Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

致命的なルール適用漏れ!! TAC071『独第5装甲軍の突破』(Clervaux)バトル・レポート(AAR)(1/3)






もともとはSPIのクワドリゲーム『Battles for the Ardennes』の一作だ。

4個のゲームが入り、合わせてキャンペーンゲームもできるお得感あるゲームだ。

その後、3本が『タクテクス』誌の折込ゲームになった。さらにサンセットゲームズが再版したものもある。

 

デザイナーのDaniel S. Paker氏は、Mr. Bulgeとも言うべき方で、後に、HJ『The Last Gamble』や、3W『Hitler's Last Gamble』を、2024年には、『The Last Gamble: The Ardennes Offensive, December 1944 – Designer Signature Edition 』を出版している。

 

今回は『タクテクス』誌第63号 1989年2月号の『サン・ヴィット』(St.Vith)をプレイしてみた。その名の通りサン・ヴィット(St.Vith)をめぐる攻防戦を描いたゲームだ。

 

 

■初期配置

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■第1ターン(1944/12/16 AM)

 このターンのドイツ軍は、[19.21]によると、全ユニットが移動不可能で、架橋不可能だ。米軍は、わずか1ユニットだけ移動可能で、その他の行動可能だ。橋梁爆破が行えない。

 ドイツ軍の方針は、遮二無二西に向かって進むだけだ。

 

 A. 補給確認フェイズは、両軍とも補給下にある。

 B. 空軍フェイズは、『Clervaux』には、空軍が登場しないので、飛ばす。

 C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントは、なしだ。

 C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、ヘクス2220の砲兵が移動態勢になる。

 C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントは、なしだ。

 C. 移動フェイズ-4、移動セグメントは、[19.21]特別ルールで禁止されているので、なし。

 D.戦闘フェイズでは、ドイツ軍は、3ヶ所で戦闘を仕掛ける。

 
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 ヘクス2317からOur川を越えてヘクス2316に、米軍第28歩兵師団第112歩兵連隊(6-3)が後退した。

 ヘクス1915の戦闘は、-/3だ!!

 /の左側が攻撃側の損害、右側が防御側の損害だ。数字の範囲内で、プレイヤーは、後退とステップロスを選択できる。数字米軍第28歩兵師団第110歩兵連隊第1大隊(2-3)は、3ヘクス移動してヘクス1812に後退した。ドイツ軍第2装甲師団第304装甲擲弾兵連隊が渡河成功した。

 Vianden(1417)の戦闘も、-/3だ!!米軍第28歩兵師団第109歩兵連隊第1大隊(2-3)がヘクス1116まで退却した。ドイツ軍第5降下猟兵師団第15連隊(5-5)と第14連隊(4-5)が渡河して、Vianden(1417)を占領した。

 ヘクス1218の戦闘では、1/2だ!!米軍第28歩兵師団第109歩兵連隊第3大隊(2-3)が後退してDiekirch(1216)まで後退した。ドイツ軍第352国民擲弾兵師団第915連隊(3-3)と第916連隊83-3)が渡河した。

 E. 橋梁フェイズはなしだ。

 

 連合軍プレイヤーターンになる。

 

 「ドイツ軍の攻撃です。」

 「クリスマス前に派手なプレゼントだな。」

 「第28歩兵師団第109歩兵連隊の陣地が襲われ、支えきれず同連隊は、Diekirch(1216)周辺に集まりました。」 

 「あの師団は、11月初めのヒュルトゲン森林の戦いで大損害を蒙って、兵力回復中だったな。どうせ敵は、川向こうから一時的に渡河してきただけだろう。」

 「いや。今回は、ちょっと違うような気がします。」

 「ふん。もう敵には、反攻するだけの兵力はないはずだ。安心しろ。ちょっとハデに威力偵察して渡河してきたんだろう。すぐに川の向こうに戻るさ。」

 

 A. 補給確認フェイズは、両軍とも補給下にある。

 C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントに、他にやることのない部隊が、せっせと塹壕を掘る。[13.12]によると、町、都市、[13.13]敵ZOCにいる部隊は、塹壕を掘れない。[13.14]によると、孤立状態、混乱状態、行軍隊形の部隊は、塹壕を掘れないとあるが、砲兵部隊も機甲部隊も塹壕を掘っていいようだ。ヘクス2122、2012、1812、1116、1019、0423に塹壕を掘る。

 C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、移動態勢の砲兵がいないので、なしだ。

 C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントは、Wiltz(1611)にいる第VIII軍団第1128戦闘工兵団(1-3)を行軍隊形に変換する。

 C. 移動フェイズ-4、移動セグメントは、Wiltz(1611)にいる第VIII軍団第1128戦闘工兵団(1-3)がEltelbruck(1115)に前進した。


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 D.戦闘フェイズだ。

 ヘクス0726の戦闘は、+1/-だ。米軍第4歩兵師団第8歩兵連隊(6-3)は、損耗してヘクス0724に後退した。ドイツ軍は戦闘後前進できるが、ここで渡河すると、西方防壁と川によって得られた防御上の特典を失うのでやめておく。

 ヘクス1023の戦闘も+1/-だ。米軍第4歩兵師団第12歩兵連隊(6-3)が損耗してヘクス0822に後退した。ドイツ軍第212国民擲弾兵師団第423連隊(3-3)が戦闘後前進しEcheternach(0923)を占領した。

 E. 橋梁フェイズはなしだ。


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■第2ターン(1944/12/16 PM)

 このターンは、ドイツ軍には、制限がなくなる。米軍は、第1ターンに移動した部隊のみ移動可能だ。他は全く移動できない。橋梁爆破その他の行動は通常通り行える。

 ドイツ軍は、米軍がバカみたいに攻撃をしてきたので、逆襲してEcheternach(0923)を奪った。このターンは自由に行動できるので、渡河できるところから渡河し、架橋して前進する。

 A. 補給確認フェイズは、ドイツ軍で渡河した部隊は、補給線が渡河した川を通すため非補給状態になる。全米軍は補給下にある。

 C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントだ。架橋作業をしたいが、ドイツ軍工兵部隊はまだ川に隣接していないから架橋作業ができない。[12.11]

 C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、アクションなしだ。

 C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントだ。ヘクス2220の砲兵隊が行軍隊形に変換した。

 C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。

 渡河したドイツ軍部隊は、非補給状態だが前進する。さっそくClervaux(1914)を占領した。

 
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 D.戦闘フェイズでは、3ヶ所で戦闘だ。

 ヘクス2316の戦闘は、-/2で、米軍第28歩兵師団第112歩兵連隊(6-3)は、2ヘクス後退しヘクス2214に後退した。ドイツ軍第560歩兵師団が渡河して戦闘後前進した。

 ヘクス1715の戦闘は、-/2だ。米軍第28歩兵師団第110歩兵連隊第3大隊(2-3)がヘクス1813に後退した。

 ヘクス1120の戦闘は、1/-だ。ドイツ軍は、それぞれ1ヘクスずつ後退した。

 

 E. 橋梁フェイズはなしだ。

 

 第2ターン連合軍プレイヤーターンに入る。

 「第4歩兵師団が無謀な攻撃をしてEchternach(0822)を失い、1個連隊相当の損耗を受けました。Clervaux(1914)が陥落しました。」

 「Ramond O. Barton少将め。バカな命令を出しやがって。ユタ海岸に上陸以後、ずっと戦ってきたからって、いい気になっていたな。」

 「敵の攻撃は本気モードです。援軍を呼びましょう。」

 「いやぁ。まだ威力偵察に毛が生えたくらいなものだろう。俺達で何とかできる。現在地を死守せよ。」

 

 A. 補給確認フェイズは、渡河したドイツ軍8部隊が非補給状態だ。米軍は全部隊が補給下だ。

 C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントに、ヘクス2212、2012、1812、1116、1019、0423に塹壕が完成した。

 C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントでは、アクションなし。

 C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントだ。Ettelbruck(1115)の工兵部隊が行軍隊形から戦闘隊形に変換された。

 C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。Ettelbruck(1115)の工兵部隊しか移動できない。ヘクス0815に移動する。

 D.戦闘フェイズだ。なしだ。

 E. 橋梁フェイズだ。

 「破壊できる橋梁は全て破壊せよ」

 「ヘクスサイド0715-0815、1117-1216、1913-1914の爆破に成功しました。」


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■第3ターン(1944/12/17 AM)

 このターンから米軍が自由に移動可能になるし、米軍砲兵が全火力を使用できるようになる。

 ドイツ軍としては、一刻も早く架橋して、前進したいところだ。

 

 A. 補給確認フェイズでは、渡河したドイツ軍8部隊が非補給下だ。米軍は全部隊補給下だ。

 C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントでは、ヘクスサイド0923-1023で架橋作業に入る。

 C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントだ。アクションなしだ。

 C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントだ。ヘクス2119の砲兵隊を戦闘隊形に変換した。

 C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。ドイツ軍は続々と渡河する。ここで一点、ルール上の疑問だ。[5.6]に機甲歩兵(装甲擲弾兵)は、移動時に宣言後、通常の歩兵のように移動できるとある。その場合の移動力は3だ。とすると渡河も可能ということだろうか?機甲歩兵(装甲擲弾兵)は、装甲を持った車両に乗って移動し、下車して戦うのだから、渡河前に下車して、渡河後は、輸送車両が渡河するまでは、単なる歩兵になると思う。だが、ルールには「次ターンの移動や、部隊の戦闘力に対する影響は何ら無い。」とあるから、今回は可能とした。この辺をちゃんとルール化しようと思ったら、下車モードと乗車モードを、ユニットで表現しないといけなくなるだろう。

 
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 D.戦闘フェイズでは、1ヶ所で戦闘だ。

 Beaufort(1120)の戦闘は、1/1だ。米軍第9機甲師団第60機甲歩兵大隊がヘクス1019に後退した。同町をドイツ軍第276国民擲弾兵師団が占領した。

 E. 橋梁フェイズだ。ヘクスサイド0923-1023の橋が完成した。


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 連合軍プレイヤーターンだ。

 「どうやらドイツ軍の攻撃は、本格的な反撃のようだ。北部のSt.Vith方面でも激戦が続いているらしい。」

 「だから言ったじゃないですか。」

 「何?俺に反抗するのか?」

 「いえ。そういうわけでは・・・。で、どうしますか?」

 「それを考えるのが部下の仕事だろう。私は、決裁するだけだ。」

 「敵の戦力が我が軍に比べて大きすぎます。このブログの運営者の研究によると、現時点で、ユニット数で我が軍16に対してドイツ軍は45、ステップ数では20対76、戦闘力では59対176だそうです。」

 「何!?戦闘力でほぼ3倍ではないか・・・。それでは勝てるわけがない。悔しいが、Clerf川まで下がって防衛線を張ろう。」

 「了解しました。」

 

 A. 補給確認フェイズは、渡河したドイツ軍のうちヘクス0824, 0922, 0923以外は非補給下だ。米軍はすべて補給下だ。

 C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントだ。アクションはなしだ。

 C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、なしだ。

 C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントは、Bastogne(1706)にいる第1102戦闘工兵団(1-3)が行軍隊形に変換された。

 C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。このターンから、米軍は、自由に移動可能だ。

 米軍は、Clerf川の線まで後退し防衛線を張ろうとする。

 D.戦闘フェイズでは、戦闘はなしだ。

 E. 橋梁フェイズだ。ヘクスサイド0814-0915、1015-1115の橋を爆破成功した。

 

■第4ターン(1944/12/17 PM)

 ドイツ軍は、非補給状態に苦しんでいる。たった1個しかない工兵部隊を、各地に回して架橋して補給線を維持しないとジリ貧になってしまう。だが、それに関わらず前進して勝利を目指す。

 

 A. 補給確認フェイズだ。ドイツ軍は、[19.25]によると、第6ターンまでは”自動的”に補給下だ。ということは渡河していても問題ないのか!?普通、特別ルールが通常ルールに優先するものだ。ということで、このターンからドイツ軍は、[19.25]が[11.11]に優先すると解釈する。

 C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントのアクションはなしだ。

 C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、ヘクス2219, 2017, 1519, 1520, 1817, 1222, 0926の砲兵隊が移動態勢に変換された。

 C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントでは、ヘクス0926, 1023, 1520の部隊を行軍隊形に変換した。

 C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。ドイツ軍の工兵部隊は、機械化工兵部隊もいて合計2個だということに気づいた。この部隊を早く動かしていたら、もっと早く架橋できたのに・・・。

 
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 D.戦闘フェイズでは、3ヶ所で戦闘が発生した。

 ヘクス0918の戦闘では、-/-だ。

 ヘクスDiekirch(1216)の戦闘は、-/1だ。米軍第28歩兵師団第109歩兵連隊第2大隊(2-3)がヘクス1215に退却した。ドイツ軍が同町を占領した。

 ヘクス1315の戦闘は、-/2だ。米軍第28歩兵師団第109歩兵連隊第1大隊(2-3)がヘクス1213へ後退した。ドイツ軍がClerf川を渡河した。

 E. 橋梁フェイズはなしだ。

 

 連合軍プレイヤーターンだ。

 「ドイツ軍がルールを勘違いしていて、本当は補給下だったのに非補給状態だと思っていたってな。お笑いだぜ。ハッハッハッ。」

 「笑い事ではないです。それでもドイツ軍は、歩兵部隊が中心になってどんどん前進してきていて、我が軍は、抑え切れていないのですから。」

 「このターンに少し援軍がやってくる。大丈夫だ。」

 

 A. 補給確認フェイズは、ドイツ軍は第6ターンまで補給下だ。米軍も全ユニットが補給線を引ける。

 C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントだが、ヘクス1213, 0719, 0622で塹壕を掘る。

 C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントだ。ヘクス0821の砲兵隊が移動態勢に変換された。

 C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントだ。ヘクス1212が行軍隊形から戦闘隊形に変換された。増援部隊を行軍隊形に変換する。

 C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。増援部隊を中央に送り込みたいが、橋梁を自軍が破壊したことが仇となって、遠回りすることになってしまった。

 D.戦闘フェイズでは、戦闘はなしだ。

 E. 橋梁フェイズに、米軍は、ヘクスサイド1115-1116の橋を爆破した。


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 つづく