1982年にエポック社から発売された『日本機動部隊』は、大好きなゲームの一つだった。2019年にJapan War Game Classicsの一つとして発売された。
アメリカ軍司令官W・ブラウン中将の立場に立った、簡単に短時間でプレイできるソリティア・シナリオ、ニューギニア沖海戦を作ってみた。
【1】背景
日米の戦争が始まり約2ヶ月経った。劣勢のアメリカ軍空母は、この時期、日本軍基地にヒット・アンド・アウェイの攻撃をかけていた。
昭和17年2月20日(1942年2月20日)、W・ブラウン中将率いる第11任務部隊が、ラバウルの日本軍基地を襲撃しようとしていた。
空母はレキシントン。護衛の重巡は、インディアナポリス、ミネアポリス、サンフランシスコ、ペンサコラの4隻。駆逐艦10隻だ。
0900 哨戒していた97式飛行艇がアメリカ艦隊を発見した。
日本は第24航空戦隊第4航空隊が出撃する。
この航空隊は編成まもないため、戦闘機の増槽がなく魚雷も無かったため爆装して護衛戦闘機なしで出撃した。
1435 第24航空隊第2中隊の一式陸攻9機が攻撃するが、上空直援のF4Fに2機を撃墜され残った7機も対空砲火で撃墜される。
1500 第1中隊の陸攻8機がアメリカ艦隊上空に到達するが、3機がF4Fによって爆撃前に撃墜された。結局、無事帰還したのはわずか2機だけだった。
2度にわたって一式陸攻の爆撃を受けたレキシントンは、爆弾を巧みにかわし無傷だった。しかし、攻撃は中止して引き揚げた。
【2】シナリオ
史実シナリオとifシナリオがある。
■史実シナリオ
1.使用する盤とユニット
盤:ソリティアゲームなので使用しない。
ユニット
日本軍
第24航空戦隊 一式陸攻 2(すべて爆装) (鹿屋の雷装一式陸攻で代用)
日本軍はすべて爆装のため攻撃力は2として戦闘を解決する。
連合軍(艦隊編成表のNo.1にセットアップ)
空母 レキシントン
重巡 インディアナポリス、ミネアポリス、サンフランシスコ、ペンサコラ
(史実では、駆逐艦 5ユニットも参加していたが、本シナリオでは使用しない)
F4F 3ユニット
2.セットアップ
連合軍艦艇は、艦隊編成表のNo.1に任意にセットアップする。
F4F 3ユニットを連合軍航空機は位置表のNo.1の着艦に配置する。
日本軍の航空機ユニットは盤の空いている所に置く。
進行表のターン表示の6のマスにターンマーカーを置く。
最後に54個の索敵チットを何かの入れ物か袋に入れる。
3.ゲームの手順
3.1 移動フェイズ
『日本機動部隊 ルールブックVer1.0.1』p.14 4.3.2[航空機ユニットの移動]を参照してF4Fを移動させる。
3.2 爆撃フェイズ
1. 索敵チットを引く。
「発見」が出たら一式陸攻1ユニットがアメリカ艦隊を攻撃する。
「艦種誤認」が出たら一式陸攻2ユニットがアメリカ艦隊を攻撃する。
「?」が出たらアメリカ艦隊は攻撃を受けない。
2. 一式陸攻がアメリカ艦隊を攻撃することになった場合、『日本機動部隊 ルールブックVer1.0.1』p.14からp.15を参照して、次の手順を実施する。
4.3.3[空中戦ー迎撃]
4.3.4[空中戦ー組み合わせ]
4.3.5[空中戦ー戦闘結果]
4.3.6[爆撃ー攻撃目標の決定]
4.3.7[爆撃ー対空砲火]
4.3.8[爆撃ー戦果]
3.3 ターン進行フェイズ
一式陸攻2ユニットが登場していない場合、ターンマーカーを次のターンに進める。
4.勝利条件
下の表に従って戦果の得点を合計する。
一式陸攻 2ユニット撃墜 +2
1ユニット撃墜 +1
0.5ユニット撃墜 +0.5
撃沈 | 大破 | 中破 | 小破 | |
空母(CV) | -4 | -3 | -2 | -1 |
重巡(CA) | -2 | -1 | 0 | 0 |
合計点
2点 アメリカ軍の勝利
1点 引き分け
0点以下 日本軍の勝利
■ifシナリオ
史実では増槽がなかったため、零戦隊を護衛につけることができなかった。また魚雷がなかったため、仕方なく水平爆撃になった。
もし、零戦隊を護衛につけられたら、もし一式陸攻隊が雷撃できたら、というシナリオである。
ユニット
零戦隊2ユニット
一式陸攻雷装
3.2 爆撃フェイズ
以下のように変更する。
「発見」が出たら全ユニットがアメリカ艦隊を攻撃する。
「艦種誤認」「?」が出たらアメリカ艦隊は攻撃を受けない。