AH『電撃ドイツ戦車隊』(Crescendo of Doom)で、
『タクテクス』(TACTICS)第13号(1984/01)に掲載されていたオリジンズ・トーナメント・シナリオをプレイしてみた。1982年(毎年夏に行われるアメリカ最大のコンベンション)のトーナメントの2回戦に使われたシナリオだ。
1942/10/20 スターリングラード
勝利条件は7ターンに、Z7の建物ヘクス内に戦闘可能な分隊の数が多い方が勝利だ。
目次
■初期配置
天候 晴天 微風 高湿度
風向 東から西へ
■第1ターン(1942/10/20)
一発は外れたが、二発目が命中し撃破~!!
ドイツ軍歩兵が散開しながら進んでくる。
ソ連軍は撃つかどうか迷う。
開豁地を移動中の-2修整の利点はあるが隠蔽状態を失うことと遠距離射撃による火力半分になるデメリットを考えると・・・
「撃つなよ。まだだぞ。」Dubovichi中尉が部下に命令する。ソ連軍分隊は息を潜めて待つ。
Y7のSahavitch中尉が戦闘不能
■第2ターン
ソ連軍Sahavitch中尉はまだまだガタガタ震えていて戦闘に戻れそうにない。
ドイツ軍IV号戦車の火消えた。
Q4からY8 2階への射撃で隠蔽マーカーがなくなった。
Q4のドイツ軍Stahler中尉と2個分隊が全滅した~!!
ソ連軍Sahavitch中尉はまだまだガタガタ震えながら何やらわけのわからない言葉を繰り返していて戦闘に戻れそうにない。
T9-T10からY8 2Fへの射撃でソ連軍Dubovichi中尉、親衛赤軍が戦闘不能。1個分隊がパニックになって雲散霧消(除去)した。
■第3ターン
Dubovichi中尉の姿をみたSahavitch中尉が我に返った。動揺している親衛赤軍と分隊を闘う男たちに戻した。
Sahavitch中尉も回復した。
ソ連軍親衛赤軍1個、通常分隊1個、操作班2個分隊、指揮官2人
ドイツ軍通常分隊6個、操作班1個、指揮官3人の戦いだ。
回復したソ連軍が二人の指揮官の指示のもと、V7のドイツ軍を攻撃し1個分隊が戦闘不能になった。
そこにいたKelso軍曹が叫ぶ!「敵はたった2個分隊だ。落ち着け~!」
■第4ターン
Kelso軍曹の的確な指示のもと、Y7でソ連軍Sahavitch中尉と1個分隊戦闘不能!!
ドイツ軍1個分隊と1個操作班がY7の建物へ突撃をはかる。
1個分隊がQ4に軽機をとりに向かう。
Y8の白兵戦でソ連軍1個操作班全滅
Y8の白兵戦
ソ連軍操作班全滅
■第5ターン
Sahavitch中尉は回復した。
ソ連軍は親衛赤軍1個、通常分隊1個、操作班1個分隊。指揮官2人。
ドイツ軍は通常分隊6個、操作班1個、指揮官2人だ。
Z7でソ連軍Sahavitch中尉戦闘不能!!1個分隊潰滅~
Y8の白兵戦
■第6ターン
ソ連軍狙撃兵、Sahavitch中尉戦死
■勝利条件の確認
最終ターンを待たずにドイツ軍の勝利だ。
■感想
ドイツ軍は、IV号戦車2輛が57mm対戦車砲によってすぐ撃破されてしまったりQ4の掩護部隊が全滅したのは計算外だったが、遠方から掩護する部隊と突撃する部隊に分けて進んだことが勝因だった。
『タクテクス』(TACTICS)第14号(1984/3/1)の「オリジンズ・トーナメント・シナリオ分析 <AH>電撃ドイツ戦車隊 ジェネラル誌19巻5号より 田中勇樹/訳」という記事によると、次のように配置するといいそうだ。今回の私もほぼ同じ配置だった。
Y8-1階=対戦車砲と操作班
Y8-2階=4-4-7と軽機x2
Z7-2階=6-2-8と対戦車銃(ATR)、8-1指揮官
Y7-2階=4-4-7、中機、9-1指揮官
Y7-1階=狙撃兵
Z6=操作班、迫撃砲
ユニット数が少なく地図盤も小さなシナリオだが、計算されたいいシナリオだと思う。
建物を開豁地にしているため、ドイツ軍が接近しづらく、リスクをとって接近するか、時間をかけてソ連軍を壊滅させてから接近するか悩む。
ソ連軍にしては珍しく兵力がとても少ないため、どう守るか頭を悩ます。
両軍とも部隊の役割や配分や移動について頭を悩ませる佳作といっていいシナリオだと思う。