Haruichibanのウォーゲームのおと

80年代にシミュレーションゲームにはまったが長い冬眠に入り、コロナ禍やライフイベントの変化により、再開した出戻りヘッポコウォーゲーマーのノート。

たった1ヘクスの位置どりが・・・ HJ『ベーシック3』(スエズを渡れ)(Across Suez)

 


HJ『ベーシック3』(スエズを渡れ)(Across Suez)をA氏と対戦した。

このゲームはVASSALでプレイするのにちょうどいい。

14インチのモニターをタテにして、1920 x 1200で表示したのだが、 マップ全体と、VASSALの操作をする画面が、丁度収まり、スクロール不要で快適だ。

 

 

目次

    1. 【0】初期配置
    2. 【1】第1ターン(1973/10/15夜間) イスラエル軍
    3. 【2】第1ターン(1973/10/15夜間) エジプト軍
    4. 【3】第2ターン(1973/10/16) イスラエル軍
    5. 【4】第2ターン(1973/10/16) エジプト軍
    6. 【5】第3ターン(1973/10/16) イスラエル軍
    7. 【6】第3ターン(1973/10/16) エジプト軍
    8. 【7】第4ターン(1973/10/16夜間) イスラエル軍
    9. 【8】第4ターン(1973/10/16夜間) エジプト軍
    10. 【9】第5ターン(1973/10/16) イスラエル軍
    11. 【10】第5ターン(1973/10/16) エジプト軍
    12. 【11】第6ターン(1973/10/16) イスラエル軍
    13. 【12】第6ターン(1973/10/16) エジプト軍
    14. 【13】第7ターン(1973/10/17夜間)(最終ターン) イスラエル軍
    15. 【14】第7ターン(1973/10/17夜間)(最終ターン) エジプト軍
    16. 【15】勝利条件の確認
    17. 【16】感想

【0】初期配置

初期配置は決まっている。

イスラエル軍を私が、エジプト軍をA氏が担当した。



【1】第1ターン(1973/10/15夜間) イスラエル軍

第1ターンは夜間ターンだから[10.0]によると移動力が2減るし、[9.1]により移動フェイズ開始時に敵と隣接しているユニットは動けない。

また攻撃可能なユニットは[9.2]により必ず攻撃しなければならない。

イスラエル軍移動後

 

イスラエル軍戦闘後


エジプト軍は2ユニット、イスラエル軍は1ユニットを失った。

 

【2】第1ターン(1973/10/15夜間) エジプト軍

エジプト軍は少しでもイスラエル軍ユニットを除去したいので、2か所で包囲攻撃をしかける。

 

エジプト軍移動後

イスラエル軍は3ユニット(画像には写っていないが・・・)、エジプト軍は2ユニットを失った。

エジプト軍戦闘後

 

【3】第2ターン(1973/10/16) イスラエル軍

イスラエル軍はエジプト軍を北に向かって押し出そうとする。

イスラエル軍移動後

このターンもイスラエル軍はエジプト軍2ユニットを除去することに成功した。

イスラエル軍戦闘後

下のリンク先にある本ゲームのユニット研究によると、イスラエル軍の全ユニット数は、23個。エジプト軍のそれは22個だ。

 

haruichiban0707.hatenablog.com

 

イスラエル軍は6ユニットをスエズ運河を渡河させないと勝利しないし、工兵橋1ユニットがあるので、単純計算すると、7ユニットは減少する。そのため23-7=16ユニットが残る。コミュニケーション・ライン確保のために、イスラエル軍1ユニットがエジプト軍1ユニットを抑えるとすると、イスラエル軍の損害よりエジプト軍を6ユニット多く除去しないといけない。(22-16=6)

マン・ツー・マンで抑えるのは現実的ではない。別な考え方をすると、地図盤は、17列あるので、1ヘクスずつ隙間を空けて北部に戦線を作るとして、17÷2≑8ユニット、南部のエジプト軍増援を2ユニットで守るとして、合計10ユニットは、残したい。

つまり、10(最終ターンに盤上に残すユニット)+6(渡河ユニット)+1(工兵橋)=17ユニットは必要だ。許容できる損害は、23-17=6ユニットとなる。

 

【4】第2ターン(1973/10/16) エジプト軍

A氏はいろいろと悩みながら、戦線を張る。戦線を張りながらピンポイントで攻撃してくる。

下の写真の赤丸の部分は、イスラエル軍が戦闘後前進した所だが、今回は前進しない方がよかった。早速、A氏が反撃してきた。

エジプト軍移動後

エジプト軍の砲撃は、いずれも外れた。1/6の確率とはいえ、1ユニットが除去されるから、もし、砲撃が成功すると、イスラエル軍としては大損害だ。

イスラエル軍は4ユニット、エジプト軍は5ユニットの損害だ。

A氏は「ヤバいパターンだ」とつぶやく。

「何を言ってるんだ。既に4ユニット失っていて差は1ユニットだし、増援が入ってくるヘクスがエジプト軍支配地域になっているから、ヤバいパターンなのはイスラエル軍だ。」と心の中で思う私。

エジプト軍戦闘後



【5】第3ターン(1973/10/16) イスラエル軍

このターンにイスラエル軍には増援が到着する。増援が入るヘクスはエジプト軍の支配地域なので、工兵橋は次のターンにする。

何としても増援が入るヘクスを支配地域にしているエジプト軍は最低でも後退、できるなら除去したい。

西方では、不用意に南下したエジプト軍を包囲した。

四角い数字は、戦力差だが、イスラエル軍の砲撃などで最終的な戦闘差はこの数字ではない。

イスラエル軍移動後

エジプト軍の損害は9ユニット、イスラエル軍のそれは4ユニット、差が5ユニットに広がった。

 

 

【6】第3ターン(1973/10/16) エジプト軍

エジプト軍のA氏は、「このゲームは、史実のようなチャイニーズ・ファームではなく、下の図の赤丸の部分がキモになる。ここは、二本のコミュニケーション・ラインが近づくところだから、エジプト軍が道路上にユニットを置いたり、支配地域にしたりしやすい。」と解説してくれた。

エジプト軍移動後

エジプト軍はの攻撃は、砲撃だけだったが、2か所とも効果がなかった。

 

【7】第4ターン(1973/10/16夜間) イスラエル軍

このターンは夜間なので移動力-2で砲撃もない。

イスラエル軍工兵橋をできるだけ進ませることと連絡路の確保がこのターンの目標だ。

コミュニケーション・ラインを邪魔するエジプト軍を東方で攻撃する。

イスラエル軍移動後

イスラエル軍戦闘後

エジプト軍の損害は10ユニット、イスラエル軍のそれは6ユニット、差が4ユニットだ。
コミュニケーション・ラインを1本確保した。

現時点で盤上の残りは、イスラエル軍14ユニット エジプト軍8ユニットだ。イスラエル軍工兵橋と6ユニット渡河分を差し引くと、残り7ユニットだ。8ユニットはほしいところだが、イスラエル軍としては、まぁ、いいペースといえるだろう。

 

【8】第4ターン(1973/10/16夜間) エジプト軍

エジプト軍は全体に東に移動し、コミュニケーション・ライン二本が接近するところで本格的な攻勢をかけるつもりのようだ。

エジプト軍移動後

【9】第5ターン(1973/10/17) イスラエル軍

イスラエル軍はコミュニケーション・ラインの確保しているので、無理に攻撃をかけない。あまり北に動くと、Matzmed(0112)からの離脱の距離が大きくなり離脱できなくなるのを恐れたからだ。

工兵橋はMatzmed(0112)に急ぐ。

増援は、次のエジプト軍の南部からの増援に備える。

下の赤丸の位置に配置したが、これが失敗だった。

イスラエル軍移動後

イスラエル軍の攻撃で、エジプト軍の損害は11ユニットとなった。イスラエル軍の損害が6ユニットなので、差は5ユニットだ。

 

イスラエル軍戦闘後

 

【10】第5ターン(1973/10/17) エジプト軍

エジプト軍の南部の増援がイスラエル軍を包囲する。

あと1ヘクス後ろだったらこうは包囲されなかったはずだ。

 

エジプト軍の砲撃は空振りだ。

エジプト軍移動後

南部でイスラエル軍精鋭5-12が壊滅した。

これでイスラエル軍の損害は7ユニットだ。エジプト軍は11ユニット。その差は4ユニットだ。

盤上にはイスラエル軍16ユニット、エジプト軍が11ユニットだ。6ユニットが運河を渡河し、工兵橋が1ユニットだと残りが9ユニットしかない。イスラエル軍にとってはこのターンの南部での損害が痛い。

エジプト軍戦闘後

 

【11】第6ターン(1973/10/17) イスラエル軍

お尻に火がついたイスラエル軍は、少しでもエジプト軍ユニットを減らすことを考えて攻勢をかける。南部には2ユニットの増援を送る。

イスラエル軍移動後

エジプト軍1ユニットを除去したが、1ユニットは後退して生き残った。2ユニット除去していたら、と思うが、後の祭りだ。

イスラエル軍戦闘後

イスラエル軍の損害は7ユニット。エジプト軍の損害は12ユニット。
盤上には、イスラエル軍16ユニット、エジプト軍10ユニットだ。

 

工兵橋はMatzmed(0112)にいる。除去される恐れはない。コミュニケーション・ラインは確保している。

6ユニットがスエズ運河を渡河してもエジプト軍と同数の10ユニット残る。

このままいけばイスラエル軍の勝利だ。

この時点では、私は勝利を確信していた。

 

【12】第6ターン(1973/10/17) エジプト軍

エジプト軍はここでコミュニケーション・ライン遮断のために砲撃と攻撃をかけてきた。

エジプト軍移動後

エジプト軍の砲撃は効果がなかった!!

 

エジプト軍戦闘後

イスラエル軍の損害は8ユニット。エジプト軍の損害は12ユニット。
盤上には、イスラエル軍15ユニット、エジプト軍10ユニットだ。

 

【13】第7ターン(1973/10/17夜間)(最終ターン) イスラエル軍

いよいよ最終ターンだ。

ターンマーカーを動かしたときに、私は気づいてしまった!!

第7ターンが夜間ターンであることを!

このゲームでは夜間ターンは2移動力減少する。

私は第6ターンに各ユニットが運河を渡河するのに何移動力必要か計算していたが、すべて昼間ターンとして計算していた!!

 

イスラエル軍移動後

 

【14】第7ターン(1973/10/17夜間)(最終ターン) エジプト軍

エジプト軍の勝利が確定した。



 

【15】勝利条件の確認

イスラエル軍は0112に工兵橋を置いている。

イスラエル軍は6ユニット渡河させる必要があるが、5ユニットしか渡河できなかった。

勝利条件の確認

エジプト軍は、南北から矢印のように移動することで、コミュニケーション・ラインを切断できる。

 

上記3条件のうち2条件を満たせないのでエジプト軍の勝利だ。

 

【16】感想

今回はエジプト軍に砲撃のダイス運がなかった。8回のチャンスがあったが、1回も1の目が出なかった。6は4回も出たのだが・・・。

 

「4ターン頃にはもう投了しようか」と思った。」とエジプト軍を率いたA氏は言っていた。

 

その頃は、流れがイスラエル軍にあった。

しかし、5ターンの5-12の進撃が1ヘクス前まで進んだのが敗着だった。

残念な結果だった。

 

このゲームは、シンプルなルールだが、ユニット数が少ないため、1ユニットの重みが大きい。また、配置バランスを考えながら進める必要がある。

 

マップが小さく、縦にするとスクロールなしで、VASSALで全体を見ることができる点もいい。

 

たった1手の間違いや、ダイスの目で、戦局がガラッと変わる傑作ゲームだと思う。

 

またこのゲームでVASSAL対戦したいものだ。