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80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

【ムック紹介】『ドイツ本土防空戦』 歴史群像第二次欧州戦史シリーズ19 学習研究社 (2002/04/20)

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写真やイラストやCGやわかりやすい解説記事で、ドイツ空軍の歴史がよくわかるお勧めのムックだ。

 

p.14 米英独ソの機体の命名法 文/川畑英毅

 ドイツはメーカー名、メーカー記号、開発番号、最初のサブタイプ、サブタイプの順だ。メッサーシュミット社がBfなのはバイエルン航空機の略称だからだ。後にMeになる。フォッケウルフ社はFwだが、設計者のクルト・タンクのTaをとった例もある。

 

 アメリカ陸軍は、メーカー名、機種の記号、計画順序、サブタイプ、愛称の順だ。海軍は、メーカー名、機種の記号、計画順序、会社記号、サブタイプ、愛称の順だ。

 

 イギリス空軍機は、メーカー名、制式名称、機種の記号、タイプの順序だ。

 

 ソ連空軍機は、設計局名、設計局記号、開発順序、サブタイプの順序だ。

 

p.16 再現・戦闘オペラハウス 文・イラスト/坂本明

 ドイツ防空システムの様子がイラストになっている。

 NASAやJAXAの部屋みたいだ。この当時の日本の防空システムと比べるとどんな違いがあるのか知りたい。

 

p.22 ドイツ戦闘機の対重爆用兵装 文・イラスト/野原茂

p.26 ドイツの地対空ミサイル 文・イラスト/野原茂

 シュレーゲ・ムジークと呼ばれる斜め銃や誘導ミサイルが、イラストと写真と解説でわかりやすい。

 また、当時既にドイツが地対空ミサイルの原型を作っていたことに驚く。

 

p.24 1942.2.27~28 「ビッティング作戦」 英第一空挺師団の襲撃部隊、「ヴュルツブルク」レーダーの機密をダッシュ!! 文/川畑英毅

 これは、『タクテクス』第6号に載ったシナリオ『THE BRUNEVAL RAID ブルヌヴァル襲撃作戦』 だ。飛行経路や、戦場の地図があり、ヴュルツブルク・レーダーがあった一軒家の写真もあって、このシナリオをぜひプレイしたくなる。

 

p.30 B・ウォリス博士と跳躍爆弾 文・監修/白石光

p.39 ブローニング50口径M2機銃 文・監修/白石光

 跳躍爆弾のアイデアと原理や装備について、たった2ページだがわかりやすく解説している。

 また、アメリカ空軍、陸軍、海軍で共通に使われたM2機銃についての解説を読むといかにこの機銃が優秀だったか、よくわかる。

 

p.34 合成石油の造り方 文/野木恵一

 第二次世界大戦中、ドイツは合成石油を造って戦っていた。

 石炭を液化したものだ。石炭を国産できたドイツにとっては、夢の技術だ。日本も石炭を国産できていたので、これで戦えればよかった、と思うのだが、日本では間に合わなかった。

 

p.50 エルベ特攻隊と震天制空隊 文/白石光

 日本が特攻隊を使ったのは知っていたが、ドイツにもあったのは意外だった。ドイツの場合、爆撃機に対しての特攻だそうだ。もっともドイツでは作戦が失敗に終わったようで二度と特攻作戦は行われなかったそうだ。追い詰められると、洋の東西を問わず同じような作戦を考えるものだ。

 

p.55 DOCUMENT 文/川上しげる

p.156 独夜間戦闘機隊総監 ヨーゼフ・カムフーバー

 ヨーゼフ・カムフーバーがドイツ防空システムを構築した。彼は戦後もルフトヴァッフェ(ドイツ空軍)総監の要職にあった。

 ヴュルツブルク・レーダー網を築き、夜間戦闘機隊を整備した。

 技術の攻防や、激しい電子戦が行われた。

 

p.103 徹底図解 「ドイツ本土防空戦」の戦術・戦法 イラスト・文/坂本明

 「コンバット・ボックス」を組んでドイツ上空に向かう米陸軍航空隊の戦法やドイツ空軍の夜間迎撃戦術「ヴィルテ・ザウ」「ツァーメ・ザウ」などがイラストでわかりやすい。

 

p.119 航空偵察とは何か 文/松代守弘

 上空から地上を写真に撮ればいい、と簡単に思っていたが、航空偵察もなかなか奥が深いことが、この記事を読んでわかった。

 

p.128 米英戦略爆撃の収支決算 文/野木恵一

 この記事は面白かった。

 ドイツの空襲による犠牲者は合計305,000人以上

 重傷者は780,000人以上

 家を失った者は7,500,000人以上

 

 アメリカ空軍の損害は爆撃機9,949機。戦闘機8,420機。

 戦死者は54,700人。17,900人が負傷し、40,200人が捕虜となった。

 イギリス空軍は爆撃機11,965機。戦闘機10,045機。

 戦死者76,300人。22,800人が負傷。7,400人が捕虜となった。

 

 第二次世界大戦のヨーロッパ航空戦では、戦略爆撃は戦争を手っ取り早く終わらせる手段ではなく、敵味方の犠牲は大きかった。

 

p.176 鉄十字の女性パイロット ハンナ・ライチュ伝 文/中村浩美

 ドイツには女性パイロットがいた、というのに驚いた。しかも、テスト・パイロットとして、阻塞気球の係留索切断用の装置のテストを行ったり、メッサーシュミットMe163のテスト飛行をして、大怪我したりしたそうだ。V1爆弾を有人攻撃機にする案に賛同し、自己犠牲攻撃(SO攻撃:Selbst-Opferung攻撃)と呼んだそうだ。

 1945年4月末、ベルリンの総統官邸に苦労して行き、ヒトラー総統と会っていた。

 ハンナの故郷はソ連軍に占領され、家族は自決した。ハンナは生きた。

 戦後もグライダー界で活躍し、1979年4月には805.7kmの自由長距離飛翔の世界記録を作った。その4か月後、彼女は死んだ。

 こんな女性パイロットがドイツにいたとは、驚いた。