Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

【参考文献】かのよしのり『歩兵の戦う技術』SBクリエイティブ(2018/11/25)


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サイエンス・アイ新書の、かのよしのり『歩兵の戦う技術』を読んでみた。

 

 

 

もくじ

 

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第1章 歩兵部隊の編成

英語のInfantryは、「歩く兵士」の意味ではなく、ラテン語の「子供」を意味する「インファンセ」から来ており、騎士のお供をしていた若者から来ているそうだ。そのため、乗馬歩兵という言葉もあったそうだ。

歩兵の役目は「地域を占領し、支配すること」だそうだ。

 

中隊(カンパニー)が軍隊の最小単位だそうだ。中小企業もカンパニーで、100人前後のまとまりが、まさにカンパニー=中隊なのだろう。

連隊(レジメント)は大佐が指揮する部隊を指すそうだ。かつては侯爵がまとめていたのが連隊だそうだ。

師団(ディヴィジョン)は独立して長期の作戦ができる組織だ。

 

日本軍は1940年に兵科を廃止したそうだが、これは驚きだ。

 

階級制度は指揮できなくなった時に誰が後に続くかを決めるためのものだ。

米陸海軍と日本の標準的な階級名が表になっていて参考になる。

 

符号 日本語 米陸軍階級名 米海軍階級名
O-10 大将 General Admiral
O-9 中将 Lieutenant General Vice Admiral
O-8 少将 Major General Rear Admiral(upper half)
O-7 准将 Bigadier General Rear Admiral(lower half)
O-6 大佐 Colonel Captain
O-5 中佐 Lieutenant Colonel Commander
O-4 少佐 Major Lieutenant Commander
O-3 大尉 Captain Liutenant
O-2 中尉 First Lieutenant Liutenant Junior Grade
O-1 少尉 Second Lieutenant Ensign
W-5 1等准尉 Chief Warrant Officer 5 Chief Warrant Officer 5
W-4 2等准尉 Chief Warrant Officer 4 Chief Warrant Officer 4
W-3 3等准尉 Chief Warrant Officer 3 Chief Warrant Officer 3
W-2 4等准尉 Chief Warrant Officer 2 Chief Warrant Officer 2
W-1 5等准尉 Warrant Officer 1 -
E-9 軍最上級曹長 Sergeant Major of the Army Master Chief Petty Officer of the Navy
  最上級曹長 Command Sergeant Major Fleet Master Chief Petty Officer
  上級曹長 Sergeant Major Master Chief Petty Officer
E-8 先任曹長 First Sergeant Senior Chief Officer
  曹長 Master Sergeant Senior Chief Officer
E-7 1等軍曹 Sergeant First Class Chief Petty Officer
E-6 2等軍曹 Staff Sergeant Petty Officer First Class
E-5 3等軍曹 Sergeant Petty Officer Second Class
E-4 伍長 Corporal Petty Officer Third Class
E-3 上等兵 Private First Class Seaman
E-2 1等兵 Private Second Class Seaman Apprentice
E-1 2等兵 Private Seaman Recruit

 

第2章 歩兵の装備

アメリカ兵のことをG.I.というが、「ガバメント・イシュー」の略で官給品という意味だそうだ。日本では官品(カンピン)というらしい。

旧日本陸軍の38式歩兵銃は長い銃に銃剣をつけていたが、騎兵を突くためだったそうだ。

かのよしのり氏は、戦闘ロボットが人型をしている理由はない、戦うことが目的なら洗車型の方が重武装、重装甲にできて、強くできるからだ。

もっともな意見だと思う。

 

第3章 兵站と宿営

「戦闘とは、兵站といつ巨大な剣がぶつかり合っている出ている火花にすぎない」とあるが、その通りだと思う。

数百年も昔の軍隊は、兵站組織を持たずに、後ろに商売人の集団がぞろぞろついてきていた。その集団には女性もいたので、女性の歩く速度に規制されていたのだそうだ。

現代の軍隊の食事事情について、わかりやすく書いてある。

タミヤの1/35ミリタリー・ミニチュア・シリーズというプラモデルにフィールド・キッチン・セットという商品があった。馬と兵士数人とパン焼き釜を再現したものだった。あれは第二次世界大戦の欧州の戦いの裏を支えていた重要なアイテムだったのだと思う。

 

第4章 戦闘技術

匍匐前進には、その高さによって5種類あるそうだ。

またべったり伏せるのがいいわけではない。手足が胴体の下になるようにしゃがみ込む方がいいのだ。時限信管で頭上で爆発して砲弾を飛び散らせるものがあるからだ。

 

第5章 行軍

その部隊が持っている移動手段を使って移動するのが「行軍」、その部隊が持っていない移動手段を使って移動するのが「輸送」という。

従って、「行軍」と言っても徒歩行軍、車両行軍、騎馬行軍などがある。

行軍中は前衛、側衛、後衛を置くのが原則だ。

行軍速度は、1歩70cm、1分間120歩のリズムで、50分歩いて10分休憩して1時間に4km歩くのが疲れない。大休止1時間の前後に4時間ずつ8時間歩いて、1日32km歩くのが標準だ。

強行軍の限界は24時間で48km、48時間に88km、72時間に120kmだそうだ。

 

山地の移動では時速3kmと考え、上り坂なら標高300mごとに、下り坂なら標高500mごとに1時間を加える。

 

第6章 攻撃

攻撃側が前進する時に、側面から射撃する側防火器の存在がやっかいだ。事前に見つけにくいから、撃たれるまで発見できないからだ。

旧日本陸軍は無謀な突撃をしたイメージがついているが、実際には無謀な突撃を戒めていた。負けが確定したが降伏が許されないので、自殺するより突撃した、一種の自殺だったのだ。そして敵が頑強に抵抗している状態で突撃などできない。敵が退却を始めた時に突撃していたのが実態だろう。

 

第7章 防御と築城

対人地雷禁止条約に日本は調印したが、米、露、中、韓、北朝鮮は調印していないそうで、日本が自分で手足を縛っていることを、かのよしのり氏は懸念している。

地雷を埋める時には測量してどこに埋めたかわかるようにするのだそうだ。そりゃそうだな。

 

銃弾や砲弾に耐えるために必要な材料の厚さの表が載っている。

 

第8章 積雪寒冷地の作戦

凍結やカモフラージュや移動など、積雪寒冷地での注意点がまとまっている。

 

第9章 情報と警戒

情報(intelligence)と情報資料(information)に区別するのが大切だ。

「捜索」は敵がどこにいるかわからない時に確かめることで、「偵察」は敵と戦う準備段階として敵の配置などをなるべく詳しく見ることだ。

 

映画や小説などで、アルファベットを正確に伝える時の言い方(=フォネティックコード)が載っていた。業界や時代によっても異なるらしい。

文字 発音 文字 発音
A Alpha N November
B Bravo O Oscar
C Charlie P Papa
D Delta Q Quebec
E Echo R Romeo
F Foxtrot S Sierra
G Golf T Tango
H Hotel U Uniform
I India V Victer
J Juliett W Whiskey
K Kilo X X-Ray
L Lima Y Yankee
M Mike Z Zulu

 

感想

写真や図が豊富で、とても読みやすい。

もっと体系的で詳しい本は多数あると思うが、初心者にはとっかかりやすくていい本田と思った。

Squad Leaderなどの、陸戦戦術級ゲームをプレイする時に、ちらっと参考にするといいと思う。