Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

史実以上の悲劇!! K2P『日本機動部隊』自作シナリオ「ビスマルク海海戦 ダンピール海峡の悲劇」 バトル・レポート(AAR)


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1982年にエポック社から発売された『日本機動部隊』は、大好きなゲームの一つだった。2019年にJapan War Game Classicsの一つとして発売された。

ゲーム盤やユニットのデザインがカラフルで美しくなってて嬉しい。

ルールブックもカラフルかつ例が豊富でわかりやすい。

 

自作シナリオ『ビスマルク海海戦 ダンピール海峡の悲劇』を作ってみた。

今回は、それをプレイしてみたバトル・レポート(AAR)である。

 

自作シナリオはこちらのリンク先を参照。

haruichiban0707.hatenablog.com

 

史実では日本軍輸送船団は壊滅したが、どうなるだろうか?

 

 

 

【0】初期配置

初期配置は次の通り。
ダミーマーカー含めて12個をラバウル(0704)にスタックしている。
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日本軍は史実どおり、8隻の輸送船を8隻の駆逐艦で護衛する。
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【1】第1ターン(1943/03/02 0000)

日本軍は5ヘクスに2ユニットずつ移動した。実際に何隻の輸送船団が出港したか、どんな艦隊に分かれているかは連合軍にはわからない。

史実では2月28日2330に出港しているが、ゲームらしくするため、3月2日ラバウル出港にしている。

史実では9ノットでラエを目指したようだ。


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【2】第2ターン(1943/03/02 0300)

日本軍の艦隊マーカーがニューブリテン島を挟むように移動する。史実では地図盤左のビスマルク海を輸送船団は通ったが、果たして史実通りに移動しているのだろうか?それとも史実とは異なった移動をしているのか?もしかしてまだラバウル(0704)を出港していないのだろうか?

連合軍索敵機からは何も連絡がない。
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【3】第3ターン(1943/03/02 0600)

夜が明けた。

日本軍艦隊マーカーはニューブリテン島の左右に綺麗に分かれた。

「0606地点、敵影見ズ」と索敵機からの連絡が米軍司令部に入った。

「ニューブリテン島東岸、0806地点、敵駆逐艦8隻、敵輸送船8隻発見!!南に向けて移動中。速度約9ノット!!」とかなり詳細な情報が米軍司令部に入ってきた。

「暗号情報どおりだな。」と米軍第5空軍司令官G・C・ケネー中将が、副司令官のエニス・ホワイトヘッド准将に話しかけた。

「そうですね。ビスマルク海側を通ると思っていましたが、賭けは私の負けですな。」とホワイトヘッド准将が答える。

「ふふふ。ブナ、ラビ、ポートモレスビーからB25隊発進だ。例のスキップ・ボミングを試してこい!!」とケネー中将が命令した。

 

その頃、日本艦隊では木村昌福少将が、上空にいる米軍索敵機を見上げながら、「見つかったか・・・」とつぶやいた。「全艦、対空戦闘用意」と命令した。


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【4】第4ターン(1943/03/02 0730)

 

日本軍は前進する。

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0906から「敵影見ズ」の報告が米軍司令部に入ってきた。

日本軍艦隊の上空には27機の零戦隊が直援している。

零戦隊があれだけ上空にいるのは頼もしいな。」と木村昌福少将がつぶやいた。「だが、問題は上空直援が交代するときだ。そのスキに米英軍が来なければいいが・・・」

 

 

【5】第5ターン(1943/03/02 0900)

日本軍輸送船団はラエに向かって前進する。

「残り600km(8ヘクス)か。無事であればいいが・・・」と自慢のヒゲに触りながら木村昌福少将がつぶやく。

すると、零戦隊が軽くバンクして、エンジンをフルスロットルにして上昇を始めた。どうやら敵機を発見したようだ。

「P38、P40が50から60機(6ユニット)、正面から来ます!」と見張り員の叫び声が聞こえた。

木村昌福少将が双眼鏡を眼に当てる。

「来たか・・・。総員対空戦闘用意!!」木村昌福少将が命令する。駆逐艦のエンジン音が高まる。


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零戦隊は高空を飛ぶP40やP38に襲いかかる。

実際にはP40が27機、P38が27機の合計54機だ。日本側零戦隊はちょうど半分の27機だ。

あちこちで激しい空中戦になった。零戦の20mm機銃が命中しても頑丈なP40やP38がなかなか落ちない。

「この鈍重なペロハチめ!!このやろう!」零戦隊が2倍の米軍戦闘機隊と激しい空中戦をしている。

次から次へとP40やP38が落ちていく。零戦隊も前にいる敵機を追っているうちに背後に忍び寄られて、一撃を受けて海面に落ちていく。

「う~む。さすがに多勢に無勢で苦しいな。」と木村昌福少将がうなる。

 

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零戦隊は2.5ユニット(22機)撃墜された。米軍も2.5ユニット(22機)撃墜された。

ダイスから下が撃墜された零戦隊だ。米軍側は5ユニットがステップロスしている。
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上空の戦闘機同士の激戦に眼を奪われていた駆逐艦「白雪」の艦橋で双眼鏡で戦況を見守る木村昌福少将だった。とその時、見張り員が叫んだ。

「前方右舷から敵双発爆撃機が低空より侵入!!」

木村昌福少将が双眼鏡をその方向に向けると、B25とA20が低空から高速で向かってくる。

「しまった!戦闘機は零戦隊を引き剥がすための囮だったか!対空砲火撃て!撃て!」と木村昌福少将が後手に回ったことを悔やみながら命令した。


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最後尾の「太明丸」「野島」にB25とA20が18機で襲いかかる。

駆逐艦「敷浪」「浦波」の対空砲火が敵機の周囲に直進する。

対空砲火は1火力ダイス1で対艦攻撃のダイス修整+1だ。

対艦攻撃力6でダイスは6+1=7で損害は5だ!!

両艦の対空砲火をものともせず、B25とA20が次々と低空から爆撃する。

落とした爆弾が海面でスキップする。

「なんだ!?やつら下手くそだな。魚雷が海面で石投げみたいに弾かれているぞ」と対空砲火を撃っている兵士が嗤う。

しかし、米軍爆撃機が放ったのは魚雷ではなく、爆弾だった。海面を飛び跳ねて輸送船「太明丸」の甲板に当たると爆発した!!

「野島」の甲板にも海面を

スキップした爆弾が命中した。

「何だ、あれは?奴らわざと海面でバウンドさせていたのか!?」さっき嗤った兵士が驚く。

次々と米軍機が「太明丸」「野島」に爆弾を命中させた!!激しい爆発とともに両船が沈んでいった。

 

B25、18機が「旭盛丸」「大井川丸」に襲いかかる。

対空砲火は火力2でダイスは1で対艦攻撃ダイス修整+2だ。

対艦攻撃力6でダイスは1+2=3で損害9だ!!

「旭盛丸」「大井川丸」も反跳爆撃であっという間に轟沈した!!

 

B25、18機が「愛洋丸」「建武丸」に襲いかかる。

対空砲火は火力2でダイスは3で対艦攻撃ダイス修整+1だ。

対艦攻撃力6でダイスは3+1=4で損害8だ!!

「愛洋丸」「建武丸」も反跳爆撃であっという間に轟沈した!!

 

下の写真でダイスの下、No.9に配置した3ユニットのAK(輸送船)が今回沈んだ6隻だ。
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「0606地点に敵影見ズ」

「0806地点に敵影見ズ」と米軍司令部に索敵機から連絡が届いた。


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【6】第6ターン(1943/03/02 1030)

8隻中6隻をあっという間に失った木村昌福少将は苦渋の表情だ。沈められた輸送船の救助にあたる。この後、前進するか、このままラバウルに引き揚げるか、悩む木村昌福少将だった。

陸軍首脳部は前進するように木村昌福少将に意見を言う。艦隊の参謀達は、このまま前進しても被害が増すだけだから引き揚げるように、と意見具申する。

 

米軍司令部は敵輸送船20隻撃沈の報が入っており、歓声が上がっていた。

「嘘だろ?輸送船は全部で8隻のはずだ。」と嬉しい悲鳴をあげるケネー中将だった。

「今残っている輸送船の隻数を連絡するように索敵機に伝えろ。」とホワイトヘッド准将が部下に伝える。

「それはもう聞いています。残り2隻だそうです。」と部下が答えた。

 

日本艦隊上空には零戦隊27機(3ユニット)、P38が18機(2ユニット)、P40が36機(4ユニット)、B17が18機(2ユニット)、A20が18機(2ユニット)だ。


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零戦隊が2.5ユニット(22機)が撃墜された。米軍は2ユニット(18機)が墜ちた。
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B17が高空から水平爆撃で日本軍駆逐艦を攻撃する。

対空砲火は届かない。対艦攻撃力4でダイスは3で損害は5だ。

駆逐艦「敷浪」「浦波」の周囲に爆弾の雨が降り、水柱があちこちに立ち上がる。

水柱が崩れ落ちた時、両艦は既に海の藻屑となっていた。

 

B17が18機、高空から水平爆撃で日本軍駆逐艦を爆撃する。

対艦攻撃力4でダイスは1で損害は7だ。

駆逐艦雪風」「時津風」が爆弾の雨の中で沈んだ!!
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残った輸送船は2隻(1ユニット)、駆逐艦は4隻(2ユニット)だ。

A20が駆逐艦「白雪」「朝雲」に低空から反跳爆撃を仕掛けて突進する。

対空砲火1でダイスは6で効果なしだ。

A20の反跳爆撃は対艦攻撃力6でダイスは4で損害8で「白雪」「朝雲」も沈んだ。

木村昌福少将も海中に吹き飛ばされた。
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「地点0506に敵影見ズ」

「地点0906に敵影見ズ」と米軍司令部に連絡が入った。

 

【7】第7ターン(1943/03/02 1200)

木村昌福少将が海中から救助された。

しかし指揮権は残った第八駆逐隊の「朝潮」に移っていた。

陸軍からは、あくまで前進してラエに向かう旨の依頼が来ており、残った駆逐艦朝潮」「荒潮」と輸送船「神愛丸」「帝洋丸」は前進する。


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日本軍は零戦隊3ユニット(27機)、連合軍はP38とP40が6ユニット(54機)、ボーファイター18機(2ユニット)、A20が9機(1ユニット)だ。


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日本軍零戦隊は連日の出撃で疲労が蓄積していた。

2ユニット(18機)が墜ちていった。それに対して、米軍は1ユニット(9機)の損害だった。

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オーストラリア軍のボーファイターが輸送船2隻に襲いかかる。


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対空砲火は火力1でダイスは4効果なしだ。対艦攻撃力6でダイスは4で損害8で日本軍の輸送船「神愛丸」「帝洋丸」が沈んだ。

残った駆逐艦朝潮」「荒潮」にA20が9機で反跳爆撃で襲いかかる。

「敵は例の石切爆撃で来るぞ。機銃弾を命中させて石切爆撃をさせないぞ」と機銃班の兵士が叫ぶ。

対空砲火の火力は1でダイスは5で効果なしだ。

対艦攻撃力3でダイスは1で損害4だ。

反跳爆撃の爆弾が海面で跳ねた。

「来るぞ!」機銃班の兵士が叫んだ。

爆弾がちょうど機銃の所に跳ねてぶつかった。そして爆発した。機銃弾に火をつけ吹き飛ばした。さらに1発が、魚雷発射管に命中した。魚雷に引火・爆発した。艦体が真っ二つに裂けて「荒潮」が沈んだ。

朝潮」にも反跳爆弾が3発命中し、大音響と共に吹き飛び、沈没した。

朝潮」「荒潮」とも撃沈された。

 

 

 

【8】勝利条件の確認

ラエ(19XX列)に到着した日本軍輸送船は0ユニットで勝利条件の2ユニット未満のため、連合軍の勝利だ。

 

【9】感想

日本軍艦隊が早く見つかってしまったため、連合軍の波状攻撃で日本軍は全滅した。

 

日本軍の損害は輸送船4ユニット(8隻)、駆逐艦4ユニット(8隻)、零戦7ユニット(63機)

米運の損害は、P40、P38、5.5ユニット(50機)だった。

 

日本軍は全滅し史実以上の悲劇になった。

だが、逆に言うと見つからなければ、何とか移動できるかもしれない。

第5ターンに攻撃開始して第7ターンまで3回の波状攻撃で日本軍が全滅したので、攻撃が2回ならば、日本軍は耐えられるだろう。

 

艦隊を分割すると発見されずにラエ(0111)までたどり着く可能性があるだろう。

 

今度は日本軍の艦隊を分割してラエを目指してみたらどうなるか、試してみたい。