HJ『ベーシック3』(スエズを渡れ)(Across Suez)について、どういう作戦がいいのか検討しながら、ソロ・プレイしてみた。
前半はこちら
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目次
【9】第5ターン(1973/10/17) イスラエル軍
南部から進入するエジプト軍に対しては、0819, 1018で防衛線を張る。
イスラエル軍Erez 3(2-12)とSharon(2-18)が工兵橋を渡りスエズ運河を渡河した。
イスラエル軍は北部で圧倒的な兵力で攻勢に出る。
0208でエジプト軍14/21/1(3-10)は0207へ後退する。
0407でエジプト軍23/13-10)が0406へ後退する。
0807でエジプト軍16/2とイスラエル軍Matt2(4-12)が潰滅した。イスラエル軍は機械化歩兵部隊が少ないので、諸兵連合効果できるようにするためにMatt3(3-8)を温存してMatt2(4-12)を除去した。
1207でエジプト軍16/11(2-10)が潰滅した。
1007でエジプト軍14/21/2(3-10)が0907へ後退した。イスラエル軍Karen1(5-12)が1007へ戦闘後前進した。
コミュニケーション・ラインは、Titut道路沿い(緑の線)、Akavish道路沿い(黄色い線)とも、イスラエル軍が確保した。
イスラエル軍の損害5 盤上16ユニット 渡河2ユニット
エジプト軍の損害14 盤上4ユニット
イスラエル軍としては3弱:1の比率でエジプト軍を除去している。
盤上のユニット数が12ユニット多いので、工兵橋と6ユニットを渡河させたとしてもまだ6ユニット残る。
こうなるとエジプト軍の勝機はなさそうだ。イスラエル軍が東方からエジプト軍を徐々に押していくので、コミュニケーション・ライン切断の可能性は極めて低くなった。
南部からのコミュニケーション・ライン切断の可能性も、こうがっちり守られると、難しそうだ。
戦いは、攻守が大きく傾く点がどこかにある。
今回の場合、この第5ターンがそうだったようだ。
【10】第5ターン(1973/10/17) エジプト軍
エジプト軍は南部に増援が登場する。
南部で砲撃する。南部のイスラエル軍を撃破すれば一気にAkavish道路沿いのコミュニケーション・ラインを切断できる。
エジプト軍の砲撃で1018でBaram3(3-12)が潰滅した。イスラエル軍6ユニット目の損害だ。
0508でエジプト軍23/2(3-10)が0606へ後退した。イスラエル軍Erez3(2-12)が0607へ戦闘後前進する。
0819でイスラエル軍Baram1(4-12)が0818へ後退する。エジプト軍25/4(2-10)が戦闘後前進する。
コミュニケーション・ラインは、Titut道路沿い(緑の線)、Akavish道路沿い(黄色い線)とも、イスラエル軍が確保している。
イスラエル軍の損害6 盤上15ユニット 渡河2ユニット
エジプト軍の損害14 盤上8ユニット
イスラエル軍としては2強:1の比率でエジプト軍を除去している。
盤上のユニット数が7ユニット多い。
工兵橋と勝利条件の6ユニットまで残りの4ユニットを渡河させたとしても、まだ15-5=10ユニット残る。10ユニットのイスラエル軍は、エジプト軍の盤上の8ユニットより2ユニット多い。
イスラエル軍は、エジプト軍1ユニットに1ユニットを隣接させることで動きを封じ、コミュニケーション・ラインを守りたいところだ。
こうなるとエジプト軍の勝機はなさそうだ。イスラエル軍が東方からエジプト軍を徐々に押していくので、コミュニケーション・ライン切断の可能性は極めて低くなった。
南部からのコミュニケーション・ライン切断の可能性も、こうがっちり守られると、難しそうだ。
【11】第6ターン(1973/10/17) イスラエル軍
イスラエル軍Amir3(3-12)、Amir1(4-12)、Erez3(2-12)が渡河成功した。
あと1ユニットが渡河すれば勝利条件を満たせる。0211にAmir2(4-12)が到着したので、次のターンで渡河確実だ。
北部はエジプト軍を少しずつ削っていく。
南部ではコミュニケーション・ラインに近づけないように防御する。
0906ではエジプト軍14/21/2(3-10)は、イスラエル軍に包囲されているので、5/6の確率で潰滅する。1/6の確率でEe相互損害だ。
ダイスは5でエジプト軍14/21/2(3-10)は潰滅した。Karen1(5-12)が戦闘後前進する。
0707ではエジプト軍23/2(3-10)が0706へ後退する。
0406ではダイスの目が1。エジプト軍23/1(3-10)が潰滅した、
コミュニケーション・ラインは、Titut道路沿い(緑の線)、Akavish道路沿い(黄色い線)とも、イスラエル軍が確保している。
イスラエル軍の損害6 盤上12ユニット 渡河5ユニット
エジプト軍の損害16 盤上6ユニット
イスラエル軍としては3弱:1の比率でエジプト軍を除去している。
盤上のユニット数が6ユニット多い。
工兵橋と勝利条件の6ユニットまで残りの1ユニットを渡河させたとしても、まだ12-2=10ユニット残る。10ユニットのイスラエル軍は、エジプト軍の盤上の6ユニットより4ユニット多い。
イスラエル軍は、エジプト軍1ユニットに1ユニットを隣接させることで動きを封じ、コミュニケーション・ラインを守りきれそうだ。
こうなるとエジプト軍の勝機はなさそうだ。北部ではエジプト軍はユニット数で7対2だ。戦闘力ではイスラエル軍28に対してエジプト軍6と、イスラエル軍は4対1と圧倒的だ。コミュニケーション・ラインに近づく移動力でもイスラエル軍に負けている。
イスラエル軍がエジプト軍を徐々に押していき、包囲できそうだ。
【12】第6ターン(1973/10/17) エジプト軍
南部もイスラエル軍ががっちり守っており、エジプト軍の移動力ではコミュニケーション・ラインに近づけない。
エジプト軍の頼みの綱は砲撃だ。
エジプト軍の最後の砲撃は空振りに終わった。
0407ではイスラエル軍Reshev1(3-8)が0408へ後退した。
0918では5/6の確率でイスラエル軍Baram1(4-12)は潰滅する。ダイスの目は3。イスラエル軍Baram1(4-12)は後退不能のため潰滅した。
エジプト軍25/2(4-10)が戦闘後前進する。
コミュニケーション・ラインは、Titut道路沿い(緑の線)、Akavish道路沿い(黄色い線)とも、イスラエル軍が確保している。
イスラエル軍の損害7 盤上11ユニット 渡河5ユニット
エジプト軍の損害16 盤上6ユニット
イスラエル軍としては2強:1の比率でエジプト軍を除去している。
盤上のユニット数が5ユニット多い。
工兵橋と勝利条件の6ユニットまで残りの1ユニットを渡河させたとしても、まだ11-2=9ユニット残る。9ユニットのイスラエル軍は、エジプト軍の盤上の6ユニットより3ユニット多い。
イスラエル軍は、エジプト軍1ユニットに1ユニットを隣接させることで動きを封じ、コミュニケーション・ラインを守りきれそうだ。
だが、Baram1(4-12)が潰滅したことで、上の写真の赤い矢印の突破口が開いてしまった。ここを塞がないとコミュニケーション・ラインが切断されてしまう。
最後の最後まで油断できないゲームだ。
【13】第7ターン(1973/10/17夜間)(最終ターン) イスラエル軍
いよいよ最終ターンだ。
渡河予定だったAmir2(4-12)を急遽0917へ移動させて、南部のコミュニケーション・ラインの守りに使う。
代替でReshev1(3-8)を渡河させる。
北部では残敵掃討戦だ。
南部では攻撃しない。下手に攻撃して戦線が崩れて突破口が開くリスクをゼロにするためだ。
0307でエジプト軍14/21/1(3-10)が潰滅した。1005でエジプト軍23/2(3-10)が潰滅した。北部戦線のエジプト軍は全滅した。
上の写真ではゲーム・ターン・マーカーが第6ターンにあるが、本当は第7ターンである。
コミュニケーション・ラインは、Titut道路沿い(緑の線)、Akavish道路沿い(黄色い線)とも、イスラエル軍が確保している。
イスラエル軍の損害7 盤上10ユニット 渡河6ユニット
エジプト軍の損害18 盤上4ユニット
イスラエル軍としては2強:1の比率でエジプト軍を除去している。
【14】第7ターン(1973/10/17夜間)(最終ターン) エジプト軍
エジプト軍は夜間ターンのため、エジプト軍の移動力は8だ。砂漠だから3MP使うので、実質2ヘクスしか進めない。2ヘクスでは、どのユニットがどう動いてもコミュニケーション・ラインに到達できない。
仮に戦闘後前進で前進できたとしてもコミュニケーション・ラインに到達できない。
【15】勝利条件の確認
ヘクス0112から1708へのコミュニケーション・ラインをAkavish道路、Titut道路ともに確保維持している。
イスラエル軍は6ユニット渡河成功している。
上記3条件を満たしたのでイスラエル軍の勝利だ。
【16】感想
今回、いろいろな動きを考えながらソロ・プレイしてみた。
結果的にはイスラエル軍の完勝だったが、このゲームは、最後までどうなるかわからないスリルある展開になる。
第1ターンのイスラエル軍の移動は、今回の移動になると思う。
第1ターンのエジプト軍は、『タクテクス』誌No.63(1982/02)号の記事のように、北へ後退し、イスラエル軍を吊り上げるのも一案だと思う。そうしておいてエジプト軍の損害を抑えておき、渡河して戦力が減ったイスラエル軍を北から圧迫するのだ。
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だが、戦力も移動力も小さいエジプト軍が、自ら後退するのは、私はどうかと思う。
第2ターンもイスラエル軍は、エジプト軍を北に押し上げて、コミュニケーション・ラインを確保しようとする。これは当然の作戦だと思う。イスラエル軍は他の選択肢はあまりないと思う。
今回のエジプト軍は、西部と東部で攻勢に出たが、もう少し戦力を集中して一点突破を目指す作戦もあると思う。戦力温存を図る作戦もあるだろう。
第3ターンには、イスラエル軍はコミュニケーション・ラインを1本確保した。
エジプト軍は、もう少し長くコミュニケーション・ラインを切断しておけば、イスラエル軍を焦らせただろう。
しかし、イスラエル軍の攻撃で損害が累積していたので、限界だった。
第4ターンにエジプト軍の戦線が破綻した。
地図盤を東西に戦線を作るだけのユニット数がなくなってしまった。
第5ターンに増援が来るので、それまでは戦力を保持して、イスラエル軍に圧力をかけるのも一案だろう。
今回の第5ターンの状況になった場合、もう、エジプト軍が北方からコミュニケーション・ライン切断する可能性はないだろう。そうなると、イスラエル軍を北部に吊り上げて、南部から来る増援を助けるくらいだろう。イスラエル軍がその手に乗ってこない可能性もあるが。
第5ターン以後のイスラエル軍は、渡河させる部隊と南部に向ける部隊のバランスと、移動力の範囲を計算しないといけない。
第7ターンは夜間ターンだから、移動力が-2になることに注意が必要だ。
このゲームはシンプルなルールだが、ユニットの配置バランスを考えながら進める必要がある好ゲームだと思う。