Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第53号(1988/4/1)


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タクテクス』(TACTICS)第53号(1988/4/1)を読んでみた。

特集は「アメリカの時代ーゲーマーのためのアメリカ史ー」

アメリカ発見(※)から独立、開拓、南北戦争、現代戦から未来戦と、アメリカの歴史とウォーゲームを紹介する特集。

(※)コロンブスによるアメリカ発見前にネイティブアメリカンがいたので、コロンブスによるヨーロッパ人によるアメリカ発見が正しい。それもデンマーク人やバイキングが先に発見していた、という話もあるが・・・。この雑誌が発行された頃は、コロンブスによるアメリカ到達をアメリカ発見と呼んでいたので、ここでも、雑誌発行時の記述を優先してそう記載した。

 

付録ゲームは<TSR/SPI>の『アラモ』(The Alamo)

表紙は、VG『大戦略南北戦争』(The Civil War 1861-1865)の1863年の地図だそうだ。

 

目次は次の通り


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p.4 特集 アメリカの時代

アメリカの歴史を振り返りつつ、その時代をテーマにしたウォーゲームを多数紹介している。最近、国際通信社から再版されたSPI『ブルー&グレイ』(Blue & Gray) も載っていた。

 

p.10 Alamo Battle Report ムーヴズ誌60号より ジョージ・シャンデル 抄訳 岡崎友三

「アラモ」は聞いたことはあったが、細かいことは知らなかった。日本と一番関係が深いアメリカの歴史だが、ほとんど何も知らないのだなぁ、と改めて思った。

 

p.15 PATTON'S BEST by A. Ichikawa

プレイヤーがシャーマン戦車の車長になって戦い抜くという1人用ゲームだ。

今だとこういうのはPCやネットで、美しい動画と音で楽しめるのだろうなぁ。

 

p.16 太平洋の嵐 by Shinichi Yamada

コンピュータ・ゲームの『太平洋の嵐』の紹介記事だ。このゲームはWindows版でプレイしたことがあるが、第一作目はこれだったのだなぁ・・・。

 

p.22 新世界アメリカ 合衆国の夜明け 斎藤勇一

コロンブスによる「アメリカ発見」から独立戦争までのアメリカの歴史について、簡潔にまとめている。合わせてその戦いをテーマにしたウォーゲームも紹介している。

 

p.26 ゲームとテーマ そしてAmerican Civil Warへの誘い 島田倫人

アメリ南北戦争の説明とウォーゲームの紹介記事だ。

読むとほしくなってしまう・・・・うぅ~~~~。

 

p.34 南の島の海兵隊 黒木茂

アメリ海兵隊の歴史解説。

海兵隊の強さの秘密は、「失敗からも成功からも等しく学ぶことのできる、自己革新的、自己超越的な組織の代表であった」という部分が印象に強く残った。

「これは日本軍という組織に一番欠けていたと言われている点でもありました。」というのは、残念ながらその通りだと認めざるを得ない。

 

p.41 古今東西珍本暇談 黒澤慶助

新連載だが、これは面白そうだ。第1回は、1945年8月20日の『ライフ』誌。

原子爆弾に関する記事や天皇の戦争責任についての論文が注目記事だ。だが、音楽、部隊、芸術など戦争と無関係な記事が4割もあるのだそうだ。「子ども向けの漫画ごときに大事な紙やインクを供給できない」ということで連載打ち切りとなった日本の『のらくろ』とは大違いだ。

 

p.44 激闘96時間!! <TSR/SPI/HJ>”大西洋の壁"アクションレポート 寺中武裕

ノルマンディー上陸作戦を扱った有名なビッグ・ゲームだ。

私は手を出さないだろうが、96時間のリプレイ記事は壮観だ。

 

p.48 石川輝の実践戦術教室 第4回 防御編 石川輝

防御の考え方がよくわかる。わかるのだが、頭の弱い私には、いい防御の仕方と悪い防御の仕方を、実際のゲーム盤上にユニットを配置して、説明してくれると嬉しい。

ちょうど、p.71の「シミュレーションゲーム プレイングマニュアル」のように。

 

p.66 海戦戦術入門 1空母戦術 瀬戸利春

これも楽しみな新連載記事だ。

索敵や高度、陣形や戦況図など、図が盛りだくさんだが、内容を盛り込み過ぎなのが残念。それぞれ1回分のテーマにして、より詳しく書いてほしかった。

 

p.71 シミュレーションゲーム プレイングマニュアル(II) 戸島毅

作戦級の攻撃例について実際のゲーム盤の写真を使っての解説でわかりやすい。

 

p.74 新書英雄伝 ペルシア戦争諸将列伝 有坂純

世界史で習った「僭主」というのがよくわからなかったが、「僭主(タイラント)というのは、軍事クーデターや政敵の追放などの手段によって政権をわがものとした独裁者、簒奪者のことで、多くの場合、あまりいい意味では用いられない。」という説明があった。今回はそんな僭主の一人、アリスタゴラスをとりあげている。

こういう人物列伝は面白い!!

 

p.78 戦国時代の戦略と戦術 軍事的に見た戦国史 福田誠

戦国時代の実際の戦い方や、軍事組織として槍や鉄砲や刀などの武器をどのように使ったかが、よくわかり面白い。

 

p.83 広告ページ

「背が伸びる長身資料セット 無料進呈」という懐かしい広告があった。現在だと不当広告として掲載できないだろうが、昔はいろいろな雑誌に広告が出ていたなぁ。

 

p.101 大戦略南北戦争 斎藤勇一

簡潔なヒストリカルノートとリプレイ記事だ。実際のゲーム盤とユニット配置がないのが残念だが、これまで手を出していなかった南北戦争ゲームへの興味が湧いてきた。