Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第75号(1990/2/1)


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タクテクス』(TACTICS)第75号(1990/2/1)を読んでみた。

特集は「太平洋戦争/初心者入門」

 

付録ゲームは<HJオリジナル>の『キエフ攻防戦』ゲームデザインはあの山﨑雅弘氏だ。

表紙は、『太平洋戦争』と『ターニングポイント:スターリングラード』(Turning point Stalinglad)。

 

目次は次の通り


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いよいよ、月刊『タクテクス』誌もあと2号。

 

p.4 ”太平洋戦争”リプレイーガダルカナル・シナリオー 桜井真一

広げる場所もないしきっとプレイできないだろうからビッグゲームは手を出さない、と決めているが・・・・こういうリプレイ記事を読むと・・・・心が揺らぐ・・・。

 

限定800個シリアルナンバー付き!! 23,700円!!

「将来プレミア付き間違い無し之このゲーム」という宣伝文句がついているが、今オークションだといくらくらいなんだろう?

 

サンセットゲームズさんのプロジェクト100では、プレオーダー価格 22,000円(税込)/予価 27,500円(税込)(2022/10/31現在)となっている。

http://www.sunsetgames.co.jp/project100.htm

 

p.13 コンピュータゲームでの太平洋戦争シミュレーション 

ボード・シミュレーション・ウォー・ゲームのブームが終焉を迎え、コンピュータ・シミュレーション・ウォー・ゲームが勃興してきていた。

 

p.17 太平洋を血に染めて 池田智洋

AH『太平洋の覇者』(Victory in the Pacific)のリプレイ記事。

攻撃艦艇の使い方や日本軍、連合軍の作戦方針についてとても勉強になった。

このゲームは好きでよくプレイしたがその当時に読みたかった。10年遅い記事だった。

じっくり読んで盤上に並べて研究したい。

 

p.24 アメリカ軍将兵から見た日本軍 戸島毅

肉弾突撃、夜間浸透戦術、対戦車特攻、万歳突撃、無降伏主義・玉砕、自決・・・。

こういった日本陸軍の戦い方がアメリカ軍にどう見えていたか、をまとめている。

悲しい歴史だが、美化せず貶めず冷静に考えたい。

 

p.26 日本陸軍空母について~神州丸・あきつ丸・にぎつ丸・熊野丸の諸元と主要参加作戦~

日本陸軍空母の諸元と戦歴がたった2ページでよくまとまっている。

AH『サブマリン』(Submarine)のシナリオにしたい。

 

p.30 連載その2 作戦級ゲーム入門 文:瀬戸利春 イラスト:うらべすう

用語集がわかりやすい。

 

p.36 Dと舞の徹底的に教育的指導 スターリングラード編ターニングポイント

とてもわかりやすくて勉強になる記事だった。

 

p.45 Game Review

カードゲームやファンタジーゲームばかりで、ボード・シミュレーション・ウォー・ゲームの紹介がない。ブームが完全に去ったのだと実感する。

 

p.54 ゲーム千一夜 第5回番外編 和久尊

オリジン・コンベンションでのチャールズ・ロバーツ賞受賞作一覧と作品紹介。

1974年から1984年の一覧は圧巻だ。

 

p.68 ドイツ南方軍集団最初の死闘 キエフ攻防戦ヒストリカルノート 山崎雅弘

折り込みゲームのヒストリカルノートだ。

この頃の山崎氏は23歳か。文章力が凄い。

戦況図と戦闘序列も詳しい。

記事の終わりにある「戦いのあとの風景」という章が、現在のロシアによるウクライナ侵略につながる哀しいウクライナの歴史を物語っている。

 

p.78 内乱~裏切りの世紀・南北朝戦乱史~ 第三回 烽火連山 八幡摂州

新田義貞による鎌倉攻撃。鎌倉幕府滅亡。建武の新政護良親王の悲劇。足利尊氏の挙兵と西国への敗走。いよいよ面白くなるのだが、次号で『タクテクス』誌が終了するが連載はどうなったのだろう?

 

p.88 戦国時代の戦略と戦術 軍事的に見た戦国史 第16回信玄上洛(3) 福田誠

いよいよ武田信玄が上洛開始する。

 

p.90 第二次欧州大戦概説史 戸島毅

ソ連フィンランドの戦争はマンネルハイム線をソ連が突破し終結した。チャーチル国際法を無視してノルウェー侵攻しようとしたが断念した。それがヒトラーノルウェー侵攻を決意させた。この辺の各国の動きを見ていると面白い。中立を守ることの難しさもよくわかる。

第一次世界大戦の教訓を各国の陸海空軍がどう捉えていたかが面白い。イギリス軍がなぜあんなに遅い戦車を作ったかよくわかった。

また「機械化」部隊と「自動車化」部隊の違いもわかった。とはいえ現実には混同されて使われているようだが。

 

p.100 リーダーズコミュニケーション 戸島毅

『第二次欧州大戦概説史』を書いている戸島毅氏が氏に対する批判のお便りに対して反論している。歴史における真実とは何か、歴史における客観性について、論じており、文末に住所まで記載している。個人情報保護法以前の時代性を感じる。

この号が出てから32年。戸島毅氏のようなライターは今どうしているのだろうか?

 

p.120 親衛赤軍の反撃II ”アドバンスト・スコードリーダー"プレイの実際 後藤亨

AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)のシナリオ1は何度もプレイしたおなじみのシナリオだ。そのシナリオを『アドバンスト・スコードリーダー』(以下ASL)でプレイしたリプレイ記事だ。『戦闘指揮官』(Squad Leader)しか知らない者にとってはとてもわかりやすい記事だ。読んだ限りではフェイズの名前は変わっているが、順序ややることは同じようだ。変わっているのは、使うサイコロや、射撃を受けた時の状態や支援火器の故障の取り扱いのようだ。機関銃を使った射撃で色つきサイコロの目≦ROF値の場合、機関銃を別な目標に射撃できるとは驚いた。

 

p.128 メタル・オン・メタルミニチュア デラックスASL登場

ミニチュア・ウォーゲームでASLをプレイしている。こういうのもいいなぁ。

 

いよいよ次号は月刊『タクテクス』(TACTICS)最終号だ。連載がどうなってしまうのか、どういう終わり方をするのか恐ろしくもあり楽しみでもある。