Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

K2P『日本機動部隊』をもとに、レンネル島沖海戦のソリティア・シナリオを作ってみた


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1982年にエポック社から発売された『日本機動部隊』は、大好きなゲームの一つだった。2019年にJapan War Game Classicsの一つとして発売された。

 

日本軍の南東方面艦隊司令長官と第11航空艦隊司令長官を兼任する草鹿任一中将の立場に立った、レンネル島沖海戦のソリティア・シナリオを作ってみた。

 

【1】背景

 ガダルカナル島を巡る激戦が続いていたが1942年(昭和17年)12月31日、ついに日本軍はガダルカナル島からの撤退を決定した。日本軍は1月2日、駆逐艦10隻によるドラム缶輸送を成功させた。9日、14日にも駆逐艦9隻による輸送を成功させた。さらに撤収援護の1個大隊900名の揚陸にも成功した。また基地航空隊が1月20日から夜間爆撃を実施していた。

 米軍も日本軍飛行場に艦砲射撃や空襲を加えていた。

 日米の戦争が始まり約2ヶ月経った。劣勢のアメリカ軍空母は、この時期、日本軍基地にヒット・アンド・アウェイの攻撃をかけていた。

 1943年(昭和18年)1月29日、第751海軍航空隊(751空)の哨戒機がガダルカナル島南方300kmのレンネル島東方に敵艦隊を発見した。ロバート・C・ギャッフェン少将率いる第18任務部隊(TF18)で、海兵隊員と交代する兵員などを輸送中の輸送船団と護衛艦隊だった。さらに500km離れた海域に空母「エンタープライズ」「サラトガ」の他、戦艦3隻、巡洋艦12隻、駆逐艦25隻の大艦隊がいたが日本軍はそれは発見できなかった。

 TF18は駆逐艦4隻と合流後、日本艦隊の突入を防ごうと展開していた。

 

 ラバウルから、705空の一式陸攻16機と701空の96式陸攻22機、合計38機がラバウルから出撃した。

 日没から約30分後の1719、705空の16機が襲いかかった。闇が深まる中、今度は701空が襲いかかり15機が雷撃を敢行した。

 「シカゴ」に2本の魚雷が命中し、機関が完全に停止し、旗艦「ウィチタ」と「ルイヴィル」に命中した魚雷は不発だった。705空が1機、701空は2機を失った。

 

 翌30日、「シカゴ」を「ルイヴィル」が曳航していた。草鹿任一中将は再建中の751空の出撃中止を命令したが、第一空襲部隊が独断で一式陸攻11機を1015時にブカから出撃させた。1406、レンネル島北方15kmで敵艦隊を発見し、襲いかかったが、上空にいた10機の護衛戦闘機によって3機が撃墜された。残った8機が「シカゴ」に4本の魚雷を命中させ撃沈した。しかし対空砲火で4機の陸攻機が撃墜され、残った4機も被弾していた。

 この時の「シカゴ」の対空砲火には近接信管が使われた。

 

【2】シナリオ

日本軍の立場に立ったソリティアゲームである。

 

■史実シナリオ

1.使用する盤とユニット

 盤:なし

 ユニット

  日本軍

   夜間ターン(第11ターン)

    第701海軍航空隊 96式陸攻2.5ユニット

    第705海軍航空隊 一式陸攻2ユニット 

 

   昼間ターン(第15ターン)

    第751海軍航空隊 一式陸攻1.5ユニット

   

   日本軍はすべて雷装のため攻撃力は6として戦闘を解決する。

 

  連合軍(艦隊編成表のNo.1にセットアップ)

   重巡 ウィチタ(ニューオリンズで代用)、シカゴ、ルイヴィル

   軽巡 クリーブランド(ホノルルで代用)、コロンビア(ヘレナで代用)、モントピリア(セントルイスで代用)

   駆逐艦4ユニット

 

   昼間ターン(第15ターン)

    F4F 1ユニット

 

2.セットアップ

 連合軍艦艇は、艦隊編成表のNo.7に任意にセットアップする。1隻配置できないユニットがあるが、はみ出してもかまわないので一列に並べる。

 日本軍の航空機ユニットは盤の空いている所に置く。

 進行表のターン表示の11のマスにターンマーカーを置く。

 索敵チットは使用しない。

 

3.ゲームの手順

 夜間ターンと昼間ターンの2ターンだけである。

 

 1. 『日本機動部隊 ルールブックVer1.0.1』シナリオ1真珠湾攻撃のp.5からp.8を参照して、次の手順を実施する。ただし最初から対空砲火を受けるものとする。

  1.空中戦ー迎撃(昼間ターンのみ)

  2.空中戦ー組み合わせ(昼間ターンのみ)

  3.空中戦ー戦闘結果(昼間ターンのみ)

  4.爆撃ー攻撃目標の決定

  5.爆撃ー対空砲火

  6.爆撃ー戦果の決定

 

 夜間ターンが終了したら、ターンマーカーを15に移動し、昼間ターンに進む。

 

4.特別ルール

 1.夜間ターンは、日本軍の対艦攻撃表による攻撃ではダイスの目+1の修正を行う。

 2.「シカゴ」は近接信管で対空射撃したので、「シカゴ」が加わった対空砲火の場合、結果についてn+1/mとする。例えば、対空能力の合計5-6でダイスが3の場合、2/0が、2+1となり3/0となる。

 

5.勝利条件

下の表に従って戦果の得点を合計する。 

 

陸攻 

   1ユニット撃墜 -1

   0.5ユニット撃墜 -0.5

 

  撃沈 大破 中破 小破
重巡(CA) 3 2 1 0
軽巡(CL) 2 1 1 0
駆逐艦(DD) 1 0.5* 0.5* 0

*表が裏になった状態

 

合計点

  2点以上 日本軍の勝利

  0.5点以上2点未満 引き分け

  0点以下 米軍の勝利