない。
■第1ターン(1940/05/14-15)
ドイツ軍はブリュッセル(0609)やアントワープ(0208)目指して前進する。しかしミューズ川やディール川により連合軍の戦力が上がりドイツ軍にとって有利な戦力比にならない。
アルデンヌを守る連合軍と違って、主力が守るので連合軍戦力が大きいからだ。
ドイツ軍の攻撃でミューズ川、ディール川それぞれ一ヶ所で渡河成功したが、全体としては進撃できなかった。
連合軍は戦線に空いた穴を埋める。ナミュール(1006)からドイツ軍第6装甲師団(0908)を攻撃する。1/2の確率で退却もあるが1/3の確率でドイツ軍を押し返すことができる。
フランス第4歩兵軍団がドイツ軍第6装甲師団を見事に押し返した。
■第2ターン(1940/05/16-17)
ドイツ軍がわずかに前進する。
ジヴェ(1407)、セダン(1706)、ルーヴァン(0607)陥落!
フランス軍第41歩兵軍団とベルギー軍第1歩兵軍団が壊滅した。
フランス軍が、ディール川を渡河したドイツ軍第14自動車化歩兵師団に反撃する。
見事にドイツ軍第14自動車化歩兵師団をディール川の東岸に押し返した。
■第3ターン(1940/05/18-19)
ドイツ軍は9ヶ所で攻撃を仕掛け、力押しする。
ナミュール(1006)のフランス軍第4歩兵軍団壊滅。
アントワープ(0208)陥落!
ドイツ軍は装甲師団ではなく歩兵軍団がアルデンヌを攻撃しているが、結局、アルデンヌの連合軍はほぼ壊滅してしまった。
その穴を埋める兵力も足が速い部隊も連合軍にはない。
ディール川を渡河した0708にいるドイツ軍第8歩兵軍団の橋頭堡への連合軍の攻撃はドイツ軍により撃退された。
ドイツ軍はディール川、ミューズ川の線を越えた。
■第4ターン(1940/05/20-21)
ドイツ軍が前進する。
しかし、アルデンヌは歩兵軍団中心だし、北部は装甲師団突破の隙間がないので、全体としての前進速度は遅い。
フランス軍第18歩兵軍団が守るモンメディ(1904)陥落!
フランス軍第3歩兵軍団壊滅。
イギリス軍第2BEF歩兵軍団壊滅。
シャルルロワ(1009)陥落!
フランス軍第16歩兵軍団壊滅。
ついに全戦線にわたって連合軍の防衛線が崩壊した。
フランス軍は包囲された部隊の救出をはかる。
イギリス軍第3BEF歩兵軍団壊滅。
ドイツ軍第27歩兵軍団壊滅。
■第5ターン(1940/05/22-23)
ドイツ軍はベルギーの北部で連合軍を全面的に攻撃する。
フランス軍第11、第5歩兵軍団壊滅。
ベルギー軍第3歩兵軍団壊滅。
ついにブリュッセル(0609)陥落!!
連合軍はスヘルテ川沿いに後退する。
■第6ターン(1940/05/24-25)(最終ターン)
ドイツ軍は連合軍の連絡線を切断しようとするが移動力が足りない。
イギリス軍機甲師団壊滅。
■勝利条件の確認
4.0(1)戦闘で除去した連合軍ユニット14ユニット39得点
4.0(2)戦闘で除去されたドイツ軍は1ユニット-8得点
4.1 連絡線を切断された連合軍ユニット
ベルギー軍1個2得点。
39-8+2=33
ドイツ軍が33得点で、35得点以下のため連合軍の勝利!!
■感想
連合軍がマジノ線とディール計画で防御する。ドイツ軍が第一次世界大戦の西部戦線攻勢計画であるシェリーフェン計画の焼き直しであるドイツ陸軍総司令部の第一次西方作戦計画で攻めると戦線が膠着する。
機甲師団の速度が活かせない。
それでも第一次世界大戦のような塹壕線はできず突破することには成功したが史実の成功と比較すると小さな成功になる。
これでもフランス軍がパリを守れるかは疑問だが、本ゲームだとドイツ軍は負けになる。
やはりマンシュタインの作戦計画の優秀さはよくわかる。