Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

シミュレーションゲームマガジン タクテクス TACTICS 第55号(1988/6/1)


f:id:Haruichiban0707:20220722174624j:image

タクテクス』(TACTICS)第55号(1988/6/1)を読んでみた。

特集は「戦うためのTACTICS 伸びゆく戦術級ゲーム特集」

 

付録ゲームは<TSR/SPI>の『ブライテンフェルトの戦い』(Thirty Years War Breitenfeld)

表紙は、AH『G.I.勝利への礎』(G.I.:Anvil of Victory)のシナリオ41「ティーゲルへの強打」の初期配置にメタルミニチュアをあしらったものだそうだ。

 

今号から編集長が村川忍氏に交替した。

 

目次は次の通り


f:id:Haruichiban0707:20220722174638j:image

p.10 日和見シャーマン奮戦記 飯島智秀

ゲームシステム、ゲームの雰囲気がよくわかるリプレイだ。

こういう戦術級ゲームは、今ならネットやスマホで、もっとリアルな動画で楽しめるだろう。

 

p.15 GAME REVIEW Advanced Squad Leader 戸島毅

発売以来2年経過して、ようやくきちんとゲーム内容が紹介された。

1.Advanced Squad Leader Rules

 A章 歩兵戦闘(44ページ)

 B章 地形(32ページ)

 C章 砲(21ページ)

 D章 車輌(20ページ)

 H章 自作シナリオ(30ページ)

 J章 デラックスASL(4ページ)

Module 1 : BEYOND VALOR

 ドイツ軍、フィンランド軍、ソ連軍と各種マーカー

Module 2 : PARATROOPER

 BEYOND VALORが不要で安価だそうだ。アメリカ軍やK章 トレイニング・マニュアルが含まれる。

Module 3 : YANKS

 アメリカ軍モジュール。

Module 4 : PARTISAN

 ポーランド・イタリア・ロシア・フランス・デンマークギリシャなどのパルチザン

Module 5 : WEST OF ALAMEIN

 イギリス軍モジュール

 F章 北アフリカ

Module 6 : HOLLOW LEGIONS

 北アフリカイタリア軍

Module 7 : CAMPAIGN IN ITALIA 

 完全なイタリア軍とシシリーやイタリア本土の地図。発売目途は1989年。

Red Barricade

 スターリングラード市街を描いた地図盤を使ったヒストリカル・モジュール。

 

p.19 GAME REVIEW HARPOON Hiroki Takahashi

GDW/HJ『ハープーン』(HARPOON)が紹介されている。トム・クランシーとの共著が多いラリー・ボンドがデザイナーだったのかぁ~。彼らの本はよく読んだが、確かにウォーゲーマーっぽい書き方だったなぁ。ホビージャパンが扱っていたのは知らなかった。

 

p.28 "スコード・リーダー"システムにおける日本帝国陸軍戦闘車輌 戸島毅

『ジェネラル』(The General)誌Vol.15-No.2に、『クロス・オブ・アイアンにおける車輌製作手法』という記事が載っているらしいが、それに基づいて、日本陸軍戦闘車輌のデータを作成した記事だ。

装甲修整値は傾斜角度も考慮して装甲厚から修整値を算出する。

命中修整は車高。

移動力は、路上最高速度やエンジン馬力やtあたりの車体重量やキャタピラ接地圧を計算式に基づいて算出する。

砲の種類は発車初速に基づく。

 

AH『戦闘指揮官』シリーズに日本軍は登場しなかったが、これをもとにユニットを自作してみたい。

「以前、3W社がウォーゲーマー30号に"スコード・リーダー太平洋ヴァリアント"の紹介記事を書いた」とあるが、どこだろう?『タクテクス』(TACTICS)誌第40号のp.83の記事のことだな。

haruichiban0707.hatenablog.com

p.38 ブライテンフェルトへの遠い道のり 付録ゲーム"ブライテンフェルトの戦い"ヒストリカルノート 黒木茂

三十年戦争のブライテンフェルトの戦いのヒストリカルノート。

ほとんど予備知識のない三十年戦争のわかりやすい説明。複雑な国家間の関係性。ブライテンフェルトの戦いをマップを使って解説している。

 

p.66 海戦戦術入門 水上砲撃戦 瀬戸利春

水上戦の進化についてわかりやすく解説している。

 

p.70 戦国時代の戦略と戦術 軍事的に見た戦国史 福田誠

鶴翼の陣や魚鱗の陣などの八陣の解説。車懸りの陣は後世の創作と言われるが実際はどうだったのだろうか?福田誠氏は「ソ連軍の進攻戦術に近い、非常に合理的な攻撃方法だったのではないかと思っている。(中略)攻撃ー休息を繰り返し、休みなく新手を繰り出して的を叩」いたのではないか、と述べている。私も同意見だ。

 

p.72 シミュレーションゲーム プレイングマニュアル(最終回) 戦術級ゲーム 戸島毅

今号では、戸島毅氏が大活躍だ。

戦術級ゲームでは、火力の集中、分断、戦闘手順が重要だ。

役割分担を意識した部隊配置も。攻撃時は、準備射撃を行う部隊、分断を行う部隊、突入を行う部隊の3グループに分ける。防御時は、防御射撃を行う部隊、分断を図る部隊、予備部隊。

そして、プレイ記録をとり、「運」のせいにせず、反省することが大事。

 

これで連載終わっちゃうの?終わらないで続けてほしい。

 

p.75 新書英雄伝 有坂純

今回はディオニュシオスとアルテミシア。

魅力がある人達の話が面白い。

 

p.89 古今東西珍本閑談 黒澤慶助

今回は1940年にDAILY MAIL社が出版されたWAR ATLAS。

ちょうどソ・フィン戦争が終わったばかりなので急遽、新たなソ・フィン国境を訂正したそうだ。フランスの国境線には長大なマジノ線がスイスからダンケルクまで続いているそうだ。本当はベルギー国境までなのだが。昔も今も地図は国際政治に翻弄されるものだ。