Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

『コマンドマガジン』173号(2023/10/20)を読んでみた

 

 

国際通信社の『コマンドマガジン』第173号を読んでみた。

付録ゲームは『群燕のルフトヴァッフェ』(Goering's Jet)だ。デザイナーは、タイ・ボンバ氏だ。

ドイツ軍がスターリングラード北アフリカやノルマンディーで死守せず、戦力を温存しつつ後退した時の仮想戦だ。日本軍は史実通りに敗戦を迎え、B29や原子爆弾がヨーロッパに回されドイツ上空でジェット機と戦った場合の仮想戦だ。

 

設定が面白い。

 

 

目次は次の通り

 





p.22 戦史無駄ばなし 仮構を支える史料-ドイツ国防軍の文書はどうなったか 大木毅
戦争で敗北した側は敗北前に公文書を処分したり、戦勝国の攻撃でなくなったりするものだ。ドイツの場合、海軍の文書が比較的多く残されているそうだ。空軍が最も多く破棄されたそうだ。

 

p.24 Next Issue 血戦 川中島

次号は、SSシリーズの一作『信玄vs謙信 川中島血戦』だ。これは楽しみだ。

 

p. 30 新シミュレーションゲーム批判序説 孤独な巨人、ジム・ダニガンのシミュレーションとゲーム Part11 ーダニガン、その他のゲーム 高梨俊一

ダニガンがウォーゲーム以外をデザインしているのには驚いた。

特にAH『アウトドアサバイバル』(Outdoor Survival)や、SPI『デモンズ』(Demons)や、SPI『パンドラ号の遭難』(The Wreck of the B.S.M. PANDRA)や、SPI『タイムとリッパー』(Time Tripper)やSPI『ダラス』(Dallas)!!『国際紛争の読み方』の英語タイトルがA quick and dirty guide to warで、直訳すると『やっつけ仕事の戦争ガイド』となるのも驚いた。

 

p.48 F-16【新装丁番】追加シナリオ ACT.9ラスト・ミッション ヨーロッパ上空1946 シナリオ制作/じんぼただとし

今号の特集に合わせて、P-80やMe-262のデータカードが付属しており、シナリオ1本がついている。

 

p.54 ウォーゲーム・メカニクス 第21回 ZOC 文/堀場亙

今回はZone of ControlいわゆるZOCだ。

ZOCの影響のまとめという評がわかりやすい。

縦軸にZOCの侵入、離脱、ZOC to ZOC、戦闘、敵ZOCへの退却、補給/連絡の各項目がある。

横軸は左側が強くて、右側が弱い。

例えば、ZOC to ZOCでは、強が「不可」で、弱は「可」で、間は「移動力消費で可」だ。

ZOCはウォーゲームを成立させている重要なメカニズムだと私は思うが、ZOCにも問題があるとの指摘があって驚いた。

「戦線の効果を最大限に発揮するため、ユニットを適切に配置することに没頭しがち」で、「攻勢によって綻びた戦線を、ユニットを整然と後退させつつ綺麗に構築し直す」という「「駒さばき」の巧拙がゲームの勝敗に寄与する」ことが問題だという。

 

「えぇ~!?そういう考え方もあるのか?」と驚いてしまった。私は「ウォーゲームは現実ではなく、あくまでゲームだから、どこかで現実と折り合いをつけないといけないから仕方ない」と思っていた。

堀場氏も「もっとも、ウォーゲームはあくまで「ゲーム」ですからリアルではなく、大事なのはリアリティだと考えます。そう考えると、ZOCはじつに良く簡略化されたメカニズムだと感じます。」と書いていた。

 

p.58 あなたの知らない(かもしれない)戦争マンガの世界 第35回 自伝板垣恵介自衛隊秘録~わが青春の習志野第一空挺団~ なまえしゅういち

 

習志野第一空挺団は、私はその訓練で、輸送機から降りるパラシュートを、毎日学校の窓から眺めながら過ごした思い出の部隊だ。

これは読まねば!!

 

p.60 オンラインパッチ 野獣げぇまぁ拡大版[第76回] 徳岡正肇

コンピューターゲームだとリリース後、バグが発見された場合、オンラインでパッチが出る。これは便利以外のなにものでもない、と思っていた。しかし徳岡正肇氏によると、「常に最善ではなく、ときに邪悪でもある」のだそうだ。

「ゲームは嗜好品であり「カドが取れた」という言葉は必ずしも「良くなった」を意味しない。」「10年、20年という単位での作戦研究が、パッチ1つで吹っ飛ぶ可能性は否定できない。」という。

「なるほどなぁ~」と納得させられた。

 

p.62 NEW COMERS

今号は、国際通信社から発売直後の『タイフーン作戦』(Operation Typhoon)と『三国志演義 コンプリートエディション』の紹介記事だ。自社のゲームの宣伝が必要なのはわかるが、他社のゲームがないので、少し残念だ。