Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

【参考文献】リデル・ハート 上村達雄訳『第二次世界大戦』フジ出版(1978/10/25)(その1)


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リデル・ハートの『第二次世界大戦』を読んでみている。

 

約800ページの本体に加えて、72ページにわたる別冊訳注/索引と、61枚の別冊戦況・地図と7ページにわたる年表がついている。

 

こういう本だと、本文にある地名が戦況図にないことがよくあるが、この本では本文にある地名がちゃんと戦況図にあってわかりやすい。

 

第一部 プレリュードを読んでみた。

簡単に年表にすると次の通りとなる。

 

1933年1月30日 ヒトラー政権獲得

1935年1月 ザール復帰

1935年3月 ベルサイユ条約破棄・再軍備宣言

1936年3月 ラインラント進駐

1936年10月 ベルリン=ローマ枢軸結成

1936年11月 日独防共協定締結

1937年11月6日 日独伊三国防共協定

1938年3月 オーストリア併合

1938年9月 ミュンヘン会談

1938年10月 ダンツィヒ返還要求

1938年9月 ズデーデン地方併合

1939年3月 チェコスロバキア解体

1939年8月23日 独ソ不可侵条約締結

1939年9月1日 ドイツ軍ポーランド侵攻

 

ヒトラーの主張はざっくり言うと「ドイツ人が住んでいる所はドイツのもの」ということで、オーストリアを併合し、チェコスロバキアのズデーデン地方を占領し、チェコスロバキアを解体していく。

約10年前に某国が主張して隣国に攻め込んだ論理が、この頃のヒトラーの論理とよく似ている。

ヒトラーの小さな成功が積み重なって要求が徐々にエスカレートしていくのがよくわかる。

ベルサイユ条約破棄・再軍備宣言の時、ミュンヘン会談の時、チェコスロバキア解体の時に、英仏が断固とした態度をとったら、どうなっただろうか?

 

開戦時の兵力

ポーランド軍

 30個師団+予備10個師団

 大騎兵旅団12個

 動員可能兵力約250万人

フランス軍

 110個師団(うち65個師団が現役)

 現役65個師団中

  5個師団が騎兵

  2個師団が機械化師団

  1個師団が機甲師団

 動員可能兵力約500万人

イギリス軍

 フランスに送った師団5個

 爆撃機900機

ドイツ軍

 98個師団(うち52個師団が現役 うち36個師団は未訓練未編成)

チェコスロバキア

 35個師団

 

ドイツ軍がポーランドに攻め込んだとき、フランス軍が西からドイツに攻め込んだらどうだったのだろう?

歴史のifではあるが、フランス軍がベルリンまで攻め込むことは無理かもしれないし、ソ連ポーランドを東から攻撃するのでポーラン崩壊を防ぐことは無理かもしれない。

だが、ドイツ国内のどこかで戦線が停止し、フランスが崩壊することはなかったのではないだろうか?

第二次世界大戦はあそこまで大きな戦いにならずに終わったと思う。

 

第二次世界大戦を、詳細な戦況図や説明していて、通史として読むには不朽の名作だと思う。

第二次世界大戦をテーマにしたウォーゲームをプレイするとき必須の本の一つだ。

 

復刻していないかと思ってAmazonを検索したら、中央公論新社から出版されているようだ。

 

第二次世界大戦 上-1939-42 (単行本)

第二次世界大戦 下-1943-45 (単行本)

kindle版もあるようだ。

第二次世界大戦 上下合本 Kindle版