SPI社から1975年に発売された4ゲームが1個になったクワドリゲーム『Napoleon At War』の最後の1個 である、CMJ175『諸国民の戦い』(The Encirclement at Leipzig, 16-19 October 1813)をソロ・プレイしてみた。
1813年10月16日から19日のライプチヒの戦い、諸国民戦争がテーマだ。
本誌p.4にある宮永忠将『歴史ノート ライプツィヒの戦い』を読んで背景を知った上でプレイしてみた。
【Ⅰ】初期配置
初期配置は決まっている。
■フランス軍の作戦
三方から包囲されているので、地形を利用してうまく守りながら、弱い所を攻撃していかないといけない。南のプロイセン軍は強い。北西のプロイセン軍は弱いがフランス軍からは遠い。ロシア軍は弱いが周囲に強いオーストリア軍がいる。
勝利条件は都市の占領ではなく敵ユニットを除去して士気阻喪に追い込む事を常に念頭に置いて戦おう。
■連合軍の作戦
三方から包囲してフランス軍を全滅させるのだ!!
果たしてどんな戦いになるか?
【Ⅱ】第1ターン(1813/10/16)
第1ターンは[12.6.2]により、フランス軍の先攻プレイヤーターンがないので後攻の連合軍プレイヤーターンからだ。
北西のプロイセン軍と増援のロシア軍が道に沿って前進する。
南西からはオーストリア軍が前進する。
南からはプロイセン軍、ロシア軍、オーストリア軍が前進する。
Connewitz(1918)のフランス軍Provが後退しあっさりPleisse Riverをオーストリア軍が渡ってしまった。
2316でもフランス軍第26歩兵師団が後退した。
【Ⅲ】第2ターン(1813/10/16)
フランス軍が親衛隊も含めて反撃を開始する。
0822でプロイセン軍AvGdが後退不能のため除去された。
0923には川越えのため退却できず、0823はプロイセン軍第1歩兵師団が仮に後退してもフランス軍EZOCのため後退不能だからだ。
Connewitz(1917)のオーストリア軍Grenが後退した。
連合軍は全線戦で前進する。
南から攻勢をかけるオーストリア軍は戦線を東に広げながら前進する。
2311にいたフランス軍第16歩兵師団が退却不能で潰滅した。
オーストリア軍がLiebertwolkit(2210)を占領した。
Dolitz(2117)も連合軍が確保した。これでPleisse Riverの東岸の行動の自由を得た。
【Ⅳ】第3ターン(1813/10/16)
2115でプロイセン軍第11歩兵師団が壊滅した。
このターンは連合軍の援軍が登場する。
フランス軍4YGd師団が後退不能で潰滅した!!
第3ターン終了時の戦況は下の写真のとおりだ。
北西にはロシア軍の増援が多数登場した。
南部ではフランス軍は押されている。
フランス軍の損害は23戦力、連合軍は18戦力だ。
【Ⅴ】第4ターン(1813/10/16)
フランス軍は1506で6-1、1909で4-1と高比率で連合軍のユニット除去を狙う。また、0820と2115で2-1だが包囲してユニット除去を狙う。
ヘクス1506ではExの結果でオーストリア軍Res騎兵隊とフランス軍第53歩兵師団が相撃ちとなった。
ヘクス1909ではオーストリア軍が後退した。
ヘクス2115ではオーストリア軍2/II歩兵師団が壊滅した。
Connewitz(1917)をフランス軍が奪還した。
ヘクス0821でプロイセン軍第1歩兵師団が壊滅した。
ヘクス0721でプロイセン軍第7歩兵師団が壊滅した。
連合軍が総攻撃をする。ほぼ全ユニットが攻撃に加わる。
ヘクス2313でフランス軍第5歩兵師団が壊滅した。
ヘクス2015でフランス軍第26歩兵師団が潰滅した。
ヘクス2114でフランス軍第4歩兵師団が壊滅した。
Connewitz(1917)をオーストリア軍が奪還した。
Lindenau(1421)をオーストリア軍が占領した。
ヘクス0519でフランス軍第12歩兵師団が壊滅した。
フランス軍の損害は56戦力
連合軍の損害は51戦力だ。
【Ⅵ】第5ターン(1813/10/16)
ヘクス1604で包囲されたオーストリア軍2/IV歩兵師団はフランス軍の包囲を撃退した。
ヘクス1608で包囲されたオーストリア軍3?IV歩兵師団もフランス軍の包囲を脱した。
フランス軍はConnewitz(1917)を再占領した。
Plagwitz(1521)のフランス軍III騎兵師団が壊滅した。
ヘクス0618でロシア軍StPr騎兵師団が潰滅した。
ヘクス0519でロシア軍第17歩兵師団が壊滅した。
連合軍は全ユニットが攻勢をかける。
ヘクス2211でフランス軍第19歩兵師団が後退不能のため潰滅した。
ヘクス2212でフランス軍第6歩兵師団が後退不能のため潰滅した。
ヘクス1522でフランス軍Provが壊滅した。
ヘクス0822でフランス軍第21歩兵師団が壊滅した。
ヘクス0418でフランス軍第9歩兵師団が壊滅した。
フランス軍が全戦線で押されている。
フランス軍の損害はこのターンだけで45戦力に達した。56+45=101戦力
連合軍の損害はこのターンだけで15戦力だ。51+15=66戦力
【Ⅶ】勝利条件の確認
フランス軍の損害は101戦力
連合軍の損害は66戦力
[15.0]により、第5ターンでフランス軍の損害が100戦力を超えたのでサドンデス敗北条件を満たしたので、連合軍の勝利だ。
【Ⅷ】感想
戦いの後
この後、ナポレオン軍は夜を利用してライプツィヒから撤退した。連合軍は勝利宣言をしたがナポレオン軍を追撃できずナポレオン軍の完全殲滅はできなかった。
本作の印象
ルールは他のNapoleon at War(NAW)シリーズと同じで、基本的で簡単だ。
しかも砲兵がないのでよりシンプルだ。
連合軍が外側から包囲攻撃をするのに対してフランス軍が内線防御する、わかりやすい展開だ。ほぼ全ユニットが参加しての激しい消耗戦になる。
NAWシリーズはこれまで本作品だけが日本語版が出なかった。付録にするなら本作が一番シンプルでよかったのではないだろうか。逆に言うとシンプルゆえに、どの方面にどの部隊を動かすかといった作戦を試せないかもしれない。接敵して戦いを繰り返す展開になるかもしれない。
CMJ166『マレンゴ』、CM169『イエナ・アウエルシュタットの戦い』、CMJ172『ワグラム』も楽しかったが、本ゲームも最高に面白い!!
NAWシリーズの戦術上のコツ
今回、NAWシリーズでの戦い方がわかった気がする。
- 1-2の戦闘比でも恐れず接敵して戦いを挑む。
- 1-3以下の戦闘比では接敵しないようにする。
- 4-1以上の戦闘比ではExの結果があるので気をつける。
- 理想的な戦闘は、戦闘比は3-1、かつ敵ユニットの後退路が無い状態を作る。
- 戦闘後前進は前進後の隊形をよく想定して実施するかしないか決める。
- 戦闘の順序によって、低い戦闘比でも相手を包囲できるので、戦闘順序もよく考える。
- 防御力が2倍になる地形を有効利用すべきだがダイスによって簡単に退却して占領されることを忘れないようにする。
次回に向けて
本作には1日目シナリオと3日目シナリオとグランドシナリオの3シナリオがある。
今回グランドシナリオをプレイするつもりで偶然1日目シナリオとなってしまった。
次回は3日目シナリオをプレイしてみたい。