AH『電撃ドイツ戦車隊』(Crescendo of Doom)で、
『タクテクス』(TACTICS)第13号(1984/01)に掲載されていたオリジンズ・トーナメント・シナリオをプレイしてみた。1982年(毎年夏に行われるアメリカ最大のコンベンション)のトーナメントの1回戦に使われたシナリオだ。
1941/07/25ダウガヴァ川
ドイツ軍がIII号戦車や37mm対戦車砲でソ連軍KV 戦車やT26SやBT5を迎え撃つ。
勝利条件はソ連軍が3輌以上の戦車を突破させることだ。
特別ルールで道路移動の特典が使えない。
目次
■初期配置
初期配置は『タクテクス』(TACTICS)第14号の作戦研究記事に従った。
ドイツ軍歩兵は乗車状態、砲は牽引状態で開始する。
乾燥
風向 北東から南西
風力 無風
■第1ターン(1941/07/25)
ソ連軍は装甲の厚いKVI=>T26S=>BT5の順に前進する。
風向 北西から南東
風力 無風
4W6のKVIが4P6のドイツ軍歩兵を射撃し戦闘不能にした。
■第2ターン
風向 北から南
風力 無風
4P7のIII号戦車が4Q9のKVIを射撃
偶然の走行不能!!
4O8のIII号戦車が4T5のKVIを射撃!
ソ連軍は地図盤4の中央から地図盤5に向かう。
5R1のドイツ軍が4P1を射撃しソ連軍8-0指揮官と4-4-7分隊2個戦闘不能
風向 北西から南東
風力 無風
5R1のドイツ軍が4P1を射撃し士気チェックMだったが、ドイツ軍は全ユニット士気チェックに成功した。
4P7のIII号戦車が4Q9のKVIを射撃し撃破!!
今回のソ連軍戦車で装甲が一番厚いとはいえ、KVIは装甲修整0だ。50mm砲でも撃破される。
■第3ターン
風向 南から北
風力 無風
4Q10のIII号戦車が4S9のKVIを射撃し命中したが跳弾!
4D1の88mm砲が5V4のKVIを射撃する。距離360m(9ヘクス)
命中確認ナンバー9
修整はJ移動中の目標+2
サイコロの目は7。色つき2、白5だから車体下部に命中した。
破壊ナンバーは8。装甲修整0。サイコロの目は6!撃破!!
操作班は脱出!
ソ連軍としては3輛のKVIのうち2輛を早くも失った。
4B7の37mm砲が4G7のT26Sを射撃したが跳弾!
4D1の88mm砲が5U5のT26Sを射撃する。距離400m(10ヘクス)
命中確認ナンバー5
修整はJ移動中の目標+2
サイコロの目は10。外れ!
快速を活かしてBT5戦車2輌が早くも地図盤西端から突破成功した。
あと1輛が突破に成功すればソ連軍の勝利だが、出口に控える88mm砲の射撃が恐い。
風向 南から北
風力 無風
4Q10のIII号戦車が4S9のKVIを射撃し車体下部に命中破壊ナンバー4。
装甲修整0、貫通力に対する距離の影響(65.2)で-2。サイコロの目は5-2=3
撃破!!
操作班脱出。
4B7の37mm砲が4G7のT26Sを射撃したが跳弾!
距離200m(5ヘクス)
致命的命中!!
しかしサイコロの目は11で破壊できなかった!!
二発目も命中したが跳弾!!
5T6のT26Sが5T5のIII号戦車を射撃するが外れた。
5T5のIII号戦車が5T6のT26Sを射撃する。距離40m(1ヘクス)
外れた。
4O7のIII号戦車が4G7のT26Sを射撃する。
距離320m(8ヘクス)
麦畑を通した射撃による部分遮蔽状態のため命中しなかった。命中すれば後方からの射撃なので絶対撃破できたはずだが・・・。
■第4ターン
風向 南から北
風力 無風
4B7の37mm砲が4E6のT26Sを射撃し命中したが跳弾!もう一発は外れた。
4D1の88mm砲が4D5のT26Sを射撃する。
距離160m(4ヘクス)
1発は外れたが、もう一発が車体上部に命中!!
側面なので破壊確認ナンバー9
装甲修整-3、貫通力に対する距離の影響-1
サイコロの目7-4=3
撃破・炎上!
5T5のIII号戦車が5U7に後進移動したT26Sを射撃する。距離80m(2ヘクス)
車体上部に2発命中!
跳弾!!
もう一発が破壊!!
ソ連軍は7輌中5輌を破壊されたのでドイツ軍の勝利だ。
■感想
トーナメント・シナリオは、少ないユニット数だが、考えないといけない点が多く、短時間で楽しめる。
1941年当時のドイツ軍主力対戦車砲である37mm対戦車砲PaK35/36ではKVIは言うまでもなくT26Sでもかなりの強敵だ。
37mm対戦車砲でKVIと戦った将兵の恐怖はいかばかりか。私なら逃げるだろうなぁ・・・。
目標装甲厚(装甲修整)別に、口径を縦軸に距離を横軸にして、命中確率と破壊確率の表を作ってみたいと思った。
ソ連軍は、先鋒のKVIや歩兵をうまく使ってドイツ軍戦車や砲に射撃させて、そのスキに、装甲が薄いBT5やT26Sが、突破をはかるのが戦術になるだろう。今回はあまり歩兵を使えなかった。歩兵は対戦車砲近くまで連れて行き、操作班を戦闘不能にさせるのがいいのだろうが、歩兵と戦ってしまい、37mm対戦車砲や88mm高射砲が自由に砲撃でき、その結果、ソ連軍戦車の損失につながってしまった。
今回の37mm対戦車砲や88mm高射砲の配置は、自分の考えとは違ったが、ベストの場所だろう。
88mm高射砲はD列全てを射撃できる。88mm砲が命中したらほぼ確実にソ連軍戦車は破壊される。この配置はベストだと思う。私が考えたのはもっと中央に配置することだったが、牽引状態で開始するので、下手すると牽引解除前に車両もろとも破壊される可能性があるので、今回のように後方に置くのが正解だろう。
今回、ソ連軍は135.移動中の車両ルールを適用して、移動をもっと徹底すればよかった。
『タクテクス』(TACTICS)第14号の記事によると「ドイツ軍がやや有利」とのことだが、同感だ。88mm砲が強いことと、地図盤が狭く開豁地が多いため88mm砲の射程内を通らないでソ連軍が突破できないからだ。
そのため、ソ連軍が勝つための戦術を研究したくなる。