
2004年に出版された、北アフリカ戦役を1940年12月から1942年12月までを連隊から師団規模で描いた戦役級ゲームだ。
2ターンで1か月なので、1ターン約2週間だ。
ユニット数は、戦力比マーカーを除いて、マーカー33個、イギリス軍78個、ドイツ軍37個、イタリア軍38個、合計186個だ。ユニット数は数ないが、50ターン、プレイ時間は約5時間だ。
今回はルールを覚えるために1ターンだけプレイしてみた。
ルール概要
プレイ手順
連合軍プレイヤー・ターン
1.援軍フェイズ
2.移動フェイズ
3.戦闘フェイズ
4.補給判定フェイズ
枢軸軍プレイヤー・ターン
5.援軍フェイズ
6.移動フェイズ
7.戦闘フェイズ
8.補給判定フェイズ
9.ターン終了フェイズ
スタック制限
1ヘクスに2個師団まで
旅団、連隊、大隊規模ユニット、補充ユニットはいずれも0.5個師団と数える。
戦闘
マスト・アタック
オーバーラン
移動中、9:1以上の戦力比の場合、防御側ユニットを直ちに除去してそのまま移動を継続できる。
補充
敵ユニットのZOCにいないユニットは、移動フェイズ中に補充によって失われたステップを回復できる。
同一ヘクスの補充ユニット1個を取り除き1ステップ回復させる。
補充を行ったユニットは同じターンに攻撃不可
補充=>移動不可
移動=>補充可
再建
除去されたユニットを再建できる。
枢軸軍はエル・アゲイラ、連合軍はアレクサンドリアで補充ユニット3個を除去して除去されたユニットを1ステップ状態で再建できる。
司令部の再建は援軍フェイズにdr6で再建できる。
補給
自軍プレイヤー・ターンの補給判定フェイズに補給源から自軍ユニットまで補給線をたどれるか判定する。
1)枢軸軍占領下のトリポリ、ベンガジ、トブルク、地図盤西端=>道路=>15ヘクス以内=>自軍ユニット
2)自軍支配下の町か隣接しているユニットは補給線がたどれなくても補給下にある。
自軍支配下の町の定義
(1)自軍ユニットが占めている町か隣接するユニットにいるユニット
(2)その町に最期にいた、またはZOCを及ぼしたのが自軍ユニットであり、かつ敵ユニットのZOCが及んでいない町
補給切れユニットは1ステップ失う。
空軍力
ターン記録トラックにそのターンに使用可能な空軍力が欠いてある。
空軍力は戦術的運用と戦略的運用ができる。
1)戦術的運用
1戦闘力を持っていて戦闘に使える。
2)戦略的運用
敵スタックの上に置くと、そのスタックは次のターン、移動力が半減し戦略移動不可。
ユニットについて
一部のユニットは、ステップ数が多くなっており、同じ部隊を2個以上で表現している。
例えばイギリス軍で同一部隊を2個以上のユニットで表現しているのは下のようになっている。同一部隊を縦にしている。一番左上の7-6は、左の黒丸の数字のステップ数分、つまり5ステップある。7-6(写真1上)=>5-6(写真1中)=>4-6(写真2上)=>3-6(写真1下)=>1-6(写真2下)となる。
一番右の6-6の場合、6-6(写真1上)=>5-6(写真2上)=>3-6(写真1下)=>1-6(写真2下)の4ステップだ。
写真1

写真2
ドイツ軍の場合は最大6ステップある。一番左上の9-8は9-8(写真3上)=>7-7(写真4上)=>5-7(写真3中)=>3-7(写真4中)=>2-6(写真3下)=>1-5(写真4下)
写真3
写真4
イタリア軍はステップ数が少ない。一番左上の5-6で3ステップだ。5-6(写真5上)=>3-6(写真6上)=>1-5(写真5下)
写真5
写真6

初期配置
初期配置は決まっている。

第1ターン(1940/12)
連合軍プレイヤーターン
援軍フェイズ
空軍2ユニット、通常補充1ユニットを連合軍が獲得した。
移動フェイズ
第7機甲師団(7-6)と第4インド師団(4-6)と司令部(1-10)が、メルサ・マトルー(1939)から、下のように、1936で1移動力、1836で2移動力、1835で3移動力で、1934の第2リビア師団を12:1の戦闘比でオーバーランする。

オーバーランの回数はルール上記載がないから、そのまま1834に移動し、1933のMaletti機甲旅団(1-6)をオーバーランし、1833に進み、1832のCirene師団(2-2)に接敵する。
エル・アラメイン(1746)にいる第6オーストラリア師団(5-6)が道路沿いに進み、斜面沿いに1934に突進し、2034の第1リビア師団(1-2)を攻撃する。
同じくエル・アラメイン(1746)にいる第2ニュージーランド師団(5-6)が1934に進む。フカ(1842)にいた第21歩兵旅団(2-6)が第2ニュージーランド師団(5-6)とともに2035の4B歩兵師団(2-2)を3:1で攻撃する。

戦闘フェイズ
1832の戦いは、戦闘比6:1
2034の戦いは、戦闘比5:1
2035の戦いは、空軍力1を使って戦闘比を8:2=>4:1にした。

1832ではdr4+2=6でDE イタリア軍Cirene師団(2-2)が除去された。特別ルールで1940年12月は連合軍の攻撃のダイス+2になる。イギリス軍が戦闘後前進する。
2034ではdr2+2=4でA1/D3Rだ。第1リビア師団(2-2)は1ステップなので壊滅した。第6オーストラリア師団(5-6)もステップロスして4-6になった。戦闘後前進してシディ・バラニを占領した。
2035ではdr4+2=6でDEだ。4B師団(2-2)が全滅した。イギリス軍は戦闘後前進する。

補給判定フェイズ
イギリス軍はどのユニットも補給源のアレクサンドリアまで補給線をたどれる。
枢軸軍プレイヤー・ターン
援軍フェイズ
枢軸軍は1941年1月からなのでこのターンは援軍はない。
移動フェイズ
イタリア軍はキレナイカ方面では、ベンガジ(2310)をSabratha師団(2-2)が、トブルク(2225)を、第1機甲師団(1-6)、Babini自動車化歩兵師団(1-6)、Sirte師団(2-2)で守備する。

ソルーム(1930)付近では3個歩兵師団が斜面を使って防御する。
とここまで移動させた後、地図盤上に枢軸軍燃料マーカーがあることに気づいた。これはどう使うのか、と思ったら、地図盤上に注意が書いてある。「移動力2を超えてMPを消費するユニット(補充ユニットとロンメルは除く)1個につきマーカー1個を消費。」とある。今回、戦略移動を使ったりして、合計3ユニットが2移動力を超えてMPを消費したので、ルール違反だった。これで当時の枢軸軍の燃料不足状況を描いているのだ、と納得できた。
2033のCatanzalo師団(2-2)は、本ゲームはマスト・アタックだから、このままでは2:4=>1:2で第6オーストラリア師団(4-6)と戦わないといけない。逃げようにも1932に移動したら、2:12=>1:6ともっと悪い戦闘比で戦わないといけない。
移動開始時に敵ZOCにいるユニットは、a)敵ZOCから離脱できない、b)離脱するときに移動力を余計に使う、c)追加移動力0で敵ZOCから離脱できる、d)敵ZOCから敵ZOCへ直接移動できない、などのルールが、それぞれのゲームで決まっているが、本ゲームでは特に記載がない。
戦闘フェイズ
シディ・バラニ(2034)で戦闘だ。
戦闘比は2:4=>1:2だ。イギリス軍は空軍力を使って2:5=>1:3に戦闘比を変更する。

ダイスは6で結果はC=両軍損害なしだ。
イタリア軍大健闘だ。
補給判定フェイズ
2033にいるCatanzalo師団(2-2)は補給切れのため1ステップロスして1-2になる。
感想
シンプルなルール、少ないユニットで、北アフリカ戦役を描いていて、ワクワクしてくる。
今回はルールを覚えるために1ターンだけプレイしたが、いずれ50ターンプレイしてみたい。