福田誠『第二次大戦 海戦事典1939~45』(光栄)(1998/09/16)や
別冊宝島2042『ビジュアル図解 連合艦隊全作戦記録』(2013/08/16)を元に「第一次ベララベラ海戦」シナリオをSS『聯合艦隊』(Fleet Battles)用に自作してみた。
昭和18年(1943)8月17日に、ベララベラ島近くで起こった水上戦だ。
日本軍がベララベラ島に増援を送るために水雷艇や大発で輸送し、駆逐艦4隻が護衛していた時に発生した夜戦だった。
目次
【0】シナリオ
1)背景
昭和18年(1943)8月15日、ベララベラ島に米軍約6,000名が上陸した。同島には日本軍は600名程度しかいなかった。日本軍は奪回するのは無理と判断し陸軍兵2個中隊290名と海軍陸戦隊150名がベララベラ島ホラニウ港に逆上陸をすることにした。
8月17日午前3時、輸送部隊がラバウルを出撃した。護衛するのは伊集院松治大佐率いる駆逐艦「漣」など4隻だ。
米軍もトーマス・J・ライアン大佐率いる第41駆逐群の4隻の駆逐艦を派遣し、日本軍を阻止しようとした。
8月17日午後10時32分、「漣」が米軍を発見した。
第938航空隊の零式三座水上偵察機が照明弾を投下し、日本軍が先手を取った。
日本軍の魚雷はすべてかわされてしまった。
アメリカ軍駆逐艦「ニコラス」「オバノン」「テイラー」「シュヴァリエ」は日本軍輸送体を砲撃した。
8月17日午後10時58分頃から夜戦部隊と砲撃戦になった。
2)マップ
マップは、縦2枚、横2枚をxx01を上にして並べる。左上から横にA=>B、2行目がC=>Dとする。
3)日本軍
日本軍は次の通り
水雷戦隊旗艦 「漣」吹雪型a 速力4 ヘクスD-0307 方向6
次席駆逐隊旗艦 「浜風」陽炎型a 速力4 ヘクスD-0407 方向6
「磯風」陽炎型a 速力4 ヘクスD-0104 方向6
「時雨」白露型a 速力4 ヘクスD-0103 方向6
輸送船・水雷艇・大発(任意のユニットで代用) 速力2 ヘクスC-1610 方向4
PL=20
4)アメリカ軍
アメリカ軍は次の通り
艦隊旗艦 「ニコラス」フレッチャー級a 速力5 ヘクスD-1214 方向6
「オバノン」フレッチャー級a 速力5 ヘクスD-1315 方向6
「テイラー」フレッチャー級a 速力5 ヘクスD-1415 方向6
「シュヴァリエ」フレッチャー級a 速力5 ヘクスD-1516 方向6
PL=20
アメリカ軍は全艦がSGレーダーを装備しているものとする。
5)ゲームの長さ
10ターン、または一方の軍が勝利条件を満たしたターン終了時まで
6)基本視界
夜戦:日本軍14ヘクス アメリカ軍12ヘクス
7)勝利条件
日本軍は輸送船のP損害が10未満で、かつ米軍PLを0にすると勝利する。
米軍は日本軍輸送船にP損害10以上を与えるか、日本軍のPLを0にすると勝利する。
8)特別ルール
(1)日本軍輸送船は1ユニットで現すが実際には艦載水雷艇や大発など約30隻である。
防御力1でP20の船で最大速力2で武装はないものとする。
攻撃を受けた時のWの損害もPの損害として数える。
例:WPの損害が出た場合、Px2とする。
追加打撃もないものとする。
(2)米軍は3ヘクス以内に日本軍輸送船がある時は、日本軍駆逐艦に攻撃できず、輸送船を攻撃しなければならない。
(3)日本軍は米軍を視認するか、または米軍から攻撃を受けWまたはPの損害を受けるか、砲撃の閃光を視認するまで方向や速度を変更してはいけない。
輸送部隊が攻撃されても日本軍駆逐艦隊に報告が上がり、移動制限が解除される。
(4)PLの計算は駆逐艦隊だけで算定する。輸送部隊の損害はPLに算定しない。
(5)日本軍は、任意のターンに照明弾を任意のヘクスに、1度だけ投下することができる。
9)戦いの結果
砲撃戦は約30分続き、「磯風」「浜風」が損傷した。米軍は無傷だった。
輸送船団はいったん、退避して、翌日、輸送は成功した。