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表題は「大東亜戦争」だが、内容的には、主に第二次世界大戦に至る過程について経済の側面から分析した本だ。
高校の日本史で、井上準之助の金解禁や裏白紙幣や金本位制離脱などを教えられて、暗記はしたが、その意味がよくわからなかった。当時は貨幣が共同幻想だとは思っていなかったので、金に裏付けられている金本位制が経済のあるべき姿だと思っていた。なのに、金本位制は歴史の中で習うもので、現実には金本位制ではないのが不思議でならなかった。
本書を読んで、ようやく意味がわかってきた。
本書で、著者の上念司氏が、言いたいことは次のようなことだ。
1) 経済が悪くなると、普段は見向きもされないような思想に人々が飛びつく。
2) ヨーロッパの第二次世界大戦や、大東亜戦争は、そうやって引き起こされた。
3) インフレやデフレは、通貨と需要のバランスが崩れた状態だ。
4) 金の算出量に通貨が制限される。一方で人口増加や生産性工場や技術革新によって、需要は増大する。=>通貨<需要となるが、これはデフレと同じ状況で不況になる。
5) だから金本位制から管理通貨制度に移るべきだ。
6) 金本位制は戦間期の人々は、あるべき経済の姿だ、と当時の人々が信じ切っていた。
7) 第二次世界大戦前には、金本位制に各国が戻り、不況に陥った。=>不況なので、普段は見向きもされないような思想(ナチズムや共産主義)に人々が飛びついた。
乱や戦争の原因は、いろいろあげられる。民族や主義主張や宗教が原因だ、と言われたりする。だが、私は大きな原因は、経済だと思っていた。そこに、もっともらしい理由を付け加えているのが実情だと思う。
第二次世界大戦に至る過程を経済面から素人にもわかりやすく説明した本だと思う。

