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- p.19 なぜコンピュータなのか? 高田誠
- p.31 新企画1985年ゲーム界はどうなるか!?ゲーム放談
- p.40 コンテストのゲームをみて 審査委員代表 黒田幸弘
- p.43 シミュレイター オリジナルゲームコンテスト 第一回発表
- p.46 Observation Post 中野雅晴
- p.52 新作ゲームガイド「司政官」への反論 有坂純
- p.54 プレイヤーズ・ノート SPI不朽の名作!? 大山宏和
- ゲーム評論は難しい 金井昭典
隔月刊の『SIMULATOR』誌。当時の価格で400円。全67ページ。
p.19 なぜコンピュータなのか? 高田誠
この頃は、コンピュータを使ったウォーゲームの勃興期だからいろいろな使い方があった。
第一世代:ボードの補助システム
SPIが実行しようとしたが、実現しなかった。
第二世代:セントラル・コンピュータ
フライング・バッファロー社の試みだ。マルチプレイヤーズ・ゲームを、大型コンピュータを使ってプレイするようにしたものだ。通信回線が未発達だったため、データ送信は郵便だったそうだ。
第三世代:ボードからコンピュータへ
SSI社(Strategic Simulation Inc.)が発売した『COMPUTER BISMARCK』のように、ボードをコンピュータ上にそのまま移行したようなゲームだ。
第四世代:コンピュータ独自のゲーム
Sir-Tech社の『WIZARDRY』が代表例
コンピュータを使ったウォーゲームやRPGの古き良き時代を思い出す記事だ。
p.31 新企画1985年ゲーム界はどうなるか!?ゲーム放談
大貫昌幸氏、大野正史氏、鈴木銀一郎氏が語る1985年のウォーゲーム界についての感想や希望や提言だ。
この頃はヒストリカル・ウォーゲームのブームが一段落し、RPGやコンピュータ・ゲームが勃興してきた頃だ。
p.40 コンテストのゲームをみて 審査委員代表 黒田幸弘
p.43 シミュレイター オリジナルゲームコンテスト 第一回発表
'84 SIMULATORオリジナル・ゲーム・コンテストの審査状況だ。p.42を見ると、20作の応募があったようだ。
いくつか失格のゲームもあり、その理由も明記されている。
p.46 Observation Post 中野雅晴
SPI倒産後、どうなったか、海外の状況をまとめている。TSR社の近況。ダニガンがゲーム・デザインをしていないこと。そして、何と言っても、『戦闘指揮官』(Squad Leader)のデザイナーであるジョン・ヒルの近況が書いてある。彼はもともとイリノイ州ノーマルという町で、CONFLICT GAMES社を起こしたが、洪水被害で、商売を続けられなくなり、GDWに作品を売り渡し、BOYNTON & ASSOSIATESというゲーム問屋に就職しゲーム・デザインは副業だそうだ。そして南北戦争のアクチュアル・ウォーゲーム・ルールをデザインしたそうだ。
p.52 新作ゲームガイド「司政官」への反論 有坂純
SIMULATOR誌第12号に載ったTH『司政官』に対する反論だ。
第12号の批判は、主に次の3点で、有坂純氏がそれぞれに対して反論している。
①経済ポイント(EP)にかたより過ぎ 売上計算ゲームに近い
②暴動やテロ行為に対してVPがもたらされる理由がわからない
③司政官プレイヤーはまるでとってつけたような、プレイヤー間のバランス・オヴ・パワーを保つためだけに存在する
①戦略級ゲームでは当たり前
②「圧迫される者が、その圧力を払いのけようとする行いは自然なこと」と反論する。反乱軍に相当するプレイヤーは、デモやテロや反乱を起こして、独立するのが目的なのだから、暴動やテロ行為によるVP獲得は当たり前だろう。有坂氏はこの点について、アメリカ独立戦争やセポイの反乱(最近はインド大反乱と呼ぶらしいが1984年だとセポイの反乱と呼んでいた)やインディアンを例に挙げて強い調子で反論している。
『司政官』はプレイしたことのないゲームだが、第12号の記事と有坂氏の記事を読み比べると、前者は感想の域を出ていないのに対し、有坂氏はきちんと論理立てて説明しているので、私は、有坂氏に軍配を上げる。
p.54 プレイヤーズ・ノート SPI不朽の名作!? 大山宏和
ゲーム評論は難しい 金井昭典
SIMULATOR誌第12号に載ったSPIの西部戦線シリーズに対する意見や反論だ。
ゲーム評論は、コマーシャリズムに乗ってはいけないし、かといって一面的な見方で感想を述べるのもいけない。
プレイしないでゲーム評論を書くのは、商用雑誌としてはまずいだろう。
ゲーム評論の難しさがよくわかる。
次号も楽しみだ。