TACTICS第13号(1984/1/1)を読んでみた。表紙は、ホビージャパン『太平洋艦隊』(Pacific Fleet)のボックス・アート。特集は「大機動戦ー騎兵から戦車までー」。付録ゲームはなし。
- 巻頭記事
- 特集「大機動戦」
- March on Burma ビルマへの進撃 <HJ>ビルマ作戦ゲーム・ヒストリカルノート 石川輝
- 大包囲撃滅作戦 <GDW>”白ロシア大作戦”ヒストリカルノート 古志啓
- 大戦略:南北戦争(後篇)ーアメリカの運命を決めた内乱ー 松田豊
- オリジンズ・トーナメント・シナリオ <AH>電撃ドイツ戦車隊 ジェネラル誌19巻5号より 田中勇樹/訳
- 内外ゲームガイド
- 太平洋の水上戦
- 大陸軍の光と影
- 読者のページ
- 広告
- AH 『ワーテルロー』(Waterloo)の完全完訳
巻頭記事
巻頭記事は「ソロプレイ」。「もしゲーマーがテーマに惹かれてゲームを選ぶのだとするなら、そのゲームの分析をすることでプレイに劣らぬ楽しさを味わうことができ、ソロプレイはその分析方法の一つ」「様々なルールや数値の意味を把握しながらゲームの流れを追うことによって、ゲームのテーマとなっている事柄に関して新しい視点からの知識を得ることができるのである。」という点に共感する。
特集「大機動戦」
特集は「大機動戦」なので、ドイツ軍による電撃戦か日本軍によるマレー半島電撃戦かと思いきや、いきなりAH 『戦争と平和』(War And Peace)のリプレイとAH 『英雄ナポレオン』(Napoleon)の機動戦略の2本の記事なのは驚いた。前者は、フランス軍藤川俊一(20歳)、プロシア・ロシア小竹康文(20歳)、オーストリア鈴木利明(20歳)という年齢に驚いた。皆さん若い!「こういう若者達が『タクテクス』誌を作っていたのだなぁ。」と思うと感慨深いものだ。個人的にはナポレオニック・ゲームは興味がなくプレイしたことはないが、『英雄ナポレオン』(Napoleon)の記事は面白かった。このゲームが積み木ゲームであり、積み木の向きで戦力が変わること、ヘクス形式でないことがわかった。そしてこのゲームでの定跡がよくわかった。ナポレオニック・ゲームは興味がなかったが、この記事の通り、積み木を並べてみたいと思った。
March on Burma ビルマへの進撃 <HJ>ビルマ作戦ゲーム・ヒストリカルノート 石川輝
ホビージャパンから発売予定の『快進撃!マレー・ビルマ作戦』のヒストリカル・ノート。ビルマ作戦はマレー半島・シンガポール作戦に比べて地味な扱いのため詳細を知らないことが多いが、この記事で概要がよくわかる。地図中の地名と記事中の地名に若干の差異があるのだけが残念。
大包囲撃滅作戦 <GDW>”白ロシア大作戦”ヒストリカルノート 古志啓
このヒストリカルノートも、図と説明が簡潔でよくわかる。ドイツ軍がソ連軍の物量に押しつぶされていったことがよくわかる。
大戦略:南北戦争(後篇)ーアメリカの運命を決めた内乱ー 松田豊
急に駆け足になってしまいわかりにくくなってしまった。前号の記事が面白かっただけに残念だった。前篇、後篇ではなく、1年=6号くらいかけた連載にしたらよかった。
オリジンズ・トーナメント・シナリオ <AH>電撃ドイツ戦車隊 ジェネラル誌19巻5号より 田中勇樹/訳
シナリオ4個。これはぜひやってみたい。次号で解説が出る予定。
内外ゲームガイド
内外ゲームガイド 『アンツィオ上陸作戦』(ANZIO)は、勝利条件やゲームターンが相手も自分も不明とのことだが、リアリティがあっていい、と思った。
太平洋の水上戦
連載の『太平洋の水上戦』が第3次ソロモン海戦で最終回。連載終了が残念。
大陸軍の光と影
連載の『大陸軍その光と影』はいよいよワーテルロー。ナポレオンがエルバ島を脱出しパリに向かう。続々とナポレオンのもとに集まる兵士達。当時のフランス政府を裏切りナポレオンに味方する兵士達。その興奮ぶりがよくわかる。源頼朝が千葉から鎌倉に向かったとき、足利尊氏が九州に下り京都を目指したときは、こんな感じで兵達が集まったのだろうな、と思った。
読者のページ
読者のページにある会誌、会報、同人誌のページもあるが、いずれも手書きなのが、今見ると逆に斬新。
広告
『戦闘指揮官』(Squad Leader)シリーズの「シナリオ100,200が入荷した」、という記事もある。1,800円で、送料200円。数は少ないのでお早めに、とのこと。今持っていたらオークション・サイトでいくらで売れるのかなぁ。
AH 『ワーテルロー』(Waterloo)の完全完訳
AH 『ワーテルロー』(Waterloo)の完全完訳版がこの号には掲載されている。本来なら第2版解説書となるものだが、『タクテクス』誌掲載となった、とのこと。このゲームの販売本数だと、第2版解説書を印刷したら元が取れないと判断したのだろう。現在だったら、ウェブにエラッタを公開して済むのだろうが、当時は大変だったのだなぁ。