Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン『タクテクス』季刊第1号(1990/09/01)


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季刊となり、判型も変わって再出発した『タクテクス』誌の第1号だ。

 

編集者は佐藤光市氏だ。

 

分厚くなって読ませる記事が増えたのはいい。

サイズがA4で、折り込みゲームが入っている方がいい。

 

p.5 戦国時代概説 水谷重美

戦国時代の勢力分布図と主な戦いやゲームの紹介記事だ。私がウォーゲームを離れた後ずいぶんと戦国時代のゲームが出たのだなぁ~

 

p.14 日・本・史 ゲームデザインのすすめ こんな日本史ゲームがあれば・・・福田誠

①古代 ②源平合戦 ③南北朝時代 ④戦国時代 ⑤幕末・維新時代 ⑥日清・日露戦争 ⑦太平洋戦争に分類し、1990年夏頃までに発売された①から⑥までの日本史ゲームを紹介し、それぞれの時代でゲームにするべきテーマを紹介している。

 

この時点で30個以上のゲームが紹介されている。私がウォーゲームをプレイしていた頃はあまり日本史ゲームがなかったが、その後、多数発売されたようだ。

 

p.90 ゲームステイション 和久尊

新作ゲームの紹介記事だ。タクティカル・コンバット・シリーズ(Tactical Combat Series:TCS)やタイロン・ボンバの『コマンド』誌が紹介されている。

記事の中で『タクテクス』第49号の折り込みゲーム『はるかな海』が『Strategy & Tactics』第125号の付録になったそうだ。その記事中に「石川氏が昨年亡くなられた。」「ゲーム・デザインやTACの記事などで活躍されていた」とある。『マーケットガーデン作戦』のデザイナーの石川輝氏だろうか?だとするととても残念だ。

 

また、敬礼しているボックスアートの『Hitler's Last Gamble』も紹介されている。

『Strategy & Tactics』第130号付録はJack Greenの『Tsushima』だ。日本ではだいぶウォー・ゲームは下火になっていたが、海外はまだまだ活気があったようだ。

 

p.100 第二次欧州大戦概説史 戸島毅

この連載は楽しみだったので季刊になっても続いて嬉しい。

今回はデンマークノルウェーの戦いだ。

英仏軍がノルウェー侵攻を計画しており、タッチの差でドイツ軍が先攻してノルウェーを占領した。

小さな軍事力で中立を守ることの難しさがよくわかる。

「平和学と戦争学」というコラムがあり、「平和学」と「戦争学」の目指すことの違いを端的に論じている。

「平和学」に2つの方向性がある。1つは「現状の固定化こそが平和である」と定義しそれを打ち消そうとする一切の「対立を排除/コントロールしようとする」もの。1つは「対立は国際関係にはつきものである」と定義し「対立のレベルを意図的にコントロール」し「できるだけ低レベルの対立状態の下で解決しよう」とするものだ。

「戦争学」は後者の立場をとるが、ほとんど受け入れられないが、「戦争の遂行」が目的ではなく「戦争の回避の方法を捜し出す」ことが目的だと論じている。

地震や災害や火災や事故を研究する人達がいるが、皆さん、それらが起こってほしくて研究しているわけではない。それらをどうやって防ぐかを目的に研究しているのだ。

戦争学も同じように考えればいいのに、

日本の状況は、32年前から変わっていない気がする。

 

p.114 ゲーム千一夜 戦車VS戦車 和久尊

この連載も好きだったので続いてよかった。

今回は戦車戦ゲームのシステム紹介だ。

 

p.124 Turning Point Stalingrad〈AH〉翻訳ルール 訳:駆虎人I号

21ページにわたる翻訳ルールだ。プレイしてみたくなっちゃう!

 

p.146 山猫兵器館 第1回5500トン型軽巡洋艦 絵と文:鋼鉄山猫

イラストと文章で、日本の5500トン型軽巡洋艦を紹介した記事だ。

第1回でこんな地味な艦を紹介するのは驚いた。だからこそ季刊『タクテクス』誌の方向性を感じる。

 

p.148 Book Review

檜山良昭『大逆転!連合艦隊ドーバー大海戦』(光文社)が紹介されている。この頃から仮想戦記が出版され始めたのだなぁ~