Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

ASL Starter Kit #1 Scenario S4 WELCOME BACKを 日本語に訳してみた


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MMP『ASL Starter Kit #1』(ASLSK1)のScenario S4 WELCOME BACKのシナリオカードの日本語訳をしてみた。

 

シナリオタイトルは『おかえりなさい』と言ったところだろうか。

 

1940年の西方電撃戦の時にもドイツ軍はアルデンヌの森を突破し、ルクセンブルクを席巻した。1944年にまたドイツ軍がやってきたから「おかえりなさい」と挨拶しているのだろうか。

 

Google mapではHosingenはこちらだ。

 

 

このシナリオは、バルジの戦いの一場面だ。

 

「Hosingenはどこだろう?」と思って、3W『Hitler's Last Gamble』のマップを見てみた。あった!ヘクス1426だ!

下の写真の、赤いダイスを置いたヘクス

ちなみに黄色いダイスはSt.Vith(サン・ヴィット)、緑のダイスがClervaux(クレルヴォー)、黒ダイスがWiltz(ウィルツ)、

青いダイスがBastogne(バストーニュ)だ。

 

縦に走る赤い線がスカイライン道路なのだろう。
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登場するアメリカ軍第28歩兵師団第110歩兵連隊第3大隊のユニットはどうなっているだろう?第28歩兵師団は第8軍団配下だ。

 

上がHJ『ラスト・ギャンブル』(The Last Gamble)、下が3W『Hitler's Last Gamble』のユニット
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攻撃力1-防御力2-移動力5だ。

配置ヘクスは、HJ『ラスト・ギャンブル』(The Last Gamble)では1527、3W『Hitler's Last Gamble』だと1427だ。

この連隊は、各大隊1ユニットなので、連隊としては、攻撃力3-防御力6-移動力5だ。

 

対するドイツ軍第26国民擲弾兵師団第77国民擲弾兵連隊の戦力はどのくらいだろう?

 


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HJ『ラスト・ギャンブル』(The Last Gamble)では、攻撃力5-防御力6-移動力5だ。配置ヘクスは1426だ。

3W『Hitler's Last Gamble』では、攻撃力4-防御力6-移動力5だ。配置ヘクスは1426だ。

第26国民擲弾兵師団は、第5装甲軍第47装甲軍団配下だ。

3W『Hitler's Last Gamble』の配置
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HJ『ラスト・ギャンブル』(The last Gamble)の配置
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どちらのゲームでもHosingenは既にドイツ軍が占領している。

 

雑談はこれくらいにして、本題のシナリオ和訳に移る。、

 

A Grove of ASLにも和訳がある。

誤訳もあると思うので、正しくプレイするには、オリジナルの英文シナリオを使用してください。

 

 

 

シナリオ・デザイン:チャス・アージェント

 

19441216日、Hosingen、ルクセンブルク28歩兵師団第110連隊は、ルクセンブルクのOur川とClerf川の間に走る狭い尾根を守ることを命令されていた。この連隊は、第28師団のバージニア人に「スカイライン道路」として知られていた道路であるルートN16をまたぐように陣を構えた。その道路はアルデンヌの中にある数少ない舗装された道路の一つだった。15マイル(約24km)にわたって、第110連隊は要塞化された一連の尾根に沿って大の字に横たわっており、多くの場合、装甲部隊や対戦車兵装によって強化されていた。そんな強化点の一つが、K中隊と第103戦闘工兵大隊のB中隊がいたHosingenの町だった。12月16日0525時、集中砲撃が始まり、建物が燃え、一部のトラックが損傷したが、それ以外の点で、アメリカ軍は無傷だった。深い霧で数百ヤード先は何も見えず、朝が進むにつれてアメリカ軍はドイツ軍が陣地を北と南に迂回していく音を聞き始めた。ドイツ軍は砲撃の前に町の東に集合していた第26国民擲弾兵師団第77連隊の部隊であり、クレルヴォーの橋を占領するために移動中だった。0730時頃、霧は晴れ始め、その直後、擲弾兵達は、西へ通じる重要な道路を制圧しようとして、Hosingenを攻撃した。

 

地図盤配置:地図盤yを使用。

 

勝利条件: ドイツ軍は、地図盤西端のI1-Y1またはその間から、10VP以上、盤外離脱させた時点で勝利となる。1個分隊ごとに2VP、半個分隊ごとに1VP、「-1」単独兵は2VP、「-0」と「+1」単独兵は1VPである。

 

バランス:

アメリカ:勝利条件の必要VPを「10」から「12」に上昇させる。

ドイツ:アメリカ軍から1個の火炎放射器を除去する。

 

 

ターン記録表:

アメリカ軍が先に配置

ドイツ軍が先に移動

 

戦闘序列:

アメリカ軍

110歩兵連隊第3歩兵大隊K中隊とM中隊、第103戦闘工兵大隊B中隊の一部[ELR3] 地図盤yの4以上のヘクス列に配置する。

7-4-7 2

6-6-7 1

6-6-6 2

5-4-6 3

10-2 1

8-1

8-0

HMG

MMG 2

FT 2

 

ドイツ軍 

26国民擲弾兵師団第77国民擲弾兵連隊第II大隊の一部[ELR:3] 第1ターンに地図盤東端から登場する。

4-4-7 14

2-3-7 2

9-1

8-1 2

7-0 2

MMG 2

LMG 3

 

特別ルール:

1.攻撃側は、各回復フェイズにDRする。もしDR≧10の場合、降雪となる。もし現在、降雪でありDR≦3の場合、雪が止む。降雪の時は、6ヘクス以上離れた目標への全ての攻撃に+1のLOS妨害がある。

2.全てのアメリカ軍7-4-7分隊は、その煙幕配置指数が+2となる。(例:dr≦5の時、煙幕カウンターを配置できる。)

 

結末:

アメリカ軍の陣地はM中隊の重火器やトラックからとり外された工兵隊の機関銃が守備の一部として配置された。最初の攻撃は、足場を築くことができず、ドイツ軍はHosingenを迂回する必要があり、その間に追撃が行われた。数の上では大きく劣勢で、包囲され弾薬も1日分しか持ってなかったにもかかわらず、アメリカ軍は18日の朝までドイツ軍連隊を相手にHosingenを維持した。注目すべきことに、ドイツ軍に数百人もの損害を与えながら、彼らはわずか20人の死傷者を出しただけであったが、弾薬と物資の不足により最終的には降伏を余儀なくされた。生存者たちは捕虜として歩いていく際、自分達の戦いによって、ルクセンブルクへの二度目のドイツ軍の旅行が費用のかかるものになったことを知り、慰めを受けることができた。