SS『聯合艦隊』(Fleet Battles)シナリオ18をプレイしてみた。
コロンバンガラ島に向け九州第六師団940名と物資90tを、「萩風」「嵐」「江風」が輸送し、「時雨」がその護衛についた。
米運ムースブルーガー中佐指揮する米軍はレーダーによって、先に日本軍を探知し駆逐艦6隻で忍び寄って雷撃を加えた。
- ■ターン数
- ■勝利条件
- 【0】初期配置
- 【1】第1ターン(1943/08/06 2130)
- 【2】第2ターン(1943/08/06 2136)
- 【3】第3ターン(1943/08/06 2142)
- 【4】勝利条件の確認
- 【5】感想
■ターン数
ターン数は6ターンまたは一方が勝利条件を満たすまでだ。
■勝利条件
勝利条件は、日本軍は米軍のPLを0以下にしない、または自軍のPLを0以下にしない。米軍は自軍のPLが0以下になる前に日本軍のPLを-8以下にする。
史実では、米軍の一人勝ちになったが、今回はどうなるだろうか?
【0】初期配置
基本視界は6ヘクスだ。
【1】第1ターン(1943/08/06 2130)
シナリオカードでは、「ベラ海夜戦」と記載されているが、「ベラ湾夜戦」が正しいようだ。
「静かな海ですなぁ~。敵艦隊は今日は出て来んかなぁ~」と先頭の「萩風」艦橋で杉浦嘉十大佐がつぶやく。
「だといいですが・・・」双眼鏡で海面を見つめながら一人が答える。
「そろそろ日本軍と遭遇するはずだ。レーダーでよく見張れよ。見つけ次第接近して雷撃するぞ。」と駆逐艦「ダンラップ」艦橋ではムースブラッガー中佐が部下に話す。
「了解!」と強い声色で部下が答える。
「レーダーに反応。単縦陣で2隻が接近してきます。距離15,000m(15ヘクス)。9時の方向。」
「ダンラップ」「クレイブン」「モーリー」の第15駆逐隊の3隻の駆逐艦がほぼ同時に日本軍駆逐艦をレーダーで発見した。
「よし。接近して雷撃する。第15駆逐隊は針路を真北にとれ。第12駆逐隊にも連絡しろ。」ムースブラッガー中佐が指示を出す。
米軍は日本軍を挟む形に移動する。
「敵艦隊は4隻です。単縦陣です。」
レーダー観測員からの報告がムースブラッガー中佐の元に届く。
「総員戦闘配置。砲雷撃戦用意!」とムースブラッガー中佐が命令する。
日本軍PL16
米軍PL12
【2】第2ターン(1943/08/06 2136)
米軍の存在に気づかない日本軍は直進する。
「先頭が8000m(8ヘクス)まで近づいてきました。」レーダー員が報告を上げる。
「魚雷発射準備完了。命令があればいつでも発射できます。」魚雷の準備状況の報告が艦橋に上がってきた。
「まだまだだ。砲撃すると砲煙を敵に見られてしまうから、まずは雷撃だぞ。」とムースブラッガー中佐が皆に言う。
米軍はレーダーで日本軍を視認しているので砲撃可能だが、視認距離より1ヘクス遠い所からアウトレンジで雷撃する戦術をとるつもりだ。
「敵艦隊との距離7000m(7ヘクス)。敵は全く気づいていません。」とレーダー員が報告する。
「よし。魚雷発射!!」ムースブラッガー中佐からの命令が出た。
先頭の「ダンラップ」(DD384)は1938年7月7日に就役し、基準排水量1488T、全長104.04m、49,000馬力で36.5ノット。兵装は12.7cm砲単装5門、53.3cm魚雷4連装3基12門だ。
「ダンラップ」が日本軍最後尾の「時雨」を雷撃する。
「ダンラップ」=>「時雨」
艦速係数4
射程距離7ヘクス
発射魚雷8本
基本命中魚雷数5
雷撃命中判定dr1+1(レーダー)+2(米海軍)=4
1本命中
雷撃損害判定dr1+2(米海軍魚雷)=3
3P
追加打撃dr2,4,4発生なし
「左舷に雷跡!!」駆逐艦「時雨」の見張り員が叫んだ。
「何!?」艦長が答えた瞬間、艦体に大きな振動が来た。
「敵はどこだ?どこから発射してきたのだ?」と見張り員にきくが、「敵はどこにも見当たりません。」と見張り員が答える。
二番艦の「クレイブン」(DD382)は1937年9月2日に就役し、基準排水量1590T、全長103.89m、50,000馬力で38.5ノット。兵装は12.7cm砲単装4門、53.3cm魚雷4連装4基16門だ。
「クレイブン」が「江風」を雷撃する。
「クレイブン」=>「江風」
艦速係数4
射程距離7ヘクス
発射魚雷8本
基本命中魚雷数5
雷撃命中判定dr2+1(レーダー)+2(米海軍)=5
1本命中
雷撃損害判定dr1+2(米海軍魚雷)=3
3P
追加打撃dr5,3,3発生
弾薬庫浸水(MH)
1W追加
「左舷に雷跡!!」駆逐艦「江風」の見張り員が叫んだ。
叫んだ時にはもう遅かった。「江風」に魚雷が命中し激しい爆発音とともに艦体が大きく揺れた。
「弾薬庫浸水です!!」と報告が艦橋に上がった。
三番艦の「モーリー」(DD401)は1938年8月5日に就役し、基準排水量1590T、全長103.89m、50,000馬力で38.5ノット。兵装は12.7cm砲単装4門、53.3cm魚雷4連装4基16門だ。
シナリオカードではBenham級となっているが、M.J.ホイットレー『第二次大戦駆逐艦総覧』大日本絵画(2000/02)では、「クラーブン」と同じでグリッドレイ級となっている。
ここではユニットは「Benham1」を使うが、Craven級として扱う。
「モーリー」が「嵐」を雷撃する。
「モーリー」=>「嵐」
艦速係数4
射程距離7ヘクス
発射魚雷8本
基本命中魚雷数5
雷撃命中判定dr1+1(レーダー)+2(米海軍)=4
1本命中
雷撃損害判定dr1+2(米海軍魚雷)=3
3P
追加打撃dr4,4,5発生
電路切断(EJ)
缶室浸水(KS)
船体切断(HC1)
「左舷に雷跡!!」駆逐艦「江風」の見張り員が叫んだ。
叫んだ時にはもう遅かった。「江風」に魚雷が命中し激しい爆発音とともに艦体が大きく揺れた。
「電路切断!砲撃不能です。」
「缶室に浸水です。」と報告が上がったと思ったら、激しい爆発が発生し、艦体が真っ二つに裂けみるみる波間に沈んでいく。
「総員退艦」艦長が叫ぶ。
「陽炎」級16番艦の「嵐」は1941年1月27日に就役し、基準排水量2000T、全長118.5m、52,000馬力で35ノット。兵装は12.7cm砲連装3基6門、61cm魚雷4連装2基8門だ。
あっという間に波間に沈んでいった。
第12駆逐隊の旗艦「ラング」が「萩風」を雷撃する。
「ラング」(DD399)は「「ベンハム」級3番艦で1939年5月26日に就役し、基準排水量1637T、全長103.86m、50,000馬力で38.5ノット。兵装は12.7cm砲単装4門、53.3cm魚雷4連装2基8門だ。M.J.ホイットレー『第二次大戦駆逐艦総覧』大日本絵画(2000/02)では、魚雷発射管4連装4機16門とあるが、図を見ると4連装2基8門だ。
「ラング」=>「萩風」
艦速係数4
射程距離7ヘクス
発射魚雷4本
基本命中魚雷数3
雷撃命中判定dr6+1(レーダー)+2(米海軍)=9
はずれ
「ステレット」(DD407)は「「ベンハム」級9番艦だ。「萩風」を雷撃する。
「ステレット」=>「萩風」
艦速係数4
射程距離7ヘクス
発射魚雷4本
基本命中魚雷数3
雷撃命中判定dr2+1(レーダー)+2(米海軍)=5
はずれ
日本軍PL-1
米軍PL12
【3】第3ターン(1943/08/06 2142)
日本軍は雷撃を受けたがまだどこに米軍がいるかわかっていない。
「萩風」は20ノット(移動力4)のまま前進するが、「江風」「時雨」は速度が10ノット(移動力2)まで下がっている。
「敵1番艦が3時の方向5,000m(5ヘクス)」
「よし。一斉射撃だ。」
第12駆逐隊の3隻「ラング」「ステレット」「スタック」が「萩風」を砲撃する。
照明弾が「萩風」の近くで光った。
「ラング」=>「萩風」
距離5ヘクス(5000m)=中距離
DR5
1Hit
「ステレット」=>「萩風」
距離5ヘクス(5000m)=中距離
DR3+集中砲撃の2隻目+2=5
1Hit
「スタック」=>「萩風」
距離5ヘクス(5000m)=中距離
DR7+集中砲撃の3隻目+4=11
はずれ
3x1Hit+3x1Hit=6
6対5=>1対1
艦種影響判定1Rで2対1
砲撃損害判定のDR4
2W
追加打撃のdr5,5発生
方位盤破壊(FH)
弾薬庫命中(MG)
沈没!!
「萩風」の弾薬庫に命中した。大音響と大きな火柱が上がる。爆発音が何度も聞こえた。3回目の大爆発音が聞こえた後、「萩風」の姿は見えなくなった。
続けて、第15駆逐隊の「ダンラップ」と「クレイブン」が「時雨」を砲撃する。
「ダンラップ」=>「時雨」
距離7ヘクス(7000m)=中距離
DR6+2(レーダー射撃)=8
1/2Hit
「クレイブン」=>「時雨」
距離7ヘクス(7000m)=中距離
DR5+2(レーダー射撃)+2(集中砲撃の2隻目)=9
1/2Hit
3x1/2Hit+3x1/2Hit=3
3対5=>1対2
艦種影響判定1Rで1対1
砲撃損害判定のDR3
2W
追加打撃のdr2,5発生
機関室浸水EH1
航行不能
爆発音とともに機関室に海水が一気に入ってきた。
「機関停止。航行不能です。」と報告が上がった。
「モーリー」が「江風」を砲撃する。
「モーリー」=>「江風」
距離7ヘクス(7000m)=中距離
DR5+2(レーダー射撃)=7
1/2Hit
3x1/2Hit=1.5=1
1対5
艦種影響判定1Rで1対4
砲撃損害判定のDR4
W
追加打撃のdr5発生
追加打撃のDR3-1=2
弾薬庫命中MG
沈没
大音響とともに花火のような爆発が発生した。
何回か爆発して「江風」も波間に沈んだ。
これで「萩風」「嵐」「江風」が沈んだ。
残ったのは航行不能の「時雨」だけだ。
日本軍の敗北は確定だ。
「時雨」では「敵一番艦を砲撃だ。探照灯照射!!嵐、江風、時雨の仇を討つぞ。」と艦長が叫ぶ。
「時雨」が「ダンラップ」を砲撃する。
「時雨」=>「ダンラップ」
距離7ヘクス(7000m)=中距離
DR6-2(被照射艦)=4
1Hit
3x1/2x1Hit=1.5=1
1対5
艦種影響判定1Rで1対4
砲撃損害判定のDR7
効果なし
「ダンラップ」の周囲に水柱が上がるが、効果ないようだ。
「目標敵1番艦。魚雷発射。」と「時雨」艦長が命令する。
日頃の猛訓練の賜で、あっという間に魚雷が発射され一直線に「ダンラップ」に向かっていく。
「時雨」が「ダンラップ」に雷撃する。
「時雨」=>「ダンラップ」
艦速係数4
射程距離7ヘクス
発射魚雷8本
基本命中魚雷数5
雷撃命中判定dr1
2本命中
雷撃損害のdr3と2
3Pと3P
沈没
8本の魚雷のうち2本が「ダンラップ」に命中し轟沈した。
ムースブラッガー中佐も海の放り出された。
勝利条件上は日本軍の負けが確定しているが、このまま続けることにする。
米軍が日本軍に接近する。
「時雨」が「クレイブン」を砲撃する。
「時雨」=>「クレイブン」
距離4ヘクス(4000m)=近距離
DR12
1/2Hit
3x1/2x1/2Hit=0.75=0
効果なし
「クレイブン」の周囲に水柱が上がるが、効果ないようだ。
第15駆逐隊の「クレイブン」と「モーリー」が「時雨」を砲撃する。
「クレイブン」=>「時雨」
距離4ヘクス(4000m)=近距離
DR3-2(艦速0)=1
2Hits
「モーリー」=>「時雨」
距離5ヘクス(5000m)=中距離
DR6+2(集中砲撃の2隻目)-2(艦速0)=6
1Hit
3x2Hit+3x1Hit=9
9対5=>1対1
艦種影響判定1Rで2対1
砲撃損害判定のDR5
W
追加打撃のdr1発生しない
「時雨」の上部構造物に砲弾が雨あられと降ってくる。
第12駆逐隊の「ラング」と「ステレット」が「時雨」を砲撃する。
「ラング」=>「時雨」
距離6ヘクス(6000m)=中距離
DR8-2(艦速0)=6
1Hit
「ステレット」=>「時雨」
距離7ヘクス(7000m)=中距離
DR7+2(集中砲撃の2隻目)-2(艦速0)=7
1/2Hit
3x1Hit+3x1/2Hit=4
4対5=>1対2
艦種影響判定1Rで1対1
砲撃損害判定のDR5
W
追加打撃のdr3発生しない
「時雨」に砲弾が雨あられと降ってくる。
「砲塔が全門使用不能です。」と艦橋に報告が上がってきた。
「敵の砲撃が止まったな」と第12駆逐隊の旗艦「ラング」艦橋で艦長が双眼鏡を目に当てながら話した。
「とどめを刺しますか」と副官が言う。
「ああ。ジャップを全滅させろ」と艦長が指示する。
「クレイブン」と「モーリー」が「時雨」に右舷を向けた。右舷の魚雷発射管にはまだ魚雷が残っている。
「クレイブン」が「時雨」を雷撃する。
「クレイブン」=>「時雨」
艦速係数1
射程距離3ヘクス
発射魚雷8本
基本命中魚雷数9
雷撃命中判定dr3+2(米軍魚雷)=5
1本命中
雷撃損害のdr6+2(米軍魚雷)
効果なし
効果なしだ。
「モーリー」が「時雨」を雷撃する。
「モーリー」=>「時雨」
艦速係数1
射程距離3ヘクス
発射魚雷8本
基本命中魚雷数9
雷撃命中判定dr3+2(米軍魚雷)=5
1本命中
雷撃損害のdr3+2(米軍魚雷)=5
2P
5Pに達したので「時雨」沈没
魚雷が1本命中し、大爆発とともに「時雨」も沈んだ。
この後、米軍は沈没した「ダンラップ」の乗員救助に当たった。ムースブラッガー中佐も救助され、部下達を褒め称えた。
日本軍PL-24
米軍PL2
【4】勝利条件の確認
■米軍の損害
沈没1「ダンラップ」
■日本軍の損害
沈没4「萩風」「嵐」「江風」「時雨」
■米軍の保護水準値=2
■日本軍の保護水準値=-24
米軍のPLが0にならずに日本軍のPLを-8以下にしたため、米軍の勝利だ。
【5】感想
史実では日本軍は「萩風」「嵐」「江風」を失い、米軍は損害なしだった。
今回は、日本軍は全滅したが、「ダンラップ」を沈めて一矢を報いた。
米軍の完勝と言えるだろう。
米軍のレーダーが効果を上げた。先に発見し有利な態勢に持ち込み、魚雷攻撃をしたのが成功だった。魚雷攻撃のため日本軍は米軍がどこから魚雷を発射したのかわからないまま被害を受けた。
次は「第一次ベララベラ海戦」シナリオを自作してプレイしたい。