Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

クラ湾夜戦シナリオを自作してみた SS『聯合艦隊』(Fleet Battles)自作シナリオ「クラ湾夜戦 1943年7月5日 2351」


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福田誠『第二次大戦 海戦事典1939~45』(光栄)(1998/09/16)や
別冊宝島2042『ビジュアル図解 連合艦隊全作戦記録』(2013/08/16)を元に「クラ湾夜戦」シナリオをSS『聯合艦隊』(Fleet Battles)用に自作してみた。

昭和18年(1943)7月5日から6日にけて、コロンバンガラ島近くのブラケット水道からクラ湾近くで起こった水上戦だ。

コロンバンガラ島ニュージョージア島への輸送中に発生した夜戦だった。

 

目次

 

【0】シナリオ

1)背景

 昭和18年(1943)6月30日、ニュージョージア島ムンダ飛行場の対岸、レンドバ島に米軍が上陸した。米軍に同島を占領された。

7月3日、レンドバ島からムンダ基地に対して米軍が砲撃を開始した。

7月4日から7月5日にかけてコロンバンガラ島に2,600名を輸送するために第22駆逐隊の新月、長月、皐月、夕凪の4隻が出撃し、米軍軽巡4隻、駆逐艦4隻(「ラルフ・タルボット」、「シャバリア」、「ニコラス」、「ストロング」)と遭遇し、「ストロング」を撃沈したが、揚陸を断念し帰投した。(クラ湾海戦)

7月5日、ニュージョージア島のムンダ東方海岸に米軍が上陸した。

第三水雷戦隊司令官:秋山輝男少将は、2,400名の兵員と180tの物資を輸送するために、出撃した。駆逐艦新月」「涼風」「谷風」「天霧」「初雪」「長月」「皐月」だった。他に輸送駆逐艦として「望月」「三日月」「浜風」がいたが、2200時に分派しており、海戦には参加しなかった。

7月5日2305時、コロンバンガラ島ニュージョージア島の間にあるクラ湾を通過中に「新月」のレーダーが5,000m先に米艦隊を探知した。米軍艦隊はウォーデン・エインスワース少将率いる第18任務部隊だった。軽巡「ホノルル」「ヘレナ」「セントルイス」、駆逐艦「ニコラス」「ジェンキンス」「オバノン」「ラドフォード」だった。

2336時 「ヘレナ」のレーダーが「新月」を探知した。

2348時 「新月」が米軽巡3隻、駆逐艦2隻を発見

2352時 秋山少将が全艦集結を命じた。

2357時 米艦隊がレーダー射撃を開始した。

 

2)マップ

 マップは、縦3枚、横3枚をxx01を上にして並べる。左上から横にA=>B=>C、2行目がD=>E=>F、3行目がG=>H=>Iとする。左下のマップGはコロンバンガラ島のため進入できない。

 

3)日本軍

 日本軍は次の通り

  水雷戦隊旗艦  「新月秋月型a 速力5 ヘクスH-0503 方向1

  次席駆逐隊旗艦 「涼風」白露型a 速力5 ヘクスH-0504 方向1

          「谷風」陽炎型a 速力5 ヘクスH-0505 方向1

 

  駆逐隊旗艦   「天霧」吹雪型a 速力5 ヘクスH-0309 方向4

  次席駆逐隊旗艦 「初雪」吹雪型a 速力5 ヘクスH-0308 方向4

          「長月」睦月型b 速力5 ヘクスH-0307 方向4

          「皐月」睦月型b 速力5 ヘクスH-0306 方向4

  PL=20

  「天霧」「初雪」「長月」「皐月」は次発装填魚雷を積んでいないものとする。

 

4)アメリカ軍

 アメリカ軍は次の通り

         「ニコラス」フレッチャー級a 速力4 ヘクスH-1601 方向6

         「オバノン」フレッチャー級a 速力4 ヘクスI-0102 方向6

  艦隊旗艦   軽巡「ホノルル」速力4 ヘクスI-0202 方向6

  次席艦隊旗艦 軽巡「ヘレナ」 速力4 ヘクスI-0303 方向6

         軽巡セントルイス」速力4 ヘクスI-0403 方向6

        「ジェンキンスフレッチャー級a 速力4 ヘクスI-0504 方向6

        「ラドフォード」フレッチャー級a 速力4 ヘクスI-0604 方向6

  

  PL=20

  アメリカ軍は全艦がSGレーダーを装備しているものとする。

 

5)ゲームの長さ

 10ターン、または一方の軍が勝利条件を満たしたターン終了時まで

 

6)基本視界

 夜戦:6ヘクス

 

7)勝利条件

 両軍とも自軍のPLが0になる前に相手軍のPLを0にすると勝利する。

8)特別ルール

 (1)当時の米軍によるレーダー射撃は一番近い目標に集中砲撃するものだった。そのため、レーダーによる射撃の場合、一番近い目標しか砲撃できない。

 

9)戦いの結果

 米軍のレーダー射撃は最も近い目標だった「新月」に集中し、日本軍は「新月」を失った。その際、第三水雷戦隊の幕僚全員が戦死した。7月6日0004時、軽巡「ヘレナ」に魚雷が命中し沈没した。日本軍は揚陸作業中の「長月」が座礁してその後の米攻撃機の空襲で沈没した。揚陸も成功し、日本軍にまだまだ水上戦で勝つ力があることを示した戦いだった。

 なお本海戦の米軍呼称は「クラ湾海戦」であり、7月4日の日本名「クラ湾海戦」については米軍側には名称がないようだ。