ASLSK #1のシナリオS4『WELCOME BACK』をA氏とI氏が対戦した時のログをいただいた。
初心者のA氏がドイツ軍、ベテランのI氏がアメリカ軍だ。
そのログをもとに初期配置をしてみた。その後はお二人のプレイではなく私のソロプレイをしてみた。
初期配置以外は、A氏I氏の戦いとは全く別なものであることをお断りしておく。
- ■和訳
- 【0】初期配置(1944/12/16)
- 【1】第1ターン
- 【2】第2ターン
- 【3 】第3ターン
- 【4】第4ターン
- 【5】第5ターン
- 【6】第6ターン(最終ターン)
- 【7】勝利条件の確認
- 【8】感想
■和訳
シナリオ和訳はこちら
haruichiban0707.hatenablog.com
勝利条件はドイツ軍が、I1からY1の範囲の地図盤西端から10CP以上盤外離脱した段階で勝利だ。
1個分隊と指揮能力-1指揮官が2VP、半個分隊と指揮能力0の指揮官が1VPだ。
【0】初期配置(1944/12/16)
いただいたVASSALのログだとアメリカ軍7-4-7分隊がシナリオカードより1個多かった。
ASLSKの版の違いでシナリオカードが異なるのかもしれない。
プレイ前に何か話したのかもしれない。私が持っているシナリオカードの戦闘序列とは異なるが、ここはA氏vsI氏の戦いに合わせてみた。
アメリカ軍は、機関銃の配置が巧みだ。思わずうなってしまった。
Z1, U3, L3が互いに連携してドイツ軍の進撃を止める構えだ。ドイツ軍はこれだとなかなか前進できないだろう。
一方のドイツ軍は、北から南下して突破をはかる作戦のようだ。南部はアメリカ軍が兵力を多数配置しているから、南部からの突破は無理とみたのだと思う。
北部は開豁地が多く、遠方からのアメリカ軍の火力を浴びて、なかなか接近できないと思うが、どうなるだろう。
【1】第1ターン
●ドイツ軍プレイヤーターン
ドイツ軍が東端から侵入する。
ドイツ軍は2-3-7半個分隊をGG6へ移動させたところをCC3のアメリカ軍7-4-7が射撃する。これがLOS通るのは驚いた。さっそくK/1で、2-3-7半個分隊が全滅した。
ドイツ軍が、DD10からDD9へ移動する。アメリカ軍がZ1から臨機射撃する。
ドイツ軍4-4-7が釘付け状態になった。
ドイツ軍が、EE10からEE8へ移動する。
アメリカ軍は臨機射撃しない。
ドイツ軍が、臨機射撃を浴びなかった同じルートを通り、EE10からEE9へ移動する。そこをU3からHMGで射撃する。距離440m(11ヘクス)。
4-4-7が損耗し2-3-7になり、ELR超のため2-3-6になり混乱状態になった。
そこをU3から6-6-7が射撃する。距離480m(12ヘクス)射程距離ギリギリだ。
7-0指揮官が混乱状態。4-4-7分隊が釘付け状態。
これ以上の臨機射撃を浴びる可能性がないので、ドイツ軍7-0と4-4-7分隊2個が、GG10からGG7へ移動する。
ドイツ軍はZ10からZ8へ、W10からV7へ移動する。
ドイツ軍がS10からR7へ移動する。U3のHMGに射撃頻度が残っていたら臨機射撃するところだが、射撃頻度が残っていないためドイツ軍が無事R7に到達した。
南部ではドイツ軍がC10からC6へ移動する。
ドイツ軍4-4-7分隊がG10からI8へ移動したところを、アメリカ軍がL3から臨機射撃し、ドイツ軍4-4-7分隊が混乱状態になった。
アメリカ軍はG3からI8へも臨機射撃したが、LOSが通らなかった。
ベテランのI氏でも目測だけではLOS判定を間違うものだ。
ドイツ軍最後の部隊8-1指揮官と4-4-7分隊がG10からG7へ移動した。
ドイツ軍はZやR7からU3へ前進射撃する。ドイツ軍としては、U3のアメリカ軍を無力化しないと前進するのが困難だから確率が少しでもあれば射撃する。
アメリカ軍8-1指揮官が混乱状態になった。
●アメリカ軍プレイヤーターン
雪が降り始めた。6ヘクス以上の場合、攻撃のDR+1になる。
アメリカ軍がU3からV6を射撃する。
1個分隊がELR超で4-3-6になり混乱状態になった。1個分隊が混乱状態になった。ここには指揮官がいないので痛い損害だ。
アメリカ軍7-4-7がCC3からCC2へ移動する。ドイツ軍4-4-7分隊がEE7からCC2へ臨機射撃する。
アメリカ軍はドイツ軍が少ない南部からドイツ軍の主攻である北部へ兵力を回す。G3からH0へ、H3からI2へ移動させる。
南部のドイツ軍を無力化させるために、アメリカ軍10-2指揮官と7-4-7分隊がJ3からI5へ移動する。
ドイツ軍がG6から臨機射撃するが効果なし。
ドイツ軍がR6からU3を射撃するが効果なし。混乱状態の8-1指揮官はDM状態になる。
Z7からU3を射撃するが、HMGが故障した。
アメリカ軍がI5からG6を火炎放射する。ドイツ軍4-4-7分隊が釘付け状態だ。
【2】第2ターン
雪が降り続いている。
V6のドイツ軍4-4-7分隊が自己回復に成功した。
Z7のMMGも回復した。
これでU3の無力化のための火力が増した。
Z7とV6からの射撃でアメリカ軍U3の8-1指揮官はDM状態になった。
ドイツ軍R7の部隊も準備射撃するか迷ったが、警戒移動してQ7に移動し、突撃フェイズにG6に向かうことにする。
ドイツ軍はG6からI4を射撃するが効果なし。
ドイツ軍がR7から警戒移動でQ7に移動したところをU3から臨機射撃する。
1個分隊が混乱状態になり1個分隊と指揮官が釘付け状態になった。
北部のドイツ軍が前進する。CC2からアメリカ軍がFF5を射撃する。ドイツ軍4-4-7分隊が混乱状態。
ドイツ軍はQ7からQ6へ突撃したいが釘付け状態のため突撃できない。
●アメリカ軍プレイヤーターン
雪が降り続いている。
U3のアメリカ軍8-1指揮官が回復した。
U3のアメリカ軍がQ7を射撃し、8-1指揮官が混乱状態になり、4-4-7分隊が4-3-6分隊になり混乱状態になった。
Z1のアメリカ軍がZ7を射撃し、9-1指揮官が釘付け状態になり、4-4-7分隊が4-3-6分隊になり混乱状態になった。
I4のアメリカ軍火炎放射器がG5のドイツ軍2-3-7を潰滅させた。
M4からO6へアメリカ軍6-6-6分隊が移動しP6やQ7にいるドイツ軍混乱状態分隊に圧力をかける。
Z7のドイツ軍がZ1を射撃し、6-6-6分隊が5-4-6分隊になり混乱状態になった。
アメリカ軍はCC2へスカルキング戦術を使ってドイツ軍の足止めを狙う。
【3 】第3ターン
●ドイツ軍プレイヤーターン
雪が降り続いている。
ドイツ軍はU6で4-3-6分隊が自己回復に成功した。
もっと確率の高い部隊は回復に失敗した。
R7のドイツ軍がU3のアメリカ軍の射撃を受けて、8-1指揮官が負傷し、2-3-6半個分隊2個に激減してしまった。
さらに、U3のHMGが、U8のドイツ軍分隊を混乱状態にした。
その上、U3のHMGが、CC6を射撃し、4-4-7分隊を混乱状態にした。
まだまだ、U3のHMGが、CC4を射撃し、4-4-7分隊を釘付け状態にした。
U3のHMGはまだ射撃できるが、もう目標がいない。
ASKシリーズの機関銃ルールの恐ろしさはここだ。
●アメリカ軍プレイヤーターン
雪が降り続いている。
ドイツ軍は、10個分隊が健在だ。3個分隊相当が混乱状態だ。2個分隊相当が潰滅したことになる。
アメリカ軍がU3からZ7を射撃し4-3-6分隊を混乱状態にした。
続けてU3からU6を射撃し効果なし。
V6では、アメリカ軍U3の6-6-6分隊の攻撃で、混乱状態の4-4-7分隊がDM状態になった。
Z0からの射撃はCC5とCC4に行われたが効果なし。
ドイツ軍Z7からの射撃でBB1, BB2のアメリカ軍を釘付け状態にした。
ドイツ軍の射撃は散発的だ。
【4】第4ターン
●ドイツ軍プレイヤーターン
雪が降り続けている。
Z8で2個分隊が回復した。
ドイツ軍は北部に8個分隊。中部に2個分隊相当だが、1個分隊だけ健在だ。南部に2個分隊だ。
アメリカ軍は北部に2個分隊、中部に5個分隊、南部に2個分隊だ。
中部のU3のHMGが健在で、北部や中部まで射程にとらえてドイツ軍の進撃を止めることができる。
ドイツ軍は劣勢だ。
残り3回の移動と突撃で地図盤からの突破をはからなければならない。
ドイツ軍の準備射撃は効果をあげなかった。
ドイツ軍はI5からH2へ移動したところをアメリカ軍がJ3から射撃し、ドイツ軍4-4-7分隊潰滅した。
K6のドイツ軍8-1指揮官と4-4-7分隊が地図盤西端を目がけて走る。M3でアメリカ軍がP1から射撃するが無傷で耐えた。
アメリカ軍がN0からM2を臨機射撃するがドイツ軍は耐えて、K1まで達した。これで突撃フェイズに地図盤西端から突破できる。
北部でもドイツ軍が思い切った前進をする。
ドイツ軍が8-1指揮官と4-4-7分隊が地図盤からの突破に成功し、4VP獲得した。
●アメリカ軍プレイヤーターン
アメリカ軍はBB1で回復失敗した。ドイツ軍はT10で8-1指揮官と2-3-6半個分隊が回復した。DD5でも4-4-7分隊が回復した。
健在なアメリカ軍は8個。混乱状態が1個だ。
雪が依然として降り続けている。
Z1のアメリカ軍MMGが弾丸切れを起こした。
ドイツ軍はZ7からU2を射撃し、5-4-6分隊を混乱状態にした。
BB2ではアメリカ軍7-4-7分隊が損耗し3-3-7になり混乱状態になった。
【5】第5ターン
●ドイツ軍プレイヤーターン
雪が降り続いている。
Z1にあったアメリカ軍MMGが完全に故障して廃棄処分となった。
Z7からU3への射撃で、そこにいたアメリカ軍8-1指揮官、6-6-7分隊と5-4-6分隊が混乱状態になった。ドイツ軍としてはこれはチャンスだ。
Z7のMMGの残った射撃頻度によるZ1への射撃で8-0指揮官が釘付け状態になった。
BB2のドイツ軍の射撃で、Z1のアメリカ軍の残りの5-4-6分隊も釘付け状態になった。
S8でドイツ軍2-3-6半個分隊が潰滅した。
Y3でドイツ軍4-3-6分隊が混乱状態になった。
Q6のアメリカ軍MMGの射撃でAA2のドイツ軍4-4-7分隊が潰滅した。その残留火力で7-0指揮官が除去され、4-4-7分隊が釘付け状態になった。
Z1にいたアメリカ軍8-0指揮官が混乱状態になった。5-4-6分隊が5-3-6分隊になり混乱状態になった。3-3-7分隊が潰滅した。
Z1から潰走したアメリカ軍は阻止を受けた。
5-3-6分隊が2-2-6半個分隊になった。8-0指揮官が負傷した。
●アメリカ軍プレイヤーターン
雪は相変わらず降り続いている。
U3の部隊が混乱状態なのが大きい。
Z7のドイツ軍はU3に防御射撃するために火力を温存する。
U3で、アメリカ軍8-0指揮官が負傷。5-4-6分隊が5-3-6になり損耗し2-2-6半個分隊になった。5-4-6分隊が混乱状態になった。
潰走しようとしたアメリカ軍2-2-6半個分隊が阻止を受けて潰滅した。
【6】第6ターン(最終ターン)
●ドイツ軍プレイヤーターン
いよいよ最終ターンだ。
雪は相変わらず降り続いている。
U3の部隊が混乱状態なのが大きい。
勝利条件のためには、3個分隊が地図盤西端から突破する必要がある。
ドイツ軍はG5, G6のアメリカ軍に射撃させるために、U6の4-3-6分隊やT10の負傷している8-1指揮官が囮になる。
G6のアメリカ軍は隣接されても射撃しないで我慢する。
Z7にいたドイツ軍(9-1指揮官+4-4-7分隊x2+MMGx2)がW3を通ったところで、G6のアメリカ軍が射撃するが、ドイツ軍は耐えてW1に達した。
ドイツ軍移動終了時点で、3個分隊が地図盤西端から突破成功した。
これで10VPに達した。その他4個分隊と7-0指揮官と9-1指揮官が突撃フェイズには地図盤西端から突破可能なので、ここで終了とする。
【7】勝利条件の確認
上が2VPのユニット。下が1VPのユニット。
2x9+1x1=19VPで10VP以上のためドイツ軍の勝利だ!!
【8】感想
ユニットが少ないが長射程の機関銃があり、展開が面白い好シナリオだ。
移動フェイズにどのユニットから動かすか、臨機射撃をどこでするかの判断が問われる。
最終ターンでP1の分隊は盤外に突破不可能なT3を無視して待つべきだった。
囮はリスクは大きいが、なるべく近い位置まで接近して移動するべきだ。
そうすると、より遠い所を連続臨機射撃できないからだ。
今回2-3-7は隣接しながら進んだが、それでいい。
アメリカ軍は、北部に兵力を移動させようとして、うまくいかなかった。
中部に身を隠す所が少ないので、ドイツ軍の臨機射撃の格好の的となってしまった。
兵力バランスが南に偏っていたので、もう少し北部にも兵力を置いておくべきだっただろう。
ASLは、AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)シリーズと大きく変わったのが移動と防御射撃のやり方だ。
AH『戦闘指揮官』(Squad Leader)だと、移動後まとめて防御射撃したから、囮に引っかからなかった。オプションルールで半同時移動ルールもあったが一般にはあまり使われていなかっただろう。私は好きなルールでソロ・プレイでは使っていた。
ASLでは移動と臨機射撃が同時なので、ユニットを動かす順序次第で戦況が大きく変わる。
移動と臨機射撃が同時に行うルールのため、ASLの方が、ずっと緊張感あふれた展開になるので、このルールについては、私は好きだ。その他のASLのルールは複雑でついていけない点や忘れる点があるのだが・・・。
アメリカ軍は最終ターンのP1の射撃をK1かI1にするべきだった。K1はともかくI1はLOSが通らないかと思ったが今確認すると通る。
P1がI1かK1を臨機射撃していたらアメリカ軍が勝利した可能性が高い。
VASSALのシナリオ4のマップはとてもいい。冬の感じが出ており、麦畑を一々頭の中で無視しなくていい。
ASLSKのシナリオは、相当テストプレイをしているのだろう。どれも一瞬の変化で勝敗が変化して、面白い。
このシナリオも傑作シナリオだ。