『タクテクス』(TACTICS)第73号(1989/12/1)を読んでみた。
特集は「ヨーロッパ史の夕べ」
付録ゲームは<3W>の『神聖ローマ帝国』(Holy Roman Empire)
表紙は、ヨーロッパ地図"エンパイア・イン・アームズ"のものに11個のゲームのコマを並べたものだ。
目次は次の通り
記事も広告も、ウォー・ゲームがだんだん減ってきてブームが去ったのがよくわかる。
p.4 ヨーロッパ史概説 飯塚浩
世界史の授業で学んだことをゲームの紹介しながら解説している良記事だ。
p.10 "帝国"の逆襲 和久尊
HJ/SPI『帝国の興亡』(Empires of the middle ages)のリプレイ記事。
これはマルチプレイヤーズゲームで傑作だそうだ。地図盤と文章で、プレイの流れがよくわかる。
p.15 "戦争と平和"2人用キャンペーン・ルール ジェネラル誌より ケン・カール・キャンベル 訳/西村ヒロユキ
AH『戦争と平和』(War and Peace)の2人用キャンペーン・ルールの紹介記事だ。ナポレオン時代のAH『第三帝国』(Third Reich)という感じだ。
p.21 中世ヨーロッパ帝国史概説 西村ヒロユキ
世界史の授業で何が何だか混乱するのが中世ヨーロッパだろう。
このゲームで世界史の授業やったらいいかもしれない。
p.28 ドイツの悲劇 30年戦争 血の川を彼らは渡った 付録ゲーム"神聖ローマ帝国"ヒストリカルノート 黒木茂
30年戦争がドイツやヨーロッパの歴史に与えた影響が大きかったのは世界史の授業で習ったが、戦争そのものは記憶にない。ボヘミア期(1618-1621)、ファルツ期(1621-1623)、デンマーク期(1625-1629)、スウェーデン期(1630-1635)、フランス/スウェーデン期(1630-1648)に分けることができるそうだ。
いろいろな国がそれぞれの思惑で戦争に参加しており、難しい時代だったことがよくわかる。
p.34 新たなキャンペーン 第三帝国<AH>1941年シナリオ ジェネラル誌25巻3号から Larry Bucher 訳:川越高
AH『第三帝国』(Third Dreich)は第二次欧州大戦、戦略級のベストゲームだと思う。がキャンペーンはなかなかプレイできないので、ある年代を切り取ったシナリオがあるのはプレイしやすくなるので嬉しい。
p.40 SSシリーズ『ヒトラー帝国の興亡』&『信長の賭け/強襲桶狭間』
SSシリーズは翔企画から発売されていた簡単にプレイできるシミュレーションゲームだ。テーマとしてはどちらも興味がありプレイする機会があったらプレイしてみたいものだ。
p.46 作戦級ゲーム入門 文:瀬戸利春 イラスト:うらべすう
初心者を中級者にするための記事だ。コツとして提案されているのは、「1.難易度の低いゲームを選ぶ。2.興味のあるテーマを選ぶ。3.ルールブックの薄いゲームを選ぶ。4.バランスのとれたゲームを選ぶ。」だ。そして、アバロンヒル・クラシックや120シリーズやSSシリーズが紹介されている。
p.72 内乱~裏切りの世紀・南北朝戦乱史 第2回天下大乱 八幡摂州
楠木正成の活躍。足利高氏の登場。南北朝の動乱がいよいよ始まる。
p.78 第二次欧州大戦概説史 戸島毅
ソ連とフィンランドの冬戦争について。ロシアがクリミア半島を占領した2014年。そのロシアがウクライナに侵攻している2022年。あらためて冬戦争を振り返ってみるとロシアはあいかわらずロシアなのだと思う。
p.84 古今東西珍本閑談 その11 ニューズウィークが報道した激動の昭和 1933-1951 黒澤慶助
日本の戦争報道とは異なるアメリカの視点での戦争報道記事だ。勝者と敗者の違いとは別に、国民性の違いを感じる。
p.100 究極の太平洋戦争ゲーム "太平洋戦争" 桜井真一
ビッグ・ゲームには手を出さない、と決めていたのに・・・こんな記事を読むとほしくなる・・・。
p.112 メタル・オン・メタルミニチュア
第1次世界大戦から現代に至る軍用機のミニチュアだ。フォッカーDr.Iが100円玉に乗る大きさだ。スケールがわからないが空戦ゲームのコマにしたい。