Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

小林源文 畠山弘康他『ノルマンディー上陸作戦』日本出版社(1995/05/26)(ボムコミックス49)


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カラーグラビア ジオラマワールド 近藤和久+高瀬ゆうじ

ノルマンディー上陸作戦に対して反撃を企図しているパンター戦車とキングタイガー戦車のジオラマ写真だ。

 

[感想]

夜間、音を立てないように移動している緊張感がうまく表現されている。

 

ノルマンディー1944 小林源文

ノルマンディー上陸作戦を迎え撃つドイツ側の視点で描いている。ロンメルがノルマンディーを離れ、妻の元に行く。

サントメールエグリ近くのW5を持ち場とするヤーンケ少尉の頭上に空爆、そして正面から連合軍が続々と上陸してくる。

必死に応戦するが、対戦車砲の駐退機が故障して、ついにアメリカ軍の捕虜となってしまう・・・

 

[感想]

ノルマンディーの海岸に構築したドイツ軍の防御設備の図がわかりやすい。

双発爆撃機空爆しているところを上空から描いたコマと、艦砲射撃をしているところを俯瞰的に描いたコマの構図と絵がいい。

この一編だけでなく、アイゼンハワーやモントゴメリー、連合軍の最前線の兵士達も含めて描いた作品を読んでみたい。

 

オマハ6/6 作/橋本純 画/ひびきゆうぞう

オマハ海岸に上陸しようとするアメリカ軍第1歩兵師団、通称、ビッグ・レッド・ワンの、上陸初日の激闘を描いた劇画だ。

波間に沈む戦車やドイツ軍の激しい砲火にさらされる上陸部隊。上陸しても砂浜に伏せて進めない歩兵部隊。そんな歩兵達を何とか前進させようとする士官や下士官達。

 

[感想]

ビッグ・レッド・ワンの苦闘の様子がよく描かれている。

 

 

報復の調べ 近藤和久

報復兵器V1号を迎撃するイギリス空軍を描いている。

V1号に近づきすぎて迎撃すると、爆風によって、イギリス軍戦闘機も墜落することがある。

そこで、V1号の翼に戦闘機の主翼を引っかけて針路を変える方法を試してみる。

地上からV1号を発射するだけではなく、He111が運搬して空中から発射するドイツ軍。

旧式化したHe111にはV1号は重すぎて鈍重になってしまい、イギリス空軍機の餌食になる。

 

[感想]

V1号の翼に戦闘機の主翼を引っかけて針路を変える方法は実際に行われたのだろうか?

He111がV1号を吊り下げて空中発射したのは、日本軍が一式陸攻が桜花を吊り下げたのによく似ている。

これらが史実なのかはわからないが、制空権を握られた枢軸軍の悲劇だと思った。

 

BURNING ROAD 畠山弘康

ノルマンディー上陸作戦後、パリに向かって前進する連合軍。

それを迎え撃つドイツ軍だが、車両はほとんどない。

自転車。

第一次世界大戦の名戦車であるルノーFTに47mm対戦車砲を積んだ自走砲で、シャーマン戦車と正面から戦いを挑み、歩兵達の時間稼ぎをする。

うまく時間稼ぎに成功し、戦車兵達もセーヌ川を渡って撤退する。

 

[感想]

絵が丁寧でリアルでいい。

小林源文氏の後継者になれると思う。

 

裏切り 作/砧大蔵 画/かきざき和美

1944年7月20日ヒトラー暗殺未遂事件。

西側連合軍との単独講和を模索するヒムラー

その命令で動くウェーバー

西部方面司令官兼B軍集団司令官クルーゲも単独講和をもくろみ、1944年8月15日、約束の地点に向かう。しかし、連合軍の空爆や砲撃に遭い、約束の地点に到達できない。

約束の地点で半日待ったパットンは、引き揚げた。

クルーゲとパットンが会う段取りをつけたウェーバーヒムラーに殺される。

翌年、ヒムラー自ら単独講和を申し出るが失敗し、冷戦になる。

[感想]

1944年の時点でヒムラーが単独講和を模索していたか証拠はないが、ありそうな興味深いストーリーに仕上げている。

 

 

連合軍総反撃!決戦!ノルマンディー上陸作戦 解説/橋本純 イラスト/上田信 小泉和明プロダクション 山上正一 松井生樹

ノルマンディー上陸作戦概説だ。

わかりやすい戦況図と解説だ。

 

ここでタイトルのノルマンディー上陸作戦の話題は終了だ。

 

鋼鉄山脈 さいとうかずと

ここからは要塞がテーマになる。マジノ線で守る兵士達の物語だ。

アルザス・ロレーヌ地方出身のロシェは、ド・ゴールの言葉を皆に話し、ナチのスパイと責められた。

しかし、ドイツ軍はマジノ線を迂回してアルデンヌの森林地帯を突破しフランスを降伏に追いやった。

「1人のフランス人は聡明、2人になったフランス人は保守的、3人集まったフランス人は無秩序だ」とロシェに話すイギリスの従軍記者マーチン・オブライエン。ロシェの父は第一次世界大戦ではドイツ軍兵士として参加した。当時のアルザス・ロレーヌ地方はドイツ領だったからだ。

フランスが降伏し、捕虜となったマーチン・オブライエンは、脱走する。追いかけてきたドイツ軍兵士が実はロシェだった。アルザス・ロレーヌ地方を征服したドイツ軍によって、ロート・ベルンハルトという名前になり、ドイツ兵士として動員されたのだ。ロシェがフランス人時代の通行証をマーチン・オブライエンに渡し、スイスに逃がす。

 

[感想]

ドイツ領になったりフランス領になったアルザス・ロレーヌ地方出身者の悲哀と絡めてマジノ線の悲劇をうまく描いた心に残る作品だ。

 

虎頭大要塞 小林たけし

試製41センチ榴弾砲を配備した虎頭大要塞。目標はイマン迂回線のワーク河鉄橋だ。11発目で目標を達成した。

しかし執拗なソ連軍の攻撃の前に要塞は・・・

 

本来歩兵14個中隊、砲兵14個中隊、工兵1個中隊合計27個中隊で守るところを歩兵4個中隊、速射砲1個中隊、歩兵砲1個中隊、砲兵1個中隊、工兵1個中隊と1/4で迎え撃った。そのため24センチ列車砲や24センチ榴弾砲は一発も撃てなかった。

わずか1400名でソ連軍と二週間以上戦ったが、日本の地を踏めたのはわずか53名だった。

 

[感想]

青息吐息の日本軍を、火事場泥棒的に襲ったソ連軍による悲劇だ。

そんな中でも奮戦した虎頭要塞の話は後世に語り継ぐべき話だと思う。

 

世紀末の要塞論 解説/橋本純 小泉和明プロダクション 山上正一

第一次世界大戦のトルコ軍要塞。マジノ線や西方の壁など第二次世界大戦の要塞。

要塞の限界。現代の要塞。などを解説している。

[感想]

ノルマンディー上陸作戦に備えて作った西方の壁(West Wall)。その関連で後半は要塞の話になったようだ。

要塞の話もいいが、全編、ノルマンディー上陸作戦の話にしてほしかったと思うのは私だけだろうか