Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

輸送船団を分割したらどうなるか? K2P『日本機動部隊』自作シナリオ「ビスマルク海海戦 ダンピール海峡の悲劇」 バトル・レポート(AAR)その2

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1982年にエポック社から発売された『日本機動部隊』は、大好きなゲームの一つだった。2019年にJapan War Game Classicsの一つとして発売された。

ゲーム盤やユニットのデザインがカラフルで美しくなってて嬉しい。

ルールブックもカラフルかつ例が豊富でわかりやすい。

 

自作シナリオ『ビスマルク海海戦 ダンピール海峡の悲劇』を作ってみた。

今回は、それをプレイしてみたバトル・レポート(AAR)である。

前回、8隻の輸送船と8隻の駆逐艦を1つの艦隊にまとめて3波の攻撃を受けて全滅した。

今回は、2隻(1ユニット)の輸送船に2隻(1ユニット)の駆逐艦をつけて4隊に分割してみた。

 

自作シナリオはこちらのリンク先を参照。

haruichiban0707.hatenablog.com

https://haruichiban0707.hatenablog.com/entry/2024/07/11/180000

前回のバトル・レポート(AAR)はこちら。

haruichiban0707.hatenablog.com

https://haruichiban0707.hatenablog.com/entry/2024/07/18/180000

 

分割した場合、果たしてどうなるだろうか?

 

【0】初期配置

初期配置は次の通り。
ダミーマーカー含めて12個をラバウル(0704)にスタックしている。
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日本軍は史実とは異なり、8隻の輸送船を2隻ずつ4隊にし、それぞれを2隻ずつの駆逐艦で護衛する。

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【1】第1ターン(1943/03/02 0000)

日本軍は4ヘクスに10ユニットが移動した。2ユニットは移動しなかった。実際に何隻の輸送船団が出港したか、どんな艦隊に分かれているかは連合軍にはわからない。


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【2】第2ターン(1943/03/02 0300)

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日本軍の艦隊マーカーがニューブリテン島を挟むように移動する。史実では地図盤左のビスマルク海を輸送船団は通ったが、果たして史実通りに移動しているのだろうか?それとも史実とは異なった移動をしているのか?もしかしてまだラバウル(0704)を出港していないのだろうか?

連合軍索敵機からの連絡で0604、0805に日本軍がいないことが判明した。


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【3】第3ターン(1943/03/02 0600)

夜が明けた。

日本軍艦隊マーカーはニューブリテン島の左右に綺麗に分かれた。

「0505地点、敵影見ズ」「0906地点、敵影見ズ」と索敵機からの連絡が米軍司令部に入った。

「ニューブリテン島東岸、0805地点、敵駆逐艦2隻、敵輸送船2隻発見!!南に向けて移動中。速度約9ノット!!」とかなり詳細な情報が米軍司令部に入ってきた。

「暗号情報どおりだが、数がずいぶんと少ないな。これは囮で他に本隊がいるのか?」と米軍第5空軍司令官G・C・ケネー中将が、副司令官のエニス・ホワイトヘッド准将に話しかけた。

「どうでしょうね。もともと少ないのかもしれませんな。」とホワイトヘッド准将が答える。

「よし。B25隊とA20隊の発進だ。例のスキップ・ボミングを試してこい!!」とケネー中将が命令した。


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【4】第4ターン(1943/03/02 0730)

0805にいた日本軍輸送船2隻駆逐艦2隻に対して連合軍はP40とP38をそれぞれ3ユニット、ボーファイター2ユニット、A20を2ユニット、B25を2ユニット送り込んだ。

日本軍は零戦隊6ユニットが上空直援していた。

激しい空中戦が始まった。


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零戦隊の活躍で次々と連合軍機が墜ちていく。

残ったのは零戦隊が4ユニット

P40が2.5ユニット、P38が2ユニット、A20が1ユニット、B25が1ユニットだ。
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撃墜されたのが零戦隊2ユニット

P40が0.5ユニット、P38が1ユニット、A20が1ユニット、B25が1ユニットだ。
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攻撃できたのはA20が0.5ユニットで、その他の爆撃機攻撃機は攻撃態勢に入る前に零戦隊に落とされたが、逃げるために爆弾を落として逃走した。

 

A20 0.5ユニットが輸送船に反跳爆撃を試みるために低空飛行で襲いかかった。

しかし駆逐艦の対空砲火で+1のダイス修整になり、ダイスが6で爆弾はスキップして海の彼方に沈んだ。
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「0604ニ敵影見ズ」

「0804ニ敵駆逐艦2隻、輸送船2隻発見!」


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連合軍はどちらを攻撃するか迷うところだ。

 

【5】第5ターン(1943/03/02 0900)

日本軍第7艦隊上空には零戦隊2ユニットが直援していた。

P38が2ユニット、B25、A20それぞれ1ユニットが襲いかかる。


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残ったのは零戦隊0.5ユニット、P38が1ユニット、A20が1ユニットだ。


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撃墜されたのが零戦1.5ユニット、P38が1ユニット、B25が1ユニット、A20が0.5ユニットだ。


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残ったA20が反跳爆撃を試みる。


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対空砲火はA20に命中しなかったが、A20の反跳爆撃も輸送船をとらえなかった!

 

日本軍第10艦隊の上空にも零戦隊が2ユニットいた。

連合軍はP40が3ユニット、P38が1ユニット、B25が2ユニット、A20が1ユニットだ。


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空中戦の結果は零戦隊に分が悪かった。


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零戦隊は1.5ユニット失ったが連合軍はP40を1ユニット失っただけだった。


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B25による反跳爆撃だ。


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対空砲火でダイス修正+1だ。

対艦攻撃力6でダイス4+1=5で損害7で輸送船が2隻とも沈んだ!

A20が駆逐艦に反跳爆撃する。


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対空砲火は効果なしだ。

A20の反跳爆撃も戦果なしだ。

 

0907に日本軍がいないことが判明した。

0905に日本軍が輸送船2隻と駆逐艦2隻いた!


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【6】第6ターン(1943/03/02 1030)

連合軍はこのターンはP40を2ユニット、第9艦隊に、P40を2ユニットを第7艦隊に送り込んだ。爆撃機攻撃機は発進できなかった。

零戦隊が第7艦隊上空には2.5ユニットいた。

戦闘機同士の激しい空中戦になった。


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戦いは一方的だった!

P40が全滅したが零戦隊の損害は皆無だった。

 

第9艦隊上空には零戦隊が2ユニットいた。


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P40が1ユニット撃墜されたが、零戦隊は無傷だった。

 

索敵機からの連絡はなかった。

 

【7】第7ターン(1943/03/02 1200)


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日本軍は零戦隊の損害が大きくなっており、0807の第7艦隊上空には、直援機がわずか0.5ユニットしかいなかった。

それに対して連合軍は、P40が2.5ユニット、B25が1ユニットで襲ってきた。


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零戦隊がP40によって壊滅させられた。

B25が輸送船に反跳爆撃する。


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対空砲火は2でダイスが3でダイス修正+1だ。

対艦攻撃力3でダイス5+1=6で効果なしだ。

 

0906の第9艦隊も零戦隊は0.5ユニットだ。

連合軍はP38が2ユニット、A20が1ユニットだ。


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零戦隊が壊滅した!

 

A20が輸送船に反跳爆撃する。


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対空砲火は効果なしだ。

対艦攻撃力3でダイスは2で損害3で輸送船が大破した!ラバウルに戻ることになる。


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0505、0604に日本軍がいないことが判明した。


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【8】第8ターン(1943/03/02 1330)

0807の第7艦隊上空には零戦隊2.5ユニットが直援していた。

連合軍はP38が2ユニット、P40が1ユニット、B25が2ユニット、A20が0.5ユニットで遅いかかかる。


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残った零戦隊はわずか0.5ユニットだ。


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損害は零戦隊2ユニット、P38が1ユニット、P40が0.5ユニット、B25が1.5ユニットだ。


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のこったA20とB25が輸送船を反跳爆撃する。


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対空砲火は効果なしだ。

対艦攻撃力4でダイスは4で損害4だ!輸送船は反跳爆撃によって海の藻屑となった。

 

0906の第9艦隊上空には零戦隊が2ユニット待ち構えているところにP40が1ユニットとA20が1ユニットで襲いかかる。


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零戦隊は無傷でP40とA20は全滅した。

 

残存零戦隊はわずか2.5ユニットだ。

米軍も損害が大きい。

P38は3ユニット。P40は6ユニット。B25は1.5ユニット。A20は1.5ユニットだ。

 

0605に第8艦隊を発見した。

これで残っている日本軍輸送船は3隻(1.5ユニット)だ。

「解読した暗号通り、全部で8隻だな。」とケネー中将がニヤリと笑った。


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【9】第9ターン(1943/03/02 1500)


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連合軍はこの日最後の空襲は、P40による機銃掃射だけだった。

史実では機銃掃射でも輸送船に被害が出たが、このゲームでは被害は出ない。

日本軍は上空直援する零戦隊がいなかった。

 

【10】第10ターン(1943/03/02 1630)


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【11】第11ターン(1943/03/02 1800)

周囲を夕闇が包む。

日本軍はマーカーをスタックさせてどこに本物の艦隊がいるかわからないようにした。


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【12】第12ターン(1943/03/02 2100)

夜の帳が落ちた。


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【13】第13ターン(1943/03/03 0000)


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【14】第14ターン(1943/03/03 0300)


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連合軍の索敵で0210に日本軍がいないことが判明した。

0309に輸送船2隻が発見された!


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【15】第15ターン(1943/03/03 0600)

朝が来た。

ラバウルからは6ヘクス以上と遠いので、このターンは零戦隊が輸送船上空直援護に来ない。


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次のターンは輸送船上空で決戦になるだろう。

 

 

【16】第16ターン(1943/03/03 0730)

零戦隊2.5ユニットとP38が2ユニット、P40が、2.5ユニット、B25が1.5ユニット、A20が1ユニットによる決戦だ。

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零戦隊が全滅した。

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B25とA20が輸送船に反跳爆撃する。


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対空砲火でダイス修正1だ。

対艦攻撃力は6でダイスは5+1=6で損害6だ。輸送船が壊滅した!

 

B25が0.5ユニットで駆逐艦を攻撃する。


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対空砲火でダイス修正1だ。

対艦攻撃力2でダイス4+1=5で効果なしだ。

 

【17】勝利条件の確認

ラエ(19XX列)に到着可能な日本軍輸送船は0ユニットで勝利条件の2ユニット未満のため、連合軍の勝利だ。

 

【9】感想

日本軍輸送船団はほぼ全滅したが、駆逐艦は全て生き残ったので、史実より損害は少なかった。

しかし、輸送船団を援護した零戦隊は全滅するという大損害をこうむった。

連合軍も、P38が4ユニット、P40が7ユニット、ボーファイター2ユニット、A20が2.5ユニット、B25が3.5ユニットと零戦以上に大損害を受けた。

 

艦隊を分割すると発見されずにラエ(0111)までたどり着く可能性が増したように思える。発見されると一撃で輸送船が壊滅するが、発見されずに近づける可能性があるからだ。

 

一艦隊に集中しても複数艦隊に分割するにしても、行き先がラエ(0111)とわかっている以上、最終ターンが近づくと索敵するヘクスが絞られてくるので、日本艦隊が見つからずに近づくのは至難の業だろう。

 

もっとターン数を伸ばして、日本軍が夜間にラエに入港できる可能性を持たせるといいと思った。そうすると最短距離を通らなくてもいいから、連合軍の索敵に引っかからないだろう。

 

史実では一方的な戦いだったが、意外とゲームとして成立すると思った。