Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第77号(1990/4/1)


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タクテクス』(TACTICS)第77号(1990/4/1)を読んでみた。

月刊『タクテクス』(TACTICS)最終号だ。

特別企画は「月刊タクテクスを振り返る "神聖ローマ帝国"リプレイ タクテクス総索引(ゲーム篇)」だ。

 

付録ゲームは、<HJ>の『呪われた海』と<TSR/SPI>『ミューズ河前面の死闘』(Celles)の二本立てだ。

表紙は、月刊『タクテクス』(TACTICS)誌の表紙を並べたものだ。

 

目次は次の通り

目次の下に小さく「ロールプレイング・ゲーム」はホビージャパン登録商標です。」とある。知らなかった~。驚きだ。こちらの検索サイト(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)で調べてみると、あった!(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/t0201)

確かに「ロ-ルプレイング」で 昭和57(1982)年に出願し、昭和60(1985)年に登録されている。

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読んでいるこちらがかなり年とったから、シミュレーションゲームの商用専門誌を続けることの難しさがよくわかる。

 

本当ならホビー・ジャパン社から発売する新作ゲームの宣伝や煽りをしたいところだろうが、他社も扱わないといけない。

そうすると、カタログみたいだ、ゲームに対する評価が甘すぎる、と批判が来るだろう。

古いゲーム所有者に作戦研究記事やヒストリカル・ノートを提供し、より深くゲームを楽しんでもらわないといけない。

そうすると、マニアしか相手にしていない、難しい、という声が届くだろう。

初心者にゲームの面白さや興味を持ってもらうことも重要だ。

そうすると、わかっている、読むところがない、軽薄だ、となるだろう。

 

さらにゲーマーの好みはすぐに変わる。『タクテクス』(TACTICS)誌の末期の新作ゲームは、ヘクスのないRPGやカードゲームが、ヘクスのあるウォー・ゲームを駆逐してしまっている。

 

そんな中でバランスをとった記事を載せ、毎号雑誌を発行していくのは相当大変だったと思う。関係者の皆様に感謝だ。

 

p.22 内乱~裏切りの世紀・南北朝戦乱史~ 第4回 悲風湊川 八幡摂州

この連載も楽しみだっただけに季刊『タクテクス』誌に引き継がれるのかどうか気になる。

西国に落ちのびた足利尊氏。勢力を取り戻して、湊川の戦いに。

この後が楽しみだったのに、『タクテクス』誌が終わってしまうのが残念だ。

 

p.28 新書英雄伝 「疾風」衛青・霍去病伝(その6) 有坂純

この連載も楽しみだっただけに季刊『タクテクス』誌に引き継がれるのかどうか気になる。

p.33に「★軍隊の移動ペースについて」というコラムがあり、目安として面白い。敵地を進撃する中規模の部隊(1万~数万)について書いてあり、目安としたい。

 

 ◯中国戦国時代 15km/日をやや下回っただろう 強行軍で20km/日

 ◯古代ギリシア及び中世の騎士軍 最大でも15km/日 強行軍は非常に困難だったろう。

 ◯アレクサンドロス大王マケドニア軍 およそ20km/日。進歩した兵站組織のおかげ。強行軍25~35km/日

 ◯ローマ軍団 16km/日と極められていた。 ネロは55km/日で2週間の強行軍

 ◯河西第1次遠征の際の霍去病麾下の1万の騎兵 50km/日(300kmを5日間)

  正規の兵站だとせいぜい25から30km/日だろう。

 

p.36 第二次欧州大戦概説史 戸島毅

この連載は楽しみだっただけに季刊『タクテクス』誌に引き継がれるのかどうか気になる。

ドイツ軍によるフランス侵攻作戦(本稿では「黄号作戦」と書いている)のすったもんだが中心だ。中立国ベルギー、オランダが、大国ドイツ、イギリス、フランスの思惑に翻弄される様を見ると、中立を保つことの難しさ、非武装中立の非現実性がよくわかる。

 

p.40 ゲーム千一夜 第6回 番外編 その2ゲームブランドの工房 和久尊

p.42, p.43のゲームブランドの興亡図がいい。

「1989年の末に以前から3Wなどで活躍していたタイ・ボンバが『コマンド(Command)』というゲームつき雑誌を創刊しました。」とある。これが『コマンドマガジン』として現在に続いているのだなぁ・・・と思うと感慨深い。

 

p.44 戦国時代の戦略と戦術 軍事的に見た戦国史 第17回信玄上洛(4) 福田誠

この連載も大好きだった。季刊『タクテクス』に続くのだろうか?

武田信玄の上洛は三方ヶ原の戦い後、信玄の死によって中止になった。

ゲーマーとしては、一番気になるのはやはり「信玄が死ななかったら上洛できたか?」「上洛するにはどうすればよかったか?」「織田信長はそれをどう防ぐか?」だろう。

福田誠氏は月刊『タクテクス』最終号で彼の考えを論じている。結論は「難しかっただろう」というものだ。ウォーゲーム雑誌だからそれをウォーゲームのプレイで論じてみてほしかったが、私自身も福田誠氏の意見に同意する。

 

p.68 作戦級ゲーム入門 文:瀬戸利春 イラスト:うらべすう LYNX

この連載はイラスト付きでわかりやすい。

 

p.82 古今東西珍本閑談 その12 さよならフクちゃん 黒澤慶助

この連載は興味をひく記事が多く好きだったがこれで最終回だ。

今回は戦争に使われた4コマ漫画だ。漫画だけに庶民レベルで戦争とどう向き合ったかがわかる。

 

p.102 総索引(ゲーム篇)

タクテクス』(TACTICS)誌に掲載された記事をゲームごとにまとめた総索引だ。ゲームは出版社ごとに、あいうえお順に並んでおり、『タクテクス』(TACTICS)誌折り込みゲームも名を連ねている。これはとても重宝する。

ゲーム”篇”とあるが、記事篇、特集篇、折り込みゲーム篇、連載篇があるかと思ったらないのが残念だ。

 

裏表紙には「まだ戦いは始まったばかりだ!」とあり、『タクテクス』誌の新たな出発をあおる見出しになっている。


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●ウォーゲームのみ扱う・・・嬉しい

●B5判・・・残念。A4判に付録ゲーム付きが嬉しい。マップはやはりA系が基本だ。

●年4回になる・・・残念。年4回だと発売日を忘れてしまう。せめて隔月刊だと思う。

●特集強化!・・・特集次第だ。ここがウォーゲーム雑誌の難しいところだろう。人気のあるテーマなら売れるだろうが、不人気のテーマだと部数が激減するだろう。しかし新しいテーマを開拓する必要もあるから、売れるテーマばかりやっていくわけにもいかない。

●翻訳ルール復活・・・これも嬉しい

●シナリオ、ヴァリアント・・・これも嬉しい。しかしこれもウォーゲーム雑誌の難しいところだろう。持っていないゲームのシナリオやヴァリアントがあっても読み飛ばすだけだからだ。記事によってそれまで触れていなかったテーマに興味を持つ人もいるだろうが少数だろう。

●国産ゲームを追求・・・嬉しい

●リプレイ記事を展開・・・嬉しい

●正誤表/Q&A充実・・・当時は雑誌しか媒体がなかったから嬉しい。現代ならwebで展開できる。

●関連記事・・・嬉しい

 

これで『タクテクス』誌を隔月刊から月刊までざっと読了した。

次は季刊『タクテクス』誌を読み進んでみたい。