
もともとはSPIのクワドリゲーム『Battles for the Ardennes』の一作だ。
4個のゲームが入り、合わせてキャンペーンゲームもできるお得感あるゲームだ。
その後、3本が『タクテクス』誌の折込ゲームになった。さらにサンセットゲームズが再版したものもある。
デザイナーのDaniel S. Paker氏は、Mr. Bulgeとも言うべき方で、後に、HJ『The Last Gamble』や、3W『Hitler's Last Gamble』を、2024年には、『The Last Gamble: The Ardennes Offensive, December 1944 – Designer Signature Edition 』を出版している。
今回は『タクテクス』誌第77号 1990年4月号の『ミューズ河前面の死闘』(Celles)をプレイしてみた。
■初期配置

■第16ターン(1944/12/23 PM)
勝利条件は、補給状態にある独軍機械化部隊が3個以上、ミューズ河を渡河して西または北岸にある、と独軍のサドンデス勝利だ。
それが達成できなかったら、独軍占領下の町と都市を合計して勝敗を決する。
ミューズ河渡河を目指すなら、北に向かうか西に向かうかだ。北の方が近いように見えるが、Durbuy(1020)周辺に米軍第75歩兵師団、Huy(1815)周辺に米軍第2機甲師団が集結している。西はわずか5ユニットだが距離がある。
ここは、西に主力を向けて、北は、主力の援護にする。
登場部隊は、独軍21個、連合軍37個(うち米軍25個、英軍12個)で、合計58個だけだ。
特に独軍は戦線を作るほどのユニット数がないので、一気に突破してサドンデス勝利を狙うのが最適解だと思う。
A. 補給確認フェイズは、両軍とも補給下にある。
B. 空軍フェイズは、ドイツ軍には空軍がないので飛ばす。[20.24]
C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントは、なしだ。
C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、なしだ。
C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントは、なしだ。
C. 移動フェイズ-4、移動セグメントは、第2層公司団と装甲教導師団でRochefort(0215)を包囲する。
D.戦闘フェイズでは、ドイツ軍は、1ヶ所で戦闘を仕掛ける。
Rochefort(0215)の戦闘はengだ。米軍第84歩兵師団第335歩兵連隊(6-3)と独軍装甲教導師団第902装甲擲弾兵連隊(4-5)が損耗した。
E. 橋梁フェイズはなしだ。
連合軍プレイヤーターンになる。
A. 補給確認フェイズは、Rochefort(0215)が非補給状態だが、それ以外は両軍とも補給下にある。
B.空軍フェイズでは、米軍がヘクス0214に対して航空阻止攻撃をする。dr2で混乱状態になった。
C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントだ。アクションなしだ。
C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、アクションなしだ。
C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントは、第2機甲師団を行軍隊形に変換した。
C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。米軍は、ドイツ軍をなるべく地図南東部に押し込めるようにする。
D.戦闘フェイズはなしだ。
E. 橋梁フェイズはなしだ。

■第17ターン(1944/12/24 AM)
ドイツ軍は、Rochefort(0215)をこのターンには奪ってしまいたい。米軍の航空阻止で混乱状態にされた装甲教導師団偵察旅団(5-7)が移動も攻撃も実施できないのが痛い。
A. 補給確認フェイズは、Rochefort(0215)の米軍が非補給状態だ。それ以外は、全て補給下にある。独軍の補給欠乏[20.22]のdr6で第9装甲師団が非補給となった。どこにいるかと思ったら、選択バリエーション設定の場合[20.4]のみ登場する部隊だった。今回、それらの部隊はいないので、影響なしだ。
C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントはなしだ。
C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、アクションなしだ。
C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントは、アクションなしだ。
C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。

D.戦闘フェイズでは、1ヶ所で戦闘だ。
Rochefort(0215)の戦闘では、米軍第84歩兵師団第335歩兵連隊(6-3)が潰滅した。
同町を占領して独軍装甲教導師団と第2装甲師団は道を急ぐ。
E. 橋梁フェイズはなしだ。

第2ターン連合軍プレイヤーターンに入る。
A. 補給確認フェイズは、全部隊が補給下だ。
B. 空軍フェイズは、ヘクス0314の装甲教導師団先鋒に航空阻止攻撃だ。dr1で混乱状態だ!!装甲教導師団の2個連隊が次ターン、移動・攻撃不可だ。
C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントに、ヘクス0724、0920に塹壕を掘る。
C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントでは、アクションなし。
C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントだ。前ターンに行軍隊形だった部隊3個を戦闘隊形に変換する。
C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。米軍は、独軍が北に向かえないよう、徐々に戦線を張る。

D.戦闘フェイズだ。1ヶ所で戦闘だ。
ヘクス0418の戦闘は、-/-で両軍戦果なしだ。
E. 橋梁フェイズは、アクションなしだ。
■第18ターン(1944/12/24 PM)
前のターンから道路が凍結しており、移動力が一部の地形で減少する。
A. 補給確認フェイズでは、独軍の補給欠乏[20.22]のdr5で総統護衛装甲旅団(Fuh Bglt)と第10FB装甲師団が非補給となった。これらも選択バリエーション設定[20.4]の場合に登場する部隊で影響なしだ。
C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントでは、ヘクスサイド0422-0423で架橋作業に入る。
C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントだ。アクションなしだ。
C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントだ。アクションなしだ。
C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。増援の砲兵部隊(●-1-2)はヘクス0528に登場する。そこは、米軍工兵連隊(1-3)のZOCだ。
独軍第2装甲師団と装甲教導師団偵察旅団(5-7)は、Celles(0510)方面に進撃する。

D.戦闘フェイズでは、2ヶ所で戦闘だ。
ヘクス0310の戦闘は、1/Eだ。米軍第629駆逐戦車大隊(2-6)が全滅した。装甲教導師団偵察旅団(5-7)が損耗した。ドイツ軍はCelles(0610)を占領した。
ヘクス0627の戦闘は、-/Eだ。米軍第VIII軍団第1102戦闘工兵団(1-3)が全滅した。
E. 橋梁フェイズだ。ヘクスサイド0422-0423の橋が完成した。

連合軍プレイヤーターンだ。
A. 補給確認フェイズは、全部隊補給下だ。
B. 空軍フェイズでは、ヘクス0208の第2装甲師団に航空阻止攻撃をする。dr5で影響なしだ。
C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントだ。ヘクス0724と0920に塹壕が完成した。
C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、なしだ。
C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントは、なしだ。
C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。
D.戦闘フェイズでは、戦闘はヘクス0418の一ヶ所で、-/-だ。
E. 橋梁フェイズだ。なしだ。

■第19ターン(1944/12/25 AM)
独軍第2装甲師団がミューズ河に渡河まであと少しだ。
A. 補給確認フェイズだ。全部隊が補給下だ。独軍の補給欠乏[20.22]のdr5で総統護衛装甲旅団(Fuh Bglt)と第10FB装甲師団が非補給となった。これらも選択バリエーション設定[20.4]の場合に登場する部隊で影響なしだ。
C. 移動フェイズ-1、橋梁・塹壕構築セグメントにヘクスサイド0422-0523に架橋する。
C. 移動フェイズ-2、砲撃態勢変換セグメントは、ヘクス0528で砲撃態勢に入る。
C. 移動フェイズ-3、行軍隊形変換セグメントでは、なしだ。
C. 移動フェイズ-4、移動セグメントだ。独軍第2装甲師団が、ミューズ河をヘクスサイド0405-0505で渡河した!!
次の連合軍プレイヤーターンの補給確認フェイズで補給状態なら、その時点でサドンデス勝利が確定する。独軍がGivet(0106)も占領した。

D.戦闘フェイズでは、1ヶ所で戦闘が発生した。
Manhay(0826)の戦闘では、-/Eだ。米軍第509空挺連隊(2-3)が潰滅し同町が陥落した。
E. 橋梁フェイズは、ヘクスサイド0422-0523に橋梁が完成した。なしだ。
連合軍プレイヤーターンだ。
A. 補給確認フェイズに、ミューズ河を渡河した独軍第2装甲師団に補給線が通じているので、、独軍のサドンデス勝利だ!!
■勝利条件の確認
[20.31]より、第19ターン連合軍プレイヤーターンの捕球確認フェイズで、捕球状態にある独軍機械化部隊が3個、ミューズ河を渡河して西岸にあるので、独軍の戦略的勝利だ。
この後も続けたらわからないが、現時点では、独軍は5ヶ所の町を占領しているので、独軍限定的勝利だ。
■感想
このゲームも面白かった。
連合軍としては、英軍が動きだす前に、独軍にミューズ河を渡河されてしまったのは誤算だった。ミューズ河西岸は、距離があるだけにまだ何とかなると思ったのだが・・・。航空阻止攻撃も成功していたので、何とかなると思ったが、独軍はワンチャンスをものにした。米軍をもう少し西にも振り向ければよかった。
独軍としては、ミューズ河西岸目指して遮二無二突き進んだのが成功した。
バルジの戦いは、状況によって、激戦地が変わってくる。今回は、地図盤西部が主戦場になったが、独軍の作戦次第では、地図盤東部や地図盤中央が主戦場になるだろう。それぞれ別なゲームのような様相を呈するだろう。そうなると、毎回、違った展開になるので、バルジの戦いは、とても面白い。
このゲームは、サンセットゲームズなどから再版されている。マップの色合いは、サンセットゲームズ版が美しい。タクテクス版は、森の緑や荒地の黄色が濃いので、新緑か晩秋の季節のように見える。とても雪のアルデンヌの戦いに見えない。ただプレイするには、サンセットゲームズ版だと米軍ユニットとマップの色合いが近いので、保護色のようになってしまい、ユニットを見落とすことがある。タクテクス版だと保護色にならない。プレイのしやすさではタクテクス版に軍配が上がるが、冬の戦いの雰囲気を体感するにはサンセットゲームズ版に軍配が上がる。ここは好みの問題だと思う。
ゲームとしてはマップ・サイズ、ユニット数、ルール数は、全体を見渡せて考える範囲も適度で、個人的にはこのくらいがちょうどいいと思う。